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学びの多様化とオランダ教育の先進性

今日は、ろりぽっぷ小学校で行われた、学びの多様化学校実践報告フォーラムの配信をしてきたので、そこで学んだことと考えたことを書きたいと思います。

熱い教育者の熱気で包まれた会場


今回取り上げたいのは午前のリヒテルズ・直子さんの講演。
学びの多様化について、日本とオランダの教育制度を比較しながら、学びの本質を鋭く突いた講演は、非常に示唆に富む内容でした。

オランダの教育制度は、教育の自由を重視し、個々の子どもたちの個性を尊重する方針が取られています。
公立・私立の区別なく補助金が与えられ、それぞれの学校が理念に基づいた教育を展開できることが、その多様性を支えているという点は興味深いものでした。

公教育の歴史と現在の課題

リヒテルズさんは、産業革命以降の公教育がどのように産業社会や軍に適した人材を育てることに焦点を当ててきたか、そしてその影響が日本の明治時代に取り入れられ、現在も続いているのかについて、わかりやすく、順を追って話してくださいました。
一方で、オランダは新教育運動の影響を受け、民主的な社会を支える市民を育てる教育を目指し、大きく教育制度を転換した時期があります。その結果、100の学校があれば100の教育があるという多様性があり、ショッピングセンターの近くに、それぞれの理念を持つ3つも小学校が併設されるなど、日本とは別次元での教育の柔軟性があるという事例をお話しくださいました。

個別最適化とインクルーシブな学び

オランダの教育では、子どもたちが自分のペースで学びを進めることが可能で、特定の科目が苦手でも取り残されるリスクを避けられる個別学習プログラムが導入されています。
この考え方は、子ども同士で教え合う実践でも効果的に作用しています。
理解に時間がかかった子どもが下の子に教えるとき、誰よりも丁寧で忍耐強く教えていたという事例からも、必ずしも早く正解を出せることだけが価値ではないということが、社会全体で認められていることが伝わってきました。
早くできることを重視するのではなく、子ども一人ひとりの学習ペースを大切にする教育方針が印象的でした。

自律的な学びと責任感の醸成

オランダでは、一斉授業に縛られず、子どもたちが自由に学ぶスペースで自律的に学ぶ姿が紹介されました。
自由が与えられると同時に責任も伴うため、その自由を適切に扱う術を学ぶことが教育において重要とされています。
日本の学校では自由が制限される一方、責任だけが求められることがあるという指摘は示唆的で、幼児教育から小学校教育を見た時に感じる違和感がここにあるのかもしれないと感じました。

子どもたちの主体性を育む教育

講演では、日本の学校行事、特に学芸会が持つ側面にも触れられました。
オランダの先生たちは日本の学芸会での整然とした合唱に感動しつつ、子どもたちの笑顔がなかったことを寂しく感じたといいます。
オランダの学芸会では、子どもたちが主体的に関わり、時には失敗しながらも成長を遂げる姿が見られるそうです。
これは子ども主体の教育がもたらす効果といえると感じましたし、向山のリトルフェスティバルに近いのではないかなと想像しながらお話を聞かせていただきました。

質問を重視する文化と能動的学び

また、特に印象的だったのは、問いを立てることを学びの中心に据える教育文化です。
日本の生徒は質問を避ける傾向がありますが、オランダでは質問することが学びを深める手段とされており、『答えを教える教育』ではなく、『問いを立てる教育』が行われているとのことでした。
この文化が子どもたちの学習意欲や好奇心を育てる要因の一つであると感じました。

現代日本の教育の課題と方向性

日本の小学校では、公教育の一斉授業の形式や画一的な進行が多くの不登校児童を生んでいる現状があります。
文部科学省の最新の統計によると、15人に1人が不登校というのは非常に深刻な事態です。
これを教育の限界と捉えるべきで、多様な学びの選択肢を広げることが求められます。

幼児教育の立場からのアプローチ

向山で実践されている幼児教育では、子どもたちが遊びを通して主体的に対話し、その中で学びを深める場面が多く見られます。
しかし、小学校に行って2か月もすると、互いを○○さんと呼び合い、大人の目を非常に気にするようになるのが、毎年、歯がゆい思いをしています。

子ども主体の教育を小学校以降の教育にもつなげ、子どもたちが自分のやりたいことを追求できる場を提供することが重要だということを改めて感じさせられました。

今後の勝手な展望

公立小学校へは、学校運営委員の委員として関わったり、県の幼児教育推進連絡会議にも出席する予定なので、ここでも積極的に発言して、公教育がより良いものになるよう、私なりにできることをしていきたいと思っています。
また、私立の小学校や、ろりぽっぷ小学校のような学びの多様化学校とも連携を模索していきたいと思っています。
学園長の加茂先生と話していたのは、向山を送迎拠点として、朝と帰りに、保護者は向山に子どもを送り届ければ、ろりぽっぷ小学校に行けるということもできないかななんて思っていました。
また、放課後の居場所づくりも行いながら、多様な教育の可能性を模索することができると考えています。

現行の小学校教育がすべて悪いわけではありませんが、画一的なシステムがすべての子どもたちに当てはまらない場合も多々あります。
教育の多様化を促進し、子どもそれぞれが自分のペースで学べる環境を整えることが今後の大きな課題だと感じました。
私は幼児教育の中でやりたいことがまだまだあるので、小学校を作ることはしないと思ますが、放課後の活動や地域と連携した居場所作りなど、できることを探して取り組みたいと思っています。

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