金魚なら、良かったのか?買ってきた スーパーボールで、我慢してくれ…
愛は主観と思ふ。 すれ違うだけのようにみえて、 それは行きかふこと。 辻に留まる流動はなく、 だれも競争者ではない。 能動のはじまりとおわりにあるもの。 愛は主観と思ふ。
怒濤に無みするものあり。のちに 漣に果無むものあり。 僥倖の先にあるもの。 奇禍の先にあるもの。 しとねの端に寄せては返す波のようなもの。 一蓮托生、波は還るもの。それならばと 白波も仰向く。
月はまるくないほうがいい。 つるんと 盗まれてしまわぬよう空に 引っ掛かけておく。明日も 会えるといい。 月がまるくなってしまう日は少し 怖くなる。不知夜に待つキボウ。
温かいものを恋しくいられる朝は、 あと何れくらいやってくるだろう。 春知らせる鳥が、 四丁目先までやってきていると今朝に聞いた。 そのうちに 丁度いいがやってくる。 丁度いいは、暖かくも冷たくもないけれど 丁度いいからいいんだ。 ちょうどいい、ちょうどいいって鳴きながら
薄灯りの部屋でドーナッツを齧む。 唇の端から溢れた背徳が、 灯りのない床にぽつり落ちた。 わたしは、その背徳を拾い 清清と屑入れに投げる。 明日は護美の日だからと唇が動く。 明日が護美の日でなければ、 ドーナッツを齧ることはなかった。
ひとは嘘をつく生き物だし、 鏡像を好む。そこに、 わたしがふたりいる。 そこには、写像が与えられ無限が生まれる。 わたしが無限になれば、 あなたも無限になるでしょう。だって、 あなたとわたしは同じものだから。ただ、 ふたりしか生まれない世界なのだから。
夢成らず、ただ泳ぎつづけるしかなくとも 諦めることはなにもなく。 海の際の明るむを繰り返し見遣る。 沈むもの昇るもの敷衍してまで その価値に魅入られれば、 盲目に溺れてしまうだろう。 それよりも一片の木片を掴む その手を忘れないでいるのがいい。