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道教 vs 仏教? 太極拳と少林拳、心身を鍛える二つの道『フワッと、ふらっと、太極拳の健康心理学』

 「琉球空手」の仮想敵は薩摩の剣術・「示現流」といわれているのですが、

ユネスコ無形文化遺産である「太極拳」の仮想敵は、

(あくまで一つの説ですが)「少林拳」だという説があります。

 その説によると、倭寇と戦うなどして名を上げた(なので、少林武術の仮想敵は「倭寇」)、

嵩山少林寺の僧兵達は、ときに権威を振りかざし、近隣の村民達に狼藉を働いたこと等があって、

そうした狼藉から身を守るために、近隣住民達が「少林拳」に対抗して身につけたのが「太極拳」等だとか。

 仏教徒達が開発した「少林拳」に対抗するために、

その理論的裏づけについても、仏教ではなく
(以下は仏教に関連するnoteです。ご参照頂ければ幸いです)

道教」等を用いたため、

名称も万物の根源を表す道教のシンボル「太極」を冠した「太極拳」となっているようです。

 僧は出家するので、少林拳系統の拳術を「外家拳」ということがあるのに対して、

村民は出家しないですから、そんな庶民の彼らが開発した拳を「内家拳」と呼ぶ場合があるようです。

 「少林拳」は直線的な動きが多いのに対して、

それを仮想敵とする「太極拳」は、直線的な動きをいなしたりかわしたりするための円運動的な動きが多くなっているともいわれています。

 太極拳は、このように庶民が開発した、庶民による庶民のための拳術とされているのですが、後に北京の清朝貴族や文人に広まったことと、

少林拳のように身体を頑丈に鍛えて行う(これを外功等といいます)拳術ではなく、

「気」を練って「気」のパワーで、力を用いず行う(これを内功等といいます)こと等から、

貴人の拳」とか「高級拳」と呼ばれるようになります。

 ただこれらの話はあくまでも伝承・伝説であり、また太極拳が本当に少林拳を仮想敵にしていたかどうかもわからないのですが、

もしかしたら「太極拳」を広める際のマーケティング戦略の一環として、「少林拳」系統の拳術との差別化をはかるために、

そのような草創神話、草創ストーリーとしたのかもしれません。

 いずれにしても、「太極拳」が、老若男女の心身の健康管理に役立つことは確かのようなので、ストレス緩和のためのリラクセーション(リラクゼーション)やセルフケアの手段として用いることができるものと思われます。

(ストレスケアの健康心理学については以下をご参照ください)

太極拳の心身への健康効能としては、

① 筋力、筋肉の協調運動や柔軟性の向上
② 安定した運動による睡眠の深化
③ 身体バランスの強化と転倒リスクの低下

等の促進が期待できるとのことです。

参考動画)


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