IDA

しがないコンサルタント。 ビジネスとアカデミックなこと、小説を備忘録みたいな感じで書きます。 長編小説は迷宮入りしたので非公開にしてます… 多分少ししたら更新します。

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しがないコンサルタント。 ビジネスとアカデミックなこと、小説を備忘録みたいな感じで書きます。 長編小説は迷宮入りしたので非公開にしてます… 多分少ししたら更新します。

最近の記事

いまを生きるということ

現代というのはいまを生きることが難しい時代です。なぜなら情報に溢れているからです。あらゆるメールやアプリの通知が我々の意識を断絶し、四方八方に分散させてしまいます。一点への集中が難しいのです。 そんな中でいまに意識をもっていくためには、まず無我夢中になった経験を持っているというのが重要です。「あのときは死ぬほど集中していたな」という経験がものさしとなり、自分の集中度合いを測る助けになってくれるからです。 無我夢中になったことのない人におすすめできるのは「芸術」です。芸術と

    • ドヴォルザークの交響曲第8番

      さて、一旦はいままで書いたものを雑多に投稿していきたいと思います ---------- Forwarded message -------- 交響曲第8番 ト長調 作品88(アントニン・ドヴォルザーク) ドヴォルザークの交響曲第8番はアマチュアオケ界隈では散々な言われ方をしている曲かもしれません。 「ダサい。」 アマチュアだけではありません。私の手元にあるスコアでも散々な言われ方をされています。 “ドヴォルジャークはベートーベンのような厳格な自己批判の態度を持たな

      • 文章を書くということ

        この1年半で本当は書きたいことが山程あったのですが、下書きだけ積まれてまったくなにも完成しませんでした。 ノートに何冊も構想を書きましたが、結局何も生まれていません。 気づけば文章を書くということを忘れていたので一旦は、文章を書く習慣を再度つけたいと思います。 こういう気分の時には、村上春樹の処女作である『風の歌を聴け』を思い出します。 村上春樹でさえ、文章を書くことについてこう言っています。 『夜中の3時に寝静まった台所の冷蔵庫を漁るような人間には、それだけの文章しかかく

        • 神秘主義者の遺書

          「もし自分自身を愛するなら、すべての人間を自分と同じように愛している。他人を自分自身よりも愛さないならば、ほんとうの意味で自分を愛することはできない。自分を含め、あらゆる人を等しく愛するなら、彼らをひとりの人間として愛しているのであり、その人は神であると同時に人間である。したがって、自分を愛し、同時に他のすべての人を等しく愛する人は、偉大であり、正しい」 ーーーーーーーーマイスター・エックハルト いつもくだらない話しかしない女だったんです。 名前はここではSということにさ

          ボスカイオーラ・ビアンコの妄想

          「本当はそこにあるってわかってたの。でも、もっと、もっとって足りないものを埋めようとすると、気づいたらなくなってるものなのよ」 葉子は僕に聞こえるか聞こえないかくらいの声量で話しかけていた。しかし、僕はそれが何を意味するのか考える前に睡魔に飲み込まれてしまった。 日曜日の朝、僕はぐるぐるしている頭を無理に現実の焦点に合わせる。昨日は飲みすぎた。しかし、昨日やり残した仕事に取りからねばならない。僕は隣でまだ寝ている葉子の顔を見ながらそう思う。襲いかかりたい、という衝動をなん

          ボスカイオーラ・ビアンコの妄想

          養老孟司とスティーブ・ジョブズと幸福論

          何して生きるのが幸福か、先人の知恵を引用して記してみる。 養老孟司 ひとは基本的に自分で物事を決めたいと思う傾向にあり、その代表に仕事がある。ただ、何かの仕事をしようとすると、大体の場合、ありとあらゆることをしなくてはならなくなる。例えば医療をやりたいなら、患者さんを見ることがやりたいかもしれないが、そもそも患者さんは勝手に向こうから来るからこっちが勝手に選ぶことはできない。基礎医学をしたいのであれば解剖をする必要があり、そのために検体、死亡した人が必要になるので、死んだ

          養老孟司とスティーブ・ジョブズと幸福論

          小説における共感と差異について

          「面白さ」の定義を共感と差異といったが、これを小説に当てはめてみよう。 面白さを得る順番として、まずは共感を得る必要がある。 そのため、小説は序盤ではリアリズムに富むべきである。現実に即すことで、まずは読者の共感を得る。そして、「きっとこの小説はこの方向に進むに違いない」という期待を得る。ここをタイミングよく裏切る。そうすると読者は差異を感じ「面白い」と感じる。

          小説における共感と差異について

          Types of drinkers

          「世の中には大きく分けて二種類の酒飲みがいる。一つは自分に何かを付け加えるために酒を飲まなくてはいけない人々であり、もう一つは自分から何かを取り払うために酒を飲まなくてはならない人々だ。」 私はこの文章が好きだ。 ➊一般的にひとくくりにされることの多い酒飲みを分けている。 ➋シンプルな二項対立の文章になっている。 ➌「何かを付け加える」と「何かを取り払う」が全く異なるものであるのにも関わらず、「体験の回避」という点で全く同じことを言っている。 特に三点目がいい。

          Types of drinkers

          「デジタル化」時代の非財務情報フレームワーク

          「デジタル化」時代の非財務情報フレームワークについてです。 2020年代の企業経営にはESGやSDGsも含めた 非財務価値経営が必要かと思われます。 ここに関しては、経済産業省の「伊藤レポート」はとても得るものがあります。 https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/pdf/20200930_1.pdf 伊藤レポートでは、日本企業における企業価値の向上には、 これまでの人的資源の管理から人的資本の価値創

          「デジタル化」時代の非財務情報フレームワーク

          DXの課題とHRの展望

          DXは重要なテーマですが、 2020年にマッキンゼーが発表した「デジタル変革が失敗する割合」は面白いです。 ▼URL https://www.mckinsey.com/jp/~/media/mckinsey/locations/asia/japan/our%20work/digital/accelerating_digital_transformation_under_covid19-an_urgent_message_to_leaders_in_japan-jp.pdf

          DXの課題とHRの展望

          組織心理

          ここでは、組織心理学の理論を備忘録代わりにまとめる。 ・トップタレントの割合とチームパフォーマンスの関係 →一般的に組織は優秀人材が揃えば良くなる、と言われる。しかしながらトップタレントの割合はある時点まで増えるとパフォーマンスが良くなるがそれ以上は逆効果である。70%というのが限度だ。  ・行動経済学上の非合理行動 →行動経済学では、通常の経済学とはことなり、人間の合理性ではなく非合理性に焦点をあてる。この非合理を生み出すものは「感情」である。 ・非合理行動の例 1.

          組織心理

          HRテックは必要か?

          HRテック開発に関してご提案しないといけなく、それに関して考えていました。 中小企業向けにHRテック商品の販促を進めたいということですが、 まだまだここは(大企業に比べれば)需要が出てきていない分野でもあります。 そもそもどうしてHRテックの導入が最近はやっているのでしょうか。 ***************************************************** ①外部要因 外部環境が複雑化してきています。 背景としては、労働市場のリソースが減っている

          HRテックは必要か?

          離職率を気にしない会社

          離職の理由っていろいろありますよね。 が、離職全てが必ずしも悪いわけではないので、整理して考えてみます。 ※ぶら下がり社員は悪でしかなく、ある程度の流動性は必要。 離職には次のような5パターンがあります。 ①積極的離職(自分の希望を叶えるための離職) ②消極的離職(今の環境を逃れるための離職) ③離脱(心身の健康の悪化ではたらけなくなること) ④自己都合(家族の転勤、出産育児等) ⑤会社都合(整理解雇等) 上記④、⑤はある程度仕方ないとして (福利厚生充実などでなんとかな

          離職率を気にしない会社

          「悟った」の構造

          東洋哲学と西欧哲学の根本的な違いは「悟り」にあります。 西欧哲学の哲学者は決して「悟」りません。 「悟り」の定義はすべての真理を会得する、とできますが西欧哲学はそもそもこの悟りを許していません。あくまで科学的に真理を追究していく、というのが西欧哲学の真理への立ち向かい方です。ですから必ず後世のものの方が多くの知識を得ているということを前提とします。知識の蓄積は破壊を前提としており、後世の哲学者は知識を破壊し、更新していくことで真理に近づいていきます。(例を挙げるとすれば天動

          「悟った」の構造

          【ショートショート】偽アートマン

          我は偽アートマンである。 本当はアートマンである、と言いたいのだが、そういってしまうとアートマンで無くなってしまうので便宜上「偽アートマン」という呼称をもっている。 私はいつもボコボコに殴られている。よく公園のベンチで寝転がっていると、金髪でピアスを何個もつけた少年少女達がやってきて殴ってくるのである。奴らは拳に私の血を少し付けながら「きったねぇ!」と言いながら帰っていくが私は無傷である。なぜなら偽アートマンだからだ。 私はいつも上司からネチネチと嫌味を言われている。私

          【ショートショート】偽アートマン

          「自分」なんてない

          人間はひまだと「自分とは何なのだろう?」と考えるらしい。 これを大昔に否定した人物がいる。 ヤージュニャヴァルキヤである。 「自分については『に非ず、に非ず』としか言えない」 という言葉を残している。 私たちは自分というものについて認識しようとする。自分、というものは労働のために生きているのだ。とか自分、というものはこの愛する人を幸せにするために生きているのだ。などなど。これらすべては間違いである。 そもそも認識という行動の中で私たちが出会うことができるものは「認

          「自分」なんてない