【読書】 『告白』 湊かなえ(著)
『告白』 湊かなえ(著)
怖かった。
何度読み返してもじわじわとした恐怖感。
そして、後味の悪い読後感がまさに"イヤミス"。
登場人物が誰ひとりとして幸せになれないどころか追い詰められていく。
そこには、何の罪もない最愛の子をくだらない理由で死に追いやった犯人への復讐か、それとも報復か。
本文には、
とあるように、未成年には罪を償う機会すらない。いや、未成年は罪を犯しても、罪を償うフリをすれば成人する頃には新しい氏名を与えられ人生を歩むことができるが、被害者と被害者家族はやり場のない気持ちを抱えたまま人生を歩む現実社会を揶揄したような、そんなやり場のない思いがそこはかとなく伝わってくる。
そして何よりも、現実にも起こりえるような事件であることもさらに一層の恐怖心を煽られるのかもしれない。