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保育の新4K 考えてみました!

今日は、近隣の中学生が家庭科の授業で午前中に子どもたちと関わりに来てくれました。最初は少し構えていた中学生たちも、子どもたちと鬼ごっこをしていくうちに表情もほぐれ、素敵な姿をたくさん見せてくれました。

しかし、保育者を目指す人の数は年々減少の一途をたどっています。
今日は、保育の新4Kを考えてみたので、1人でも保育に興味を持ってくれる人が増えればと願いを込めて書いてみたいと思います。


保育って、本当に3K なの?

近年、保育業界では、人手不足が大きな問題となっています。
特に、高校生が保育の養成校に進学しない、また養成校で学んだとしても就職しないケースが増えているという現状です。
こうした背景には、いわゆる「3K」や「6K」といったネガティブなイメージが影響していることが考えられます。

しかし、この業界で働く私たちからすれば、保育は決して「きつい」「汚い」「危険」なだけの仕事ではありません。

そもそも「3K」や「6K」って何?

一般的に、保育の仕事は「3K」として「きつい」「汚い」「危険」と捉えられることが多く、さらに「帰れない」「給与が低い」「厳しい」に言い換えられたりもしているようです。
さらに加えなくてもいいのに、「腰が痛い」「婚期を逃す」「化粧のノリが悪くなる」などを挙げる人もいて、「6K」としても語られたりもしているようです。

確かに、子どもたちと遊ぶ時には走るし、抱っこをしたりもするので、体力的に厳しい部分もありますし、おむつ替えなどもあるため、衛生面での負担があるのは事実です。
しかし、現代の保育施設では衛生対策も整っており、「汚い」とされるイメージは実情とかけ離れています。
また、働き方改革が進む中、多くの園で業務の見直しや待遇の向上が進んでおり、「帰れない」という問題も改善されつつあります。少なくとも向山では、残業は基本的にありませんし、持ち帰り仕事は厳禁です。
給与面に関しても、数年前と比べると万単位でアップしていますし、着実に改善しています。

3Kとか言っている人は何がしたいの?

そもそも、なぜこのようなネガティブキャンペーンが行われているのか?ということを考えてみました。

おそらく、過去の先輩方は、処遇や職場環境が改善されない中でも、続けたくても続けられない状況で懸命に働いていたのだと思います。
その中で、保育の現状を知ってもらい、より良い労働環境を構築するために、あえてネガティブな情報を発信し、「『ただ遊んで、掃除をしたら帰れる。夏休みは休み放題』なんて甘い仕事ではない! そのため、もっと処遇や地位の改善をしてほしい!」と社会に訴えてくださったのでしょう。

そのキャンペーンもあって、保育教諭の労働環境は飛躍的に改善されました。先輩方に感謝です。

「新4K」

しかし、そろそろネガティブキャンペーンの効果が逆効果となり、保育業界が歪曲されて捉えられるようになっていると感じます。
ということで、ネガティブなイメージに代わる新しい価値観を発信すべく、「新4K」という概念を考えてみました。
4Kは、「感動」「驚愕」「関係」「貢献」はいかがでしょうか?

1. 感動(kando)

子どもの成長を間近で見守ることは、保育者にとって日々の大きな喜びです。言葉を話せなかった子が初めて言葉を発し、歩けなかった子が自立して歩く瞬間。そうした子どもの変化には多くの感動が詰まっています。成長する姿を見て、子どもたちの純粋な努力や喜びを一緒に感じることは、保育者にとってのかけがえのない瞬間です。

2. 驚愕(kyogaku)

保育の現場では、子どもたちと一緒に日々大発見に出会えます。足元に落ちている小さな石は、子どもたちにとって化石や宝石に変わり、木の実や草花はまるで世界初の新種のように大切に飾られます。すべてが生まれて初めての驚きの出会いに立ち会っていると、保育者も感化されるのです。保育の現場は常に新しい発見や驚きに満ちており、大人の感性をも豊かにします。

3. 関係(kankei)

保育者と子どもたちの関係は非常に強い絆で結ばれています。もちろん、保護者と子どもの絆には及ばないものの、保育者は子どもたちにとって特別な存在です。子どもが保育者を信頼し、嬉しいことも悲しいことも全力で伝えてくれる関係は、何ものにも代えがたいです。一般的に、無償の愛は親から子どもに注がれるものだと言われますが、私は逆だと思っています。子どもこそが、保護者や保育者に対して無償の愛をもって接してくれるのです。こうした人間関係は、大人の世界ではほとんど体験できないほど純粋で貴重なものです。

4. 貢献(koken)

保育は単なる仕事にとどまりません。コロナ禍で保育が停止したときに社会全体が動きを止めたことからも明らかなように、保育は社会の重要なライフラインです。そして、将来の総理大臣も社長も、ノーベル賞受賞者も、社会に初めて出るのは、保育現場です。保育・教育を通じて社会貢献をしているという意識は、保育者の大きな誇りです。

保育の仕事の再評価を

保育の仕事には大変な部分も確かにありますが、何物にも代えがたい素晴らしい場面に出会えるほか、社会的意義も多く存在します。
ネガティブな面だけが強調されるのではなく、こうした「新4K」に代表されるポジティブな部分が認識され、保育の魅力を再評価されることを切に願っています。
保育って最高の仕事だということが、読んでくださった方に伝われば幸いです。

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