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草露 文(あや)
2024年10月27日 05:25
︎︎冬場の喫煙者には哀愁が漂う。 ︎︎分煙が進んでいるのか後退しているのかは、なにぶん僕自身が喫煙者ではないから分からないが、傍から見ていて思うに分煙は喫煙しない人と共に暮らすのであれば仕方の無い策である。 ︎︎分煙をする理由の大部分は健康を害するからだと聞く。それ以外には、僕がぱっと思いついたのは長く残る匂いと部屋の壁や物を変色させることぐらいである。それらを避けるために分煙にするのだが、
2024年9月7日 23:10
ㅤ仲秋。白露。草露白の侯。朝晩はとても冷え込んで毛布を一枚重ねたい程の寒さである。かと思ったら、昼間は仲秋と言えど酷い暑さで何もせずとも汗が流れる程であった。そんな極端な気候のある中、私は冷え込む朝に散歩をするようになった。ㅤ朝、五時五十分頃。空が明るくなり始めて少し経ったぐらいに外へ出る。秋の虫たちの声が鳴り響く中、道の左手には朝露をたくさん纏った草たちが朝の呼吸をし始める。草露を指に取り頬に
2024年8月6日 16:27
立秋。涼風至。暦の上では秋だというのに暑さが残る日々を送りつつも、私は早々と秋風を求めて小さな旅に出た。 襷掛けをした袖には何の重みも存在せず、故にそれは空と結ばれる。結ばれた空に無弦琴の音を響かせれば、何処からともなく金色の絹糸が漂い始める。空に浮かぶ金糸は千々に切れ、その様は祝福の紙吹雪を思わせる。これが私が感じた立秋の風景の一部である。 移ろう季節に美しさを感じ、私もまた自然と共に歩も
2023年10月22日 00:32
元気で弾けのあるスピ系の人が苦手だ。僕自身もスピ系に属している人間だけれども、僕はスピリチュアルに静けさを求めている節がある。そういう訳で元気で華やかなスピ系の人が苦手なのだ。 何ヶ月か前に、やっとスピ系のお話が出来そうなお店が近所にあることを発見し、その瞑想会に行ってみた。瞑想は楽しかった。しかし、その後の会話が苦痛だった。周りが女性だらけなこともあり、話は大いに花を咲かせていた。そうして
2023年10月21日 21:50
最近のことをつらつらと書いていきます。 まず、何気ない日々が一番の幸せだと気づきました。些細なことに心を込めるということも学びました。それと、エナドリを飲むことを「命の前借り」と言うように、スマホ決済は「お金の前借り」だということに気づきました。 「返って自分のためになる」という考えは無く、ただひたすらに奉仕の精神で、人のためになることをしたいと思っています。でも、僕は手元不如意です。体力
2023年8月23日 20:19
病院に入院してからというもの、僕の心の内にはある文字たちが付き纏っていた。それらは僕の心を変えてしまった。「壊、亡、虚、滅、消」の五文字。 その他にも「破壊」「崩壊」「滅亡」が僕へのキーワードとして取り巻いている。何かを壊したいという気持ち、何かしらの固定概念を壊したいという気持ちが大きくなっている。 たぶん入院前に読んだ漫画からの影響がある。その漫画は、伊藤計劃のハーモニーをコミカライ
2023年7月17日 05:58
現代の物書きが原稿用紙を使って小説などを書くことは極めて少なくなったと思う。プロットまでは紙に書くが、下書きまたは初稿からはスマホやパソコンを使うという人がほとんどであろう。自身も詩を書く時にはスマホで直感的に書いている。スマホの便利な所といえば、すぐ書ける、書くのに難しい漢字をすぐ表記出来る、間違えたらすぐ消せる等々、便利ずくめである。現代よ、なんて素晴らしいんだ! と思いつつも、高級な原稿用
2023年7月16日 20:34
初恋は忘れられないものである。 高卒で清掃員として働き、一人で黙々と作業をしていた時のことである。その日は、初夏の清々しい空気が渡り、綺麗な青空が広がっていたのを記憶している。空き缶の回収をしていると、突然、声を掛けられたのだ。その人が言うには、自分も清掃員としてアルバイトをしているため、もし相談事があれば聞くとのことであった。最初はからかわれているだけだと考え、その人が去った後、会話で中断し
2023年7月13日 00:45
神出鬼没のライターと化した三葉治です。 今日は、仕事場の向日葵の水やりに行った時に、後脚を片方無くした茶色のバッタに出会いました。私は脚を無くした昆虫を見る度に「お前はいま何を思って生きているのか」と問うことがあります。脚が無くなって悲しいのか、痛いのか、それともなんとも思わず今日のご飯のことを考えているのかと。でも虫は当たり前のように答えません。私の存在を感じて警戒しながらじっとしているだ
2023年6月30日 21:23
一昨日から日記を書き始めた。 日記の中身には「もういやだ」とか「もう書けない」ばかりが目立つ。その他にも「もうやめたい」「嫌いだ」「ずっと寝ていたい」「疲れた」がある。これらは小説書きのことについてだ。 日記にはすごい力がある。思ったことをそのまま書いても大丈夫。どんな文章でも受け入れてくれる。日記が大好きになりそうだ。日記ならいくらでも書ける。数えてみたが、一日に三十行近くは書いている。
2023年6月25日 19:11
人付き合いをしていて、否、本当に人間関係があったかどうかさえも怪しくなり始めて、孤独を感じている今日この頃。いつものごとく布団の上で衾を被って寝転んでいる。土日はいつも予定は無く、特に暇な日だ。暇な時間に出来ることは山ほどあるが、やりたくない。そんな気分じゃないからだ。色んなことを後回しにしてごろ寝している。そんな生活。 そういえば昨日にサプリメントを買ってきた。お金が底を尽きようとしており
2023年6月10日 00:20
ある男はお茶を飲みながら考えていた。 読まれない作品は何処へ行くのか。それは、きっと、ガラクタの山の一部となるのだろう。自分一人だけで作った山もあれば、人と一緒になって作った山もある。日の目を見ることも無く、埋もれていく。読まれない作品は誰の目にも触れることなく、作者の元で静かに埋葬されていく。 彼の作品もそうであった。誰にも読まれることがなく、誰の目にも止まらず、悲しい思いに暮れる日々を過
2023年5月31日 03:07
山が粧いを始めた。そのうち黄落、錦の波となり、晩秋において有終の美を飾るだろう。地に落ちた葉は虫たちのための布団となる。私はそれを思うだけで心がほっとする。 あと数日もすれば立冬になる。その手前となる今は、秋の終わりの一時である。楓や蔦は黄ばみ始め、橙から紅へと変わっていき、山々を鮮やかに彩って、何処かへ行かむとする者の足をさえも止める。近くに川があるならば、錦秋はその川をも色に染め、流れる紅
2022年2月7日 16:16
新緑が輝きを増し、梅の実が大きく膨らむ頃、「三葉治」は誕生した。 とある文豪の名を冠するその人物は、散歩中に梅の木を見つけて、そうして想像の任せるままに、ある文章を書き始めた。それが初の掌編小説『青梅』である。 当時、死にたがりだった自身の想いと、毒物でもある青梅を題材にして小説を書き上げた。その出来栄えは、初心者であるが故の稚拙な文章であったが、自分でも文章を書けるという新発見、文章を