
脳を騙し「忘れない記憶術」を手に入れる方法! 本当に「覚える力」を高める勉強法とは?『フワッと、ふらっと、記憶術の脳科学と心理学』
仕事のスキルを身につけるためにも、資格試験などに合格するためにも効率的な記憶のやり方があると助かると思います。
そこで、記憶を高める方法を脳科学的、心理学的な視点からみてみたいと思います。
1. 記憶の保管庫
人間の記憶には、大脳皮質にその保管庫がある、
長期に渡って保持される「長期記憶」と、
記憶の一時的な保管を行ったり、
長期記憶から必要な情報を取り出したりする「短期記憶」とがあります。

短期記憶は容量が小さく、またすぐに消去されてしまって忘れてしまうものです。

短期記憶を長期記憶にコピーする役目を担うのは、
脳の「海馬」という部位で、
この海馬が情報を選別し「生存に必要な情報」と判定した情報だけが、長期記憶へと送られます。
例えば、ある場所に行って、

危ない目に遭ったような場合に、

「もうここは通らないようにしよう。」「この道は注意して通ろう。」等と無意識的に記憶し、

そして決して忘れることがないといったようなことが、
「生存に必要な情報」が長期記憶に転送された例です。
全体重の2%しかない「脳」ですが、エネルギー消費量はその全体の20%が脳で消費されます。
つまり、あまり脳を使いすぎると、エネルギー効率が悪いということから、
省エネのために不必要な情報を海馬が捨て去っています。

ゆえに、どうしても必要な情報、
すなわち「生存に必要な情報」と海馬が認識した情報だけが、
長期記憶となっていつまでも保持できる記憶となるわけです。

ここでいう「生存に必要な情報」とは、
「おかしなニオイのものは食べない」とか

「高い足場の悪いところにはいかない」などの、


生物が本能的に、
生存に必要な情報と捉える情報であって、
そうではなくて、文化的情報といってもいい、
「仕事ための内容(例えば、書類の書き方等)」

や、
「入試や資格試験を受験するために憶えなければならない内容(例えば、英語等)」等ではありません。

そのため、仕事のスキルを高めるための内容などは残念ながら、海馬は「生存に必要な情報」とは認識せず、捨て去ってしまいます。

ですので、仕事のための知識や受験のための知識などは、「普通に」テキストなどを読んでいるだけではすぐに忘れてしまうということになります。

2. 記憶力がアップする方法
では、どうすればそのような知識を長期記憶に送ることができるのでしょうか?
そのためには、知識を「生存に必要な情報」であると海馬に勘違いさせる必要があります。
海馬をこのように勘違いさせるためには、繰り返し復習するしかありません。

繰り返し復習をすることによって、
海馬が「こんなにしつこく憶えようとしているということは、生存に必要な情報に違いない。」と勘違いするからです。
そうすることによって、情報が長期記憶に転送されます。

味も素っ気もない方法ですが、学習した知識を実践に使える知識とするためにはこれ以外に方法はありません。

しかし、復習回数を減らす、能率のいい記憶の仕方はあります。

それを以下に列記してみたいと思います。
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