読書記録

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ubiquitous vol.1  
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 さすがにたくさん読んだので疲れた。一昨日の夜~昨日で倉数茂『あがない』、宮澤伊織『裏世界ピクニック』、遠野遥『破局』を読んだ。目がいかれた。以下感想文↓

 倉数茂『あがない』
 普段読むのはもう少し軽いものなので珍しいジャンルの作品に触れることができました。文芸誌ってそういうところが好き。自分の興味の外の面白いものに触れられる幸せ。
 作中に出てくるテーマは普段なじみのないものでところどころアンダーグラウンドな話も描かれるので万人に楽しい小説ではないだろうが……。
 モチーフの入れかたが上手くて読ませる。わたしが小説に慣れていないだけなのだろうか。ぜひとも技を盗みたい。
 小説の段落のように、記憶を貫き通すコンセプトは時によって変わっていく、その断裂があってなお(あるから?)ちいさな日々のできごとを大事に集めることができるのは、一般的なプラスマイナスを諦めるから至るところなのでしょうか。

宮沢伊織『裏世界ピクニック』
 初・百合の文脈・ライトノベル!!
 前説では「女子ふたり怪異探検サバイバル」らしいです。私からすると、2ちゃんホラーのバディもの。これは百合とか云々じゃなくてバディものっていえばいいのでは?
 主人公たちの探検する「裏世界」の仕組み(の考察)が面白い。
 本文では「恐怖関数」「BOT」などの言葉にたとえられる。
 裏世界の生物?は(何でもない何かを恐怖に変える)「関数」を通してこちらに働きかける、という説明だ。そしてその「恐怖関数」は、体験する人間の恐怖体験をベースにしていると…。
 うおおおおおお。興奮する。それってまさに翻訳であり、他文化とのコミュニケーションの話じゃないですか。

遠野遥『破局』
 なぜ?なぜわたしはこれを読んでいる?
 好みだから読んでいるわけでは多分ない。もっと自分のフィールドに近いものや、ジャンキーで手早くハッピーになれるものはたくさんある。もしかしたらこういうのを中毒と言うんじゃなかろうか。早くこれに慣れたい、自分にとって理解可能なものにしたいから口に入れたくなる。やめておけばいいのに。多分私自身がこれを踏襲して作品を作ることはないし。

 もうちょっとつらつら書いたら個人誌に載せるかもしれない。

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