Bunposha Cinema Club

名古屋に拠点を構える、印刷・広告制作を生業とする株式会社文方社(http://bunposha.co.jp/)の社内同好会です。6人のシネマアディクトが映画や映画にまつわるアレコレを好き勝手に愛情を込めてレビューします。最新作から個人の思い出の1作まで毎週2・3本アップします。

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最近の記事

カメオ大好き憎めない監督シャマラン最新作『トラップ』【映画レビュー】

★★★★☆(3.5/5) 鑑賞日:10月27日 MOVIX堺 監督: M・ナイト・シャマラン 出演: ジョシュ・ハートネット     アリエル・ドナヒュー     サレカ・ナイト・シャマラン   シャマラン監督の作品の評価は、いつも3〜3.5(5段階評価)になってしまう。ハズレは無いが大満足の傑作も無い(★4.5が最高)という認識だ。 それでも観たくなってしまう不思議な魅力のあるシャマラン作品。 特異なシチュエーション、奇抜なストーリーが持ち味だが  今作は、いつもと少し趣が

    • 『エイリアン』シリーズ7作品。「完璧なる生命体」と「アンドロイド」に注目してみた。【前編】『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』

      「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。」 『エイリアン(1979)』から始まった「エイリアン」シリーズ7作品。 (VSシリーズは含まず) 『エイリアン』はナンバリングシリーズとして「1」~「4」まで、その前日譚にあたる『プロメテウス』と『エイリアン:コヴェナント』(前日譚3部作構想のうち2作)、そして2024年に「1」と「2」の間の時代を舞台としている『エイリアン:ロムルス』が公開されている。 H.R.ギーガーによる異形の宇宙生物が襲ってくる緊張感。異常なスピード

      • 【少しネタバレあり】悪は存在するし、裁かれもする『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』【映画レビュー】

        ★★★☆☆ 鑑賞日:10月14日 劇 場:109シネマズ名古屋 シアター7 IMAX 監 督:トッド・フィリップス 出 演:ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ 『ジョーカー』2作目。 ベネチア国際映画祭で初披露されたが賛否は真っ二つ、その後、北米で公開され否定的評価の方が目立ち、中にはヒステリックな酷評も。 と、若干テンションが下がった心持ちで見たが・・・ いや、まったく悪くない。 もっと観客の神経を逆撫でするような、めちゃくちゃな内容を想像していたが意外にも真

        • ただただ、美しいだけの映画があってもいいのではないか『ぼくのお日さま』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:9月23日 劇 場:伏見ミリオン座 監 督:奥山大史 出 演:池松壮亮・越山敬達・中西希亜良 日々、楽しみに映画を見に行っているだけなのに、妙に疲れることは無いか。 社会的なイシューを取り扱った内容がヘビーな映画、残虐な描写が映し出される映画、上映時間が長く肉体的にこたえる映画。 翻って、本作『ぼくのお日さま』は、近年稀に見るほどの美しさと温かさを持った映画だ。スクリーンに映る、ひたすら美しい光景にぼぉーっと見惚れてしまう。(上映時間も90分とコンパ

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          Fuckin’ Great!リスペクトとオマージュに溢れていたが『エイリアン:ロムルス』【映画レビュー】

          ★★★★☆(3.5/5) 鑑賞日:9月15日 イオンシネマ大高 監督: フェデ・アルバレス 出演: ケイリー・スピ―ニー 『エイリアン(1979)』公開から45年。  舞台はリプリーがノストロモ号を爆破してから20年後の2142年、そのノストロモ号の残骸付近で無人探査機(ウェイランド・ユタニ社)が生命体の繭のようなものを持ち帰るところから始まる。 時系列的には1作目(舞台は西暦2122年)と2作目(2179年)を繋ぐ『エイリアン1.5』である。 エイリアンシリーズへのリスペ

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          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集⑥『百円の恋』

          監 督: 武正晴 主 演: 安藤サクラ 公 開:2014年12月 公開 日本のボクシング映画に名作は多い 『どついたるねん』『キッズ・リターン』『ケイコ 目を澄ませて』『春に散る』『あゝ荒野』『BLUE/ブルー』『アンダードッグ』等々…挙げればキリがない そんな中 『百円の恋』をおススメする ボクシング映画とカテゴライズするのは微妙だが 引きこもりで怠惰な生活を送る がさつで不愛想な 無職32歳の女 一子(安藤サクラ) そんな一子も狩野(新井浩文)の前だけは乙女になる し

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          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集⑤『フォード VS フェラーリ』

          監 督: ジェームズ・マンゴールド 主 演: マット・デイモン     クリスチャン・ベール 公 開:2020年1月 日本公開 この映画実話に基づく エンツォ・フェラーリに踊らされたフォード2世が本気(お金)を出して「ルマン」でフェラーリを痛めつける(結構有名な話です) 名車フォードGTが必見 でもアメリカは1966年から1969年の4年しか優勝してない しかもエントラントがシェルビーなのが最初の2年だけ 純粋なアメリカンは1966年と1967年だけかも? フォードも

          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集⑤『フォード VS フェラーリ』

          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集④ 『オールド・ルーキー』

          監 督: ジョン・リー・ハンコック 主 演: デニス・クエイド 公 開:2003年1月 日本公開 1999年に35歳の最年長ルーキーとして、 メジャーリーグのマウンドに立ったジム・モリスの実話映画です。 35歳で高校教師と野球チームの監督をしていた彼が、 ある事がきっかけでメジャーリーグを目指して練習し、マイナー契約、 そしてメジャーリーグのマウンドに上がる時は、 涙が溢れ出て見てました。                      (text by カルロス0610)

          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集④ 『オールド・ルーキー』

          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集③『チャレンジャーズ』フィジカルでプリミティブでフェティッシュなテニス映画

          監 督: ルカ・グァダニーノ 出 演: ゼンデイヤ      ジョシュ・オコナー      マイク・ファイスト 公 開:2024年6月7日 日本公開 ルカ・グァダニーノがテニスの映画を撮るという。 グァダニーノがテニス? スポーツ映画? なんだそれは。 果たして、できあがった映画は冒頭からテニスをしまくる正真正銘のテニス映画であった。 が、それは勿論グァダニーノのこと、テニスはテニスなのだが、ただのテニス映画ではない。 汗水たらして躍動する溌剌としたスポコン映画ではな

          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集③『チャレンジャーズ』フィジカルでプリミティブでフェティッシュなテニス映画

          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集②『ミリオンダラー・ベイビー』を観て、「パリ五輪女子ボクシング性別疑義騒動」について考えてみた

          監 督: クリント・イーストウッド 出 演: クリント・イーストウッド      ヒラリー・スワンク       モーガン・フリーマン 公 開:2005年5月28日 日本公開 オリンピックや甲子園の報道を見たり読んだりしていると、「執念」「精神力」「絆」「団結」なんて言葉が飛び交います。 日常では、そう言った言葉を否定的にとらえ、「科学的トーレニング」とか「合理的環境」などと偉そうことを言っているのですが、リアルタイムで観戦すると「執念」「精神力」「絆」「団結」と言った言

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          特別企画:この夏に見たいスポーツ映画特集①『がんばれ!ベアーズ』

          監 督: マイケル・リッチー 主 演: ウォルター・マッソー 公 開:1976年12月  日本公開 この夏に観たいスポーツ映画 このお題を見て、すぐに思いついたのは、 1976年のアメリカ映画『がんばれ!ベアーズ』です。 古い映画なので、知らない方もいるかもしれません。 内容は問題児ばかりを抱えた弱小少年野球チーム「ベアーズ」。 そんなベアーズを、かつてマイナーリーグで活躍していたプールの清掃人・バターメイカーがひょんな事情から率いることになり、元恋人の娘アマンダと

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          自己批判と供養を越えて『デッドプール&ウルヴァリン』【映画レビュー】

          ★★★☆☆ 鑑賞日:8月7日 劇 場:109シネマズ名古屋(シアター7 IMAX) 監 督: ショーン・レヴィ 出 演: ライアン・レイノルズ      ヒュー・ジャックマン 『マーベルズ』を劇場スルーしてディズニー・プラスで済ませたため、久々に映画館で見るMCU作品である。 そう、私も多くの方と同様に、フェーズ4⇒フェーズ5とどんどん展開していくに連れて熱が徐々に冷めてしまっている。 『シークレット・インベージョン』、『ロキ』シーズン2、『エコー』・・・このあたりのド

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          ”俺ちゃん”健在!ディズニー初のR指定デップー&ウルヴィー『デッドプール&ウルヴァリン』【映画レビュー】

          ★★★★☆ 鑑賞日:7月28日 イオンシネマ大高 監督: ショーン・レヴィ 出演: ライアン・レイノルズ     ヒュー・ジャックマン 〈ネタバレあり〉 ディズニー初のR指定 迷走MCUの救世主となるか 『LOGAN/ローガン(2017)』の冒涜で幕を開ける  腹立たしいが デップーだから許そう “俺ちゃん”ことデップーは相変わらずで 観客に向けて話しかけるが 今作に至るまでの経緯も絡めつつ ディスっていく 20世紀FOXの墓場もあった ここでおおまかな経緯をざっくりおさ

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          バスケの魅力を余すことなく描かれた 『THE FIRST SLAM DUNK』【映画レビュー】

          ★★★★★ 原作・脚本・監督:井上雄彦 声優:仲村宗悟 笠間淳 神尾晋一郎 木村昴 三宅健太  結論から言おう… 『井上先生は裏切らなかった!』 モーションキャプチャーを駆使して役者の動きや表情を3DCGに落とし込むことで試合中のキャラクターの動きがスムーズになり よりリアルに描かれた 『劇場版 THE FIRST SLAM DUNK』 監督を原作者の井上雄彦氏本人が務めることで 監督本人の頭の中のイメージがより忠実に再現されている本作。 試合中の様々な視点から見た

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          濃密な58分 Don’t Look Back In Anger『ルックバック』【映画レビュー】

          ★★★★★ 鑑賞日:7月28日 イオンシネマ大高 原作:藤本タツキ 監督:押山清高 出演(声): 河合優実        吉田美月喜 原作漫画は読んでいた あの作品を映画化するということで 期待と不安が入り交ざったままに鑑賞 始まってすぐに不安なんぞは吹っ飛んでしまった 何と素晴らしい映像化なのだろう 短くも濃密な58分間 漫画原作を映像化することで起きる “がっかり感” が皆無であった   きっと原作を何百回と読みこんだに違いない 映像化することで原作の魅力を増幅させてい

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          幸せな131分。私を月に連れてって『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』【映画レビュー】

          ★★★★☆(4.5/5) 鑑賞日:7月21日 イオンシネマ大高 監督:グレッグ・バーランティ 出演:スカーレット・ヨハンソン    チャニング・テイタム 米ソ冷戦下の1960年代、1961年4月12日 ”地球は青かった”ユーリイ・ガガーリンを筆頭とするソ連が世界初の有人宇宙飛行に成功した。 米ソの宇宙開発競争で辛酸を嘗め続けてきたアメリカ。ジョン・F・ケネディは、国民の心像を掴むような宇宙計画を模索していた。そこでぶち上げたのが“60年代中に人間を月に到達させる”「アポロ

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