
ディランの不思議 佐藤良明
文・佐藤良明(アメリカ文化研究者)
ボブ・ディランがやってきて、大阪、東京、名古屋で11回のステージをこなして帰って行った。半世紀前の目で見ると、SFでしかないようなことが、2023年の現実になっている。アメリカのポップ文化を研究してきた自分にとっても、不思議である。
「なぜ、これほど多くの人びとが魅了され、いまなお求められ続けているのか?」と若い編集者氏に尋ねられた。まあ、それが「レジェンド」というものなのだろうが、それにしても、あの無愛想と、ますますのしゃがれ声で、価値がすり減ることはないのか?

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