決して見てはいけないものがある。そう言われると逆に余計にどうしても見たくなる『フワッと、ふらっと、トランスパーソナル心理学Ⅰ』
『フワッと、ふらっと、トランスパーソナル心理学Ⅰ』
1. 見るな!のタブー
『見るな!のタブー』とは、
世界各地の神話やお伽噺でよく見られるモチーフで、
例えばAという登場人物が、
配偶者あるいは恋人であるBという登場人物に対して、
「わけあって、今日からしばらくこの部屋にこもりますが、決してのぞいてはなりません。」
とタブーを課したにもかかわらず、Aがのぞいてしまい、
その結果、悲劇が起きる(例えば、Bが異界に去らなければならなくなる等の)といったようなものです。
『鶴の恩返し』『雪女』『浦島太郎』や『古事記』のイザナギとイザナミの黄泉の国での話、トヨタマビメの出産時の話などがそうです。
2. サイコロジー(心理学)の語源とギリシャ神話
心理学は、英語でPsychologyですが、
その語源は、ギリシア語のプシュケーで、
ギリシア文字による綴りの頭文字は、Ψ(プサイ)です。
これは心理学のシンボルになっており、アメリカ心理学会のシンボルマークもΨです。
(参考:http://www.apa.org/ ページの左上にΨをシンボル化したマークが見えます。)
プサイをアルファベット表記すると「Psyche」となり、
(ギリシャ語語読みでは「プシュケー」。心・魂・蝶を意味する。ギリシャ神話に出てくる愛の神エロス(キューピッド)の妻の名)
これが、PsychologyやPsychoの語源となったわけですが、
ただ、子音が連続する「Ps」は発音できないということで、「P」は読まずに、
次の「S」から読んで、サイコロジーやサイコと発音するようになったとのことです。
なら、綴りも変えればいいではないかと思われるかもしれないのですが、
ギリシア語・ラテン語由来の学術用語の綴りは変えないのが、ヨーロッパ言語のルールのようで、読まない音についても、綴りは書くというようになっているようです。
こうすると、発音は面倒になるのですが、代わりにヨーロッパ言語世界内において、学術用語を「共通語」として共有できるというメリットがあります。
おそらくそういうことからか、『世界はラテン語でてきている』と仰せの方もいます。
そんな事情から、ギリシア語・ラテン語(あるいは英語に甚大な影響を与えたフランス語)での発音のままの綴りとし、
しかし、発音はしない単語があるということから、英単語は、綴りと発音が一致せず、ややこしかったりします。
しかしヨーロッパ言語ネイティブなら、仮に英語の発音がわからなくても、学術用語の綴りは、共通語を使うため、学術論文等の文章は読めたりするものと思われます。
逆に、例えば、英語ネイティブが、フランス語の単語の発音がわからなくても、
学術論文等の場合は綴りは、ギリシア語・ラテン語・フランス語由来の単語である場合が多いわけですから、読んでも意味はだいたいつかめるのではないかと思います。
漢字で書いてあるから、発音がわからなくても、中国語の文章を日本語ネイティブであればだいたいわかるというような感じでしょうか。
ともかく、そういうことができるので、英語の場合も、ギリシア語・ラテン語・フランス語等の由来の単語の綴りをそのままにしておきながら、ただ、発音は自分達が話しやすいように変えるということをしてきたのでしょう。
(日本語の漢字の訓読みと、ある意味似たような発想かもしれません)
3. 開けるなといわれても、やはり開けてしまう、にんげんだもの。なので、開けてしまった玉手箱
ところでPsycheは、
前述のようにギリシア神話の「プシュケー」が由来で、愛の神エロス(キューピッド)の妻の名です。
プシュケーは人間ですが、神のエロス(クピト・キューピットともいう)と、 紆余曲折の末、カップルとなり、ウォルプタスという女の子が生まれました。
ウォルプタスは「希望・喜び」と言う意味です。
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