木村創

保育歴20年、子どもの主体性を大切に保育に取り組んでいる向山こども園の副園長です。AI時代に必要な課題解決力・非認知能力を育む保育を行うチーム作りに取り組みつつ、2児の父親としての経験も共有します。

木村創

保育歴20年、子どもの主体性を大切に保育に取り組んでいる向山こども園の副園長です。AI時代に必要な課題解決力・非認知能力を育む保育を行うチーム作りに取り組みつつ、2児の父親としての経験も共有します。

最近の記事

世代を超えて寄り添う保護者支援のポイント - 現代の課題と対応策を考える-

今日は、子育て相談の電話受け手ボランティア養成講座で、講演をさせていただきました。 これまで保育に関する発表が多く、特に最近はAIやICT、マネジメント、保育実践、園改革についてお話しする機会が増えていました。 一方で、今回のように子育て支援をテーマにした発表はあまり経験がなかったため、資料の調査からプレゼンテーションの作成まで新たに取り組みました。2時間という時間を活かしながら、ワークも交え、しっかりお話させていただきました。 現場で保護者と日々向き合っているスーパーバ

    • 地域活性化研修会を通じて考える、これまでと、これからの10年

      本日、全国認定こども園協会東北地区主催の地域活性化研修会が行われました。 東北のこども園関係者が一堂に会する大会で、「これまでの10年とこれからの10年」をテーマに、こども園の歴史と未来について深い議論が交わされました。 今回は宮城県支部の副支部長として、企画運営にかかわらせていただきながら、私自身も多くの学びを得ることができました。 研修会では、現場の保育者向けの講演会や事例発表、保育で使えるパフォーマンス披露が行われる一方、経営者向けのセミナーも併催され、内容は非常に多岐

      • スマートエデュケーションさん主催 公開保育レポート

        本日、スマートエディケーションさんが主催で、向山こども園の公開保育が行われました。 日本全国から定員いっぱいの50名もの保育関係者の方が参加して下さり、保育の現場を見ながら、様々な議論をする中で多くの学びを得られる貴重な機会となりました。 後日、皆様から頂いた質問などにnoteの記事を通してお答えしていこうと思っていますが、今日は、ホットな気持ちの中、感じたことや得た学びについてつらつら書いてみたいと思ます。 公開保育の運営に学ぶプロフェッショナリズムまず、スマートエディケ

        • スマホで調べてみたらいいじゃん?という4歳児

          今日、お風呂の中で子どもと色々な話をしているときに、飼っているカナヘビの餌をどうするかという話題になりました。 すると、年少の娘が、「スマホで調べてみたらいいじゃん」と言いました。 私自身、ほとんどのことをスマホで調べたりしているくせに、なぜだかドキッとしました。 ということで、この「ドキッ」を自分なりに分析してみようと思います。 子どもとカナヘビの出会いちょうど10日ほど前、年少になる我が子がカナヘビを捕まえてきました。 妻から第一報が送られてきて、家に帰ると、カナヘビの

        • 世代を超えて寄り添う保護者支援のポイント - 現代の課題と対応策を考える-

        • 地域活性化研修会を通じて考える、これまでと、これからの10年

        • スマートエデュケーションさん主催 公開保育レポート

        • スマホで調べてみたらいいじゃん?という4歳児

          大人の背中が語るもの

          向山こども園は一足先にクリスマスの期間に入りました。 生誕劇を見たり、クリスマスのお話を聞いたり… その中で、自分たちだけが幸せなクリスマスを迎えるのではなく、世界の人がみんな幸せなクリスマスを迎えられるようにと、キリスト子ども市というクリスマスマーケットが開かれます。 今日はなぜ、こども園でチャリティーバザーが開催されるのかについて、書いてみたいと思います。 キリストこども市とはキリストこども市は、12月の第1土曜日に開催されるチャリティバザーで、保育施設に通う子どもたち

          大人の背中が語るもの

          それは、友達? 仲間?

          今日は、ある保育者と話をしていたところ、人間関係をうまく言い表せていないと感じた時のお話。 人間関係をどのような言葉で言い表せば良いか、一緒に整理してみました。このことはとても大切だと感じたので、自分自身の整理のために、記事にしてみたいと思います。 保育者は、人間関係を調整するプロ保育者は、日々の保育を通じて、子どもたちの人間関係を細かく観察しています。 ただ『仲が良い』『仲が良くない』といった単純なことだけでなく、『一緒に遊びたくても輪に入れないんだな』や逆に『本当は違う

          それは、友達? 仲間?

          保育の新4K 考えてみました!

          今日は、近隣の中学生が家庭科の授業で午前中に子どもたちと関わりに来てくれました。最初は少し構えていた中学生たちも、子どもたちと鬼ごっこをしていくうちに表情もほぐれ、素敵な姿をたくさん見せてくれました。 しかし、保育者を目指す人の数は年々減少の一途をたどっています。 今日は、保育の新4Kを考えてみたので、1人でも保育に興味を持ってくれる人が増えればと願いを込めて書いてみたいと思います。 保育って、本当に3K なの?近年、保育業界では、人手不足が大きな問題となっています。 特

          保育の新4K 考えてみました!

          乳幼児教育学会シンポジウム ~場外編~

          本日は、乳幼児教育学会のシンポジウムで登壇させていただきました。 まずは、このような貴重な機会をくださった、香宗我部先生、高橋先生に深く感謝申し上げます。 そして、一緒に登壇してくださった、高橋健介先生(東洋大学)保坂佳一様(Childcareweb社代表)古賀琢也先生(千葉明徳短期大学)深谷ベルタ先生(千葉明徳短期大学)松延毅先生(小池保育園、出雲崎保育園)本当にありがとうございました。 今回のシンポジウムは「プロレスのように意見をぶつけ合ってほしい」と提案された通り、非

          乳幼児教育学会シンポジウム ~場外編~

          AI vs NI – 保育における生成AIの必要性を問うシンポジウム

          2024年、乳幼児教育学会の企画シンポジウム『“生成AI”vs“NI” 生成AIは保育に必要なのか?』が開催されました。 AI技術の進化が急速に進み、保育の現場にもその活用が話題となる中、生成AI(人工知能)とNI(自然知能)のどちらが保育において必要なのかが議論されました。 私は、AI側のシンポジストだったので、せっかくなので、文字起こししたものを、chatGPTで記事にしてみようと思います。 以下に、シンポジウムの企画趣旨、AI派・NI派それぞれの主張、そしてその議論の要

          AI vs NI – 保育における生成AIの必要性を問うシンポジウム

          泡だらけのキッチンで見つけた小さな成長

          うちにはもうすぐ3歳になる下の子と、4歳になったばかりの上の子の2人の娘がいます。 平日の朝、私は数分で洗い物を終え、後は妻に丸投げして家を出てしまうので、子どもたちと一緒にお皿洗いをする機会はありませんが、お休みの日は一緒に洗うこともあります。 2人はお手伝いが大好きなようなので、特に休日の朝はその好奇心がキッチンに向かってしまいます。 今日はそんな休日の朝の風景から感じたことを書きたいと思います 休日のキッチンは、泡と笑顔(?)でいっぱい 休日の朝、私がこっそりお皿洗

          泡だらけのキッチンで見つけた小さな成長

          年少リトルフェスティバルを振り返って

          昨日・今日の2日間をかけて、年少3クラスのリトルフェスティバルが無事に終了しました。 2日間を通じて、子どもたちは自分たちのやりたいことに取り組み、その成長した姿を保護者の皆さんが温かく見守ってくださいました。 今日は、年少さんの4月から11月までの成長と、今回のフェスティバルの意義を振り返ってみたいと思います。 4月から11月の成長1学期に大切にしてきたこと 年少さんが入園したばかりの頃は、園生活に慣れることが第一の目標でした。 荷物の片付けやお集まりなどはいったんおい

          年少リトルフェスティバルを振り返って

          地域をどのように巻き込むか?

          今日は向山こども園で行われている『コミちゃん』というボランティア制度について、あえて『コミちゃん』と呼んでいる経緯や保育の中で行われる意義について、書いてみたいと思います。 コミちゃんの概要と目的「コミちゃん」とは、コミュニティティーチャーを指す愛称で、向山子ども園が運営するボランティア制度の一環です。 この取り組みは、地域の方や保護者、小学生から大学生まで、幅広い世代の人々が子どものそばで活動し、子どもたちが多様な人間関係や価値観に触れる場を提供することが目的です。 保育

          地域をどのように巻き込むか?

          保育の現場で役立つ! 『拠点』を活用した遊び支援のポイント

          今日は、3歳児の保育を見ながら考えた、拠点やそこに関わる保育者のかかわり方のコツみたいなことを整理して書いてみたいと思います。 拠点とは何か?「拠点」という概念は、保育の環境構成において子どもの主体的な遊びを支えるための基盤となる場所のことを言います。 これは東洋大学の高橋先生から学んだ概念で、従来の「コーナー」という考え方よりも、より子ども主体の視点を重視しています。 拠点は、大人が設定した場所というよりも、子どもたちが自由に遊びを展開し、変化を生み出すことができるベース

          保育の現場で役立つ! 『拠点』を活用した遊び支援のポイント

          公教育が楽しいところでもいいのでは?

          今日は、学びの多様化学校の研修で聞いたことと、向山の年長の子どもたちがうかがった学芸会の感想を交えて、考えたことを書きたいと思います。 めちゃくちゃ生意気なことを書きますし、不快に思う方もいらっしゃると思いますが、傍観者ではなく、当事者として関わっていきたいと思うので、今考えていることを書きたいと思います。 不登校の現状と支援の課題研修会の中で、文部科学省からの最新の報告がなされました。 この報告によると、日本の小中学校における不登校の児童生徒数は11年連続で増加を続けて

          公教育が楽しいところでもいいのでは?

          言葉を持たないことの豊かさ

          今日は1歳児担当の保育者と話をして感じたことを共有したいと思います。経験が浅いながらも一生懸命保育に取り組んでいる姿はとても輝いていましたが、少し焦りを感じているように見えました。 彼女が話してくれたエピソードでは、子どもたちと風を使った遊びの中で、子どもたちが多くのことを学び、発達していると話してくれました。 このエピソードを聞いて感じたことや、改めて考えさせられたことを書いてみたいと思います。 風は見えない話してくれたエピソード 「風は目に見えないし触れられない」とい

          言葉を持たないことの豊かさ

          学びの多様化とオランダ教育の先進性

          今日は、ろりぽっぷ小学校で行われた、学びの多様化学校実践報告フォーラムの配信をしてきたので、そこで学んだことと考えたことを書きたいと思います。 今回取り上げたいのは午前のリヒテルズ・直子さんの講演。 学びの多様化について、日本とオランダの教育制度を比較しながら、学びの本質を鋭く突いた講演は、非常に示唆に富む内容でした。 オランダの教育制度は、教育の自由を重視し、個々の子どもたちの個性を尊重する方針が取られています。 公立・私立の区別なく補助金が与えられ、それぞれの学校が理

          学びの多様化とオランダ教育の先進性