【読書】人を殺める可能性は誰にだってあるということ『告白/町田康著』
思わず伸びた手を引っ込めたくなるくらいの分厚さのあるその本を、今しかないと勇気を振り絞って手に取ってしまった。
実際に明治時代に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフに、人が人を殺めるまでの過程が、主人公熊太郎の人生と心情を通じて、もはや途中から嫌になり、目を背けたくなってくるほどに詳細に、こと細かく、約700ページにわたって描かれている小説である。
けれど、嫌になればなるほど、目を背けたくなればなるほど、結末を見届けたくなってしまうので、読み始めたが最後、著者の世