初・三島由紀夫!


中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃
長い。タイトルが。
自薦短編集内に収録されているので本文は長くないです。

ひょっとすると草枕より好き。
能若衆花若のくだり狂おしいほど好き。においたつあの優雅な時間の響き。
霊感に満ちている。大きなものに抱かれている。旧字体の熟語はレースのように編まれてその機微をふるえてなお内包している。
私達がこれらを手放したのはいつ?
私達はこれらの言葉と一緒に何を捨てたの?

こんなプラスチックみたいな世界で何も知らないまま生きていきたくなんてない、と、思わされたりもして。
見たことない漢熟語がたくさん載っていて、この重さといいますか、湿気のある香りの(初めて出会ったはずなのに)すごい懐かしさ。
いろんな本に出会うほどに、もっともっと自分のことを肌ギリギリまで表現していいんだ(というか、絶対やれ)と思う。幸せな読書体験。

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