眠れない夜に想い出したい私が出会ったへんなともだちのへんな話。きっと、クスッと笑ってほっこりするどこまでが実話なのかは、読んでくれているあなたの想像次第のショートショート。
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【短編小説】へんなともだち 〜チャラ男の渡辺くん〜
残業終わりの仕事の帰り道、今日はやけに明るい気がして空を見上げると、そこには煌々と暗闇を照らす満月が君臨していた。
満月をみて頭に浮かぶのは、お団子とススキと、それからマックの月見バーガーと、そして、チャラ男の渡辺くんだ。
渡辺くんは、新卒で入社した会社の同期で、私の斜め前の席に座っていた。
ある日彼は、煌々と蛍光灯が光るオフィスの中から窓の外に浮かんでいる満月を指さして私に言った。
「はる