夜な夜な文庫

ここでは映画の話などを書きます。 「夜な夜なラジオ」という映画に関するラジオをやっています。 https://note.com/yonayona_radio

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新たなラジオチャンネル「Ordinary People」について

これまでの夜な夜なラジオは、足下研さんと自分でとにかく映画の話をし倒す「夜な夜なラジオ映画部」を中心として公開してきました。 しかしながら、ここ数年ずっと温めていて、ようやく重い腰をあげてよっこらせと作った新しいチャンネルが、「Ordinary People」というものです。 結構思い入れのある新たな番組が、この週末から、ラジオアカウントのほうで始まりますので、一体どんなチャンネルなのか、紹介していきます。 どんなチャンネル? 「Ordinary People」は、私が

    • おいしい歳時(11月、「ハイボールと駄菓子と蕎麦」)

       急に涼しくなる11月。最近は涼しくなり始めるのが遅く、10月までは夏としてもいいような気さえする。暑けりゃ暑いで美味く、涼しくなれば涼しくなったで美味いのは酒である。ただし、外歩きに外歩きを重ねて外食をし味の研究に余念がないような所謂グルメではまったくないから、安くて美味けりゃそれでいい。そう考えるようになって結局行きつけの飲み屋でビームハイボールを飲み続けている。  僕が通う飲み屋のビームハイボールは安い。一杯200円だ。しかもこの店はつまみに駄菓子も出してくれて、駄菓

      • 「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」の監督は「ハングオーバー」の監督

        「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」をみた。 友人のSNSからは、「前作があんな見られ方をしたから、ああいった作りになったのかな…」というような言葉。 わかる。 良くも悪くも、映画を「わかりやすく」したのだよな。 さてまずは、トレイラーをどうぞ。 映画を見てない方はトレイラーを見て、映画をみてから、文章をお読みください! 大したネタバレはないですがね! 「フォリ・ア・ドゥ」という言葉はフランス語で、「同じ妄想を他者と共有する精神の病」らしい。実際にある病であり、映画の中でもも

        • 日日是日日「おばあちゃんの葬式」

          妻のばあちゃんの葬式にでた。 母方のばあちゃんで、妻の母とその兄弟が最前列に並び、血縁のある人だけが参加するこじんまりした式だった。 僕の膝の上には生まれて二ヶ月ぐらいの息子が抱かれていて、彼と触れている部分が温かい。この子を強烈な生そのものとするなら、ばあちゃんの死と生そのものの間に、僕も含めた途中の人たちがばらばらと並んでいた。見えない力と見えない力の間に座っているような不思議な心待ちだった。 息子は式の最中に小さく叫んだり、おならをしたり、妻のお母さんのお母さんが亡

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        • なんでもないこと
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        • 台湾の民主化について考えるnote
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        • 勉強部屋
          8本

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          猫文「きなこを拾った」

          春の宵に道端できなこを拾った。  当時妻と住んでいたアパートの近くは野良猫がたくさん住んでいて、ご近所さんの一部は積極的に野良猫に餌やりをしていた。いわゆる地域猫のような猫たちがたくさんいたのである。  春の日永の宵の口、近所の駐車場に二匹の子猫がいた。ほとんど生まれたてぐらいの小さな子猫だ。少し暗くて見えずらいが、そのうちの1匹はどうやら片目が潰れかけていて後ろ脚を引き摺っている。 「あのキジトラの子猫、ほっておいたら今晩死ぬわ」  100%当たる占い師のように言い切った

          猫文「きなこを拾った」

          おいしい歳時(10月)「兄の話」

           10月は兄と父の誕生日があるので、なんとなく兄について書こうと思う。  兄は4つ年上で、中高生ぐらいの4つ上と言えばずいぶん年上で、当時はすごく年上の先輩が家にいるって感じがあったし、向こうからしてもめっちゃ年下の後輩が家にいるって感じだったと思う。自宅に後輩がいるのだから、物は教えるし偉そうに振る舞うのは当たり前だ。兄が小学五年生、僕が一年生のとき、2人でヨーグルトをおやつに食べていた。 「なぁ、このヨーグルトにさ、こうスプーン入れるやろ」 兄はスプーンを刺して、ググッ

          おいしい歳時(10月)「兄の話」

          「ジョーカー」の再考⇒「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」に向けて

          過去に映画「ジョーカー」の感想を書いた。 だが、この感想は2008年公開の「ダークナイト」への愛に縛られ過ぎていることを今になって反省している。 確かに、ダークナイトのジョーカーは個人的映画史上に残る最高の悪役、最高の演技、めちゃくちゃ大好きなキャラクターだ。 だけれども、だ! ジョーカーという映画は、もうそこから眺めるべきでない新たなバットマン系譜の作品だったのだ。 ということを今頃考えて、今頃再度視聴し、今頃こうして再度文章を書いている。 だって、「ジョーカー:フォ

          「ジョーカー」の再考⇒「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」に向けて

          おいしい歳時(9月)

           9月。  9月なのに暑い。早く涼しくなって長袖の服を新調したくなる季節です。 今年は新しいブルーのシャツが欲しいなぁ。  9月で思い出す味は2つあって、一つは一生忘れられないだろう鰻の味と、もう一つは深夜のインスタントラーメンです。  鰻のことはまた今度書くとして、今日は後者について書こうと思います。  中学校3年生のとき、僕は夏の大会まで出てから高校受験の勉強を始めました。準備が早い人はもちろん1年生から頑張ってるし、3年生になったらすぐに受験モードという生徒も多かっ

          おいしい歳時(9月)

          おいしい歳時(8月)

          拝啓 甘木 様  8月です。夏が来ました。  と、書き出して、出遅れて残暑の季節になりました。  「熱中症に注意」、「暑い嫌だ暑い早く秋が来てほしい」、なんて悪く言われがちな夏ですが、自分は中高水泳部で夏には外で毎日泳いでいたので、今でも夏になると身体が元気になって泳ぎたくなります。夏、というと昔なじみの気のいいやつ、といった印象です。もしかすると前世は河童だったのかもしれません。今でも週一ぐらいで泳いでいますが、身体が乾くと体調が悪くなるようです。やっぱり前世は河童な

          おいしい歳時(8月)

          映画館より愛をこめて vol.4 ~日常とは特定のある人達にとっては日常であれど他所の人達にとっては非日常であること~

          腰がだいぶよくなりました。 ヘルニアの痛み自体は少し残っているものの、日常動作に不具合は少なく、何より、大好きな運動も少しずつ日常に戻ってきました。  ・毎日の体幹トレーニング(25分程度)  ・30分のジョギング+15分のウォーキング(週一)  ・40分の軽いダンベル等による全身筋トレ+ジョギング10分(週一)  ・45分程度の軽いスイム、背泳ぎとクロールのみ(週一) 自分の身体が少しずつ戻ってきているのがわかります。 やばい、楽しい。 身体を動かせる幸せハンパない。

          映画館より愛をこめて vol.4 ~日常とは特定のある人達にとっては日常であれど他所の人達にとっては非日常であること~

          映画館より愛をこめて vol.3 ~青春とは大いに悩んでいる状態を指すのであれば大いに悩んでいる人はいまだに青春真っただ中であるはずなので多くの人は今も青春~

             今年はなんだか、山下敦弘監督の作品に縁があるようで。というか最近活躍しすぎじゃない?なにかっていうとでてこない?ヘルニアで腰を痛めてひいひい言うてる間にもこんな文章書いてました。   書きましたけれども、「カラオケ行こ!」はほんとによかったなぁ。 みました??ねぇ、みました?? ねぇ、よかったですね~ で、映画館でやってました、今日のご報告はこちら。 水深ゼロメートルから  「アルプススタンドのはしの方」から第2弾の、高校演劇の映画化。監督は青春映画の名手の

          映画館より愛をこめて vol.3 ~青春とは大いに悩んでいる状態を指すのであれば大いに悩んでいる人はいまだに青春真っただ中であるはずなので多くの人は今も青春~

          映画館より愛をこめて vol.2 ~幸福、或いは映画による幸福、或いは映画館でみる映画による幸福~

          アニャ・テイラー=ジョイ、が気になって仕方がない。 面白い、あるいは、面白そうな映画やドラマの此処其処に顔を出している。アニャ・テイラー=ジョイ。 嗚呼、アニャ・テイラー=ジョイ。 名前としては、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、ぐらい言ってみたい。 ちなみにどちらの女優も近年最も気になる人たちだ。 クイーンズギャンビット これどうでしょうか。 ネットフリックスでおすすめには上がってきたけれども、なかなか見るに至っていないという人が多いかもしれない、んですが、めっ

          映画館より愛をこめて vol.2 ~幸福、或いは映画による幸福、或いは映画館でみる映画による幸福~

          映画館より愛をこめて vol.1 ~映画館に行ける幸福~

          ウォーキングの許可が出て、ついに2時間座ってられる身体になりました。 感動が止まりません。 いきなり何言ってんだよ、知らねえよ、という方いらっしゃるでしょう。 ヘルニアを患ってサブスク映画を心の糧に生きていた人間の日記「映画館にいけないすべての者たちへ ~サブスクでみれる映画だけが救いの日々~」を未読の方は以下からどうぞ。 ヘルニアヘルニアいうててもね! 人生仕方ないですから! 映画館っていいですね! さて、記念すべきヘルニア復活記念作品はこちら! 悪は存在しない 映

          映画館より愛をこめて vol.1 ~映画館に行ける幸福~

          映画館にいけないすべての者たちへ vol.4 最終回 ~サブスクでみれる映画だけが救いの日々~

           この映画は、すでに亡くなった作者の魂をきちんと受け取った人たちが、丁寧に作った作品だと思う。  戦争を苛烈に体験した作者は、自身の作品にも人間の業といった、マイナスの部分をたくさん落とし込んできた。また、戦争そのものを描いた作品も残している。  でも彼が作ってきたものが薄暗く辛いものばかりかといえば、そうではなく、軽妙洒脱でユーモラスなキャラクターがたくさん出てきたし、それから作者その人自身が、飄々とした好々爺といった塩梅で、そのお人柄含めて愛されていた方であったと思う。

          映画館にいけないすべての者たちへ vol.4 最終回 ~サブスクでみれる映画だけが救いの日々~

          映画館にいけないすべての者たちへ vol.3 ~サブスクでみれる映画だけが救いの日々~

          ヘル・ドッグス ヘル・ボーイ ヘル・レイザー ヘル・ニア ヘル・ニアになりました。 ヘル(地獄)のニア(近く)です。 文法的には、ニア・ヘルかもしれません。 腰を痛めると何が起こるか。走れなくなるどころか、歩くことが困難になります。 歩くことが困難になるということ、すなわち、歩くスピードが遅くなります。 スピードでいうと、手押し車を押しておられるお婆さんぐらいです。 ご壮健なお婆さん・お爺さんであれば、負けます。 それぐらいヘルに近い生活を送っている昨今。 あまり

          映画館にいけないすべての者たちへ vol.3 ~サブスクでみれる映画だけが救いの日々~

          京都のミニシアターと昼飲み vol.2 「アップリンク京都」

          京都のミニシアターと昼飲みの最高みをお伝えする前にまず、ミニシアターと昼飲みについて、守るべき3箇条を書くこととするッッ 映画と昼飲み3箇条 その1 昼飲みとは、万事幸せなもの。 だがしかしっ、 幸せであるのは自分及び一緒に楽しんでいる仲間だけと心がけよ。 他人に迷惑かけるべからず。 その2 昼に飲めるだけでそこは天国、昼飲みを提供してくれる店に敬意を。 その3 ミニシアターでも、大型映画館でも、飲んでからは映画みるべからず。 飲んでからの映画は寝るぞ。 いびきをかく

          京都のミニシアターと昼飲み vol.2 「アップリンク京都」