【映画「砂の器」の裏テーマを語る3】商業映画にとって涙を誘う親子愛は必要不可欠だが、この小説の本当のテーマは【背乗り】ではないかと思っている。つまり戸籍のロンダリングだ。主人公の青年は自らの出自を偽るために空いた戸籍へ入り、その人物に成りすますことで成功を手に入れる(つづく
【映画「砂の器」の裏テーマを考える2】1974年版の映画【砂の器】のテーマは【親子の決して消えない絆】【差別】がメインテーマとして描かれていた。非常に考えさせられる涙を誘うテーマである。しかし一方で原作にはそういった描写はほとんどなかったと記憶している。(つづく
【映画「砂の器」の裏テーマを考察1】山田洋次氏が脚本を務めた1974年版の映画【砂の器】は全てが美しいの一言に尽きる。さすが松竹だと思う。俳優松方弘樹氏は著書の中で【隅々まで明るい東映に対して、松竹は職人気質の照明が陰影をつけた美しいセットで映画を撮る】と述べたほどである(つづく