ピンチョンの『重力の虹』(佐藤良明訳)がどこを読んでも面白い。映像的で、脈絡なく乱暴に、衒学的。これは何に似ているかと言うと、ちょっと学のある高校生が授業で習ったことを織り込んで喋り、まわりがそれを混ぜっ返し、話がどこまでも神学的に続く・・・のを楽しんでいるというあの感じ。