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文学少女になり損ねたもので

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本にまつわるあれこれ。
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記事一覧

積極的に見せびらかしていこうな

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引き続き『クリティカル・ワード 文学理論』を読んでいるが、言葉にならない熱がドバドバ溢れてくる。特に巻末の読書案内がいい。全部読んでみたくなる。こんなに本をたくさん知っていてしかもそれを自分の気持ちとともに教えてくれようとする人がいるという世界の

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読書記録4

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 とうとう踊り始めた。暇すぎて。あっという間にくたくたになったけど少し健康に近づいた。体を動かすとハッピーになれる。自己肯定感爆上がる。音楽の趣味が変わるまである。

 またガルシア=マルケスをちょっと読み進めた。だんだんきつくなってきた。訳が古

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読書記録

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 さすがにたくさん読んだので疲れた。一昨日の夜~昨日で倉数茂『あがない』、宮澤伊織『裏世界ピクニック』、遠野遥『破局』を読んだ。目がいかれた。以下感想文↓

 倉数茂『あがない』
 普段読むのはもう少し軽いものなので珍しいジャンルの作品に触れ

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100分de名著ペスト回感想

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 NHKで再放送されていた100分de名著のカミュ『ペスト』回を見た。

 内容に深く関わらない点でひどく印象的だったのは動く内田樹を初めて見たということ。衝撃的だった。数冊ではあるが読んだ本は好みだったので最終回のゲストに彼が出演するというのを

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魚も星もわが兄弟(「老人と海」感想)

「老人と海」読みました。

めっちゃいいじゃん!?

わたしは勘違いをしていて、昔国語の教科書で読んだ少年の漁の話だとずっと思っていた。わたしの記憶では、老人を殺めた大きな魚と少年が戦う。当然ねつ造である。かなり後半になるまで「この老人はいつ死ぬんだろうな」と思ってた。馬鹿か。

途中までは時代も背景もよくわかんないまま読み進めていたけど、一度漁のシーンに入ってしまえば俄然引き込まれる。

すっご

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初・三島由紀夫!

中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃
長い。タイトルが。
自薦短編集内に収録されているので本文は長くないです。

ひょっとすると草枕より好き。
能若衆花若のくだり狂おしいほど好き。においたつあの優雅な時間の響き。
霊感に満ちている。大きなものに抱かれている。旧字体の熟語はレースのように編まれてその機微をふるえてなお内包している。
私達がこれらを手放したのはいつ?
私達はこれらの言葉と一

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読了:草枕

タイトルを考える体力がないです。でも書く。

草枕/夏目漱石

読みましたー!

わたしはとても楽しく読めたよ。

え、もう、感動。これが文学。

最初はだるいな…と思ってたのだが途中で「(これは)経では?」とふとひらめき頭を空っぽにして読んだらこの世界のなんとおっとりとして美しいこと。もうずぶずぶ。

実は草枕を読んだのは初めてではなくて、一部分だけ国語の教科書で読んだことがあるんですね。
温泉

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わたしたちが文学

 椎名いゆです。

「誰が何言おうと関係ないわよ。わたしたちが『文学』なのよ!」

顰蹙文学カフェ/高橋源一郎・山田詠美

 文学とかわからないけど超ロック!時代に迎合しないというまさに時代遅れなスタイルを貫き通すところ、すっごいワクワクした。ゴーン氏が楽器ケースに入って出国したってニュース聞いたときと同じぐらい。
 
 こちらは高橋源一郎さんと山田詠美さんの対談です。6章に分かれていて、はじめの

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京に着ける夕

こんにちは。椎名いゆです。恐れ多くも。

 『京に着ける夕』夏目漱石

 面白い文章が読みたい、発作的とも言っていい気持ちに突き動かされ本屋に入りました。面白いとはなんなのか、自分にも分かっていなかったのに。
 開いて読んで、何、この気持ちよさは!?とショックですらあった。しと、と行儀よく並んでいる小さな活字と、ルビと、心地よく流れる文章と句読点。
 音読したい文章です。言葉の繰り返しが、こんなに

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わからない、けど面白い

 本当に不思議なんですが、どうして「わからないのに面白い」ということがあるんでしょうか。

 どうも、椎名いゆです。
 最近読んで(特に文系のみなさんに)「これはオススメだ!」と強く感じた本を紹介します。

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ 富永星訳 NHK出版

 きりりとした青地に白抜きのクレバーなたたずまいでもう、本の顔つきがいい。絶対面白いこの本、と思って買ったらやっぱり面白かった。

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純文学とは二度出会う

 私は純文学が好き、らしい。
 でも、この本が好きです、とは言えても、絶対おすすめだから読んで、後悔させない、とか、そういうことがあんまり言えない。
 何を隠そう、わたしが文学に惚れ込んだきっかけは宇佐美りんさんの『かか』(第56回文藝賞受賞)でした。
 でも不特定多数に薦めるにはこの本、主人公の語りも痛みもある意味ショッキングというか、自分の中に入れるには異物感が強すぎるのではないかと思うわけで

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文学少女になり損ねたもので

 はじめまして。椎名いゆです。
 パンピの若輩者が生意気にも「最近本が面白い/つまらない」を書くnoteです。とんだ恥さらしです。いきなり怖くなってきました。
 そうは言っても本が好きなわけです。本って面白いし、できればもっとたくさん読まれてほしいしもっといい本がたくさん書かれたらと思う。わたしだって面白い文章が書きたい。ということで勇んで筆を取りました。否、キーボードを叩きました。

 義務教育

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