花摘

どちらから来ましたか。
「あの山のむこうに在る田の畔です。」

そうこたえたのは
土筆だったか、蓮華だったか。

風のすきなひとだった。
花摘の横顔は、老婆とも少女とも
年輪と瑞々しい頃を併せ持つ。

あの山のむこうに在る田の畔を知り。
あの山のこちらを吹いている。

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