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また読み返したいnoteを集めた私のブックマーク的マガジン
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#日記

「教養」という名のフィルター

「教養」という名のフィルター

空は青いし、空気は澄んでいる。

やわらかな極上の陽射しを浴びながら朝さんぽ。清々しい気分で床磨きへ。豊かな朝を迎えるだけで、一日の幸福は膨張する。



今日は一日中、原稿を書いていた。書いては、書き直し。ニール・サイモンの自伝のタイトルのように書いて、読んで、また書き直してを繰り返している。決して派手とは言えない慎ましやかな作業。有難いことに、仕事で日々文章を書かせてもらっている。

ふと「

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「ギャラなしでもやります」は、アウト。

「ギャラなしでもやります」は、アウト。

「ギャラをどうやって決めていますか」という質問があったので、参考になるどうかは知らないけど、「写真の部屋」の記事を無料で公開する。

俺が20代の頃。駆け出しのデザイナーだったある日、今まで仕事をしたことがないプロデューサーに会議室に呼び出された。名の知られたグローバル・ブランドの企業広告を作るにあたって日本からもアイデアを出して欲しいらしく、手伝えと言われた。

巨大なブランドの仕事だから、俺に

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おいしさエンパワメント

おいしさエンパワメント

最近、仲良しのヘルパーさんと夜勤のたびにお菓子やおかずを交換するのにハマっている。

わたしからはスコーンやクッキー、牡蠣のオイル漬け、お歳暮でいただいたハム、塩辛くなってしまったキムチ…

彼女からは手作りの春巻き(あとは揚げるだけ状態)、唐揚げ、しらすピーマン、りんご、アップルパイ、チョコパイ…

人んちのごはんはおいしい

これ、世の中の真理だと思うの。

彼女の作るもの、どれもとてもおいし

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「書く」という、心の調律

「書く」という、心の調律

以前、仕事で声楽の先生にインタビューした経験がある。地域で開いている体験レッスンを実際に受けて、その様子をレポートする内容だった。時間は60分程度。

発声練習に半分以上の時間を使った後、実際に一曲歌ってみる。ポイントを指摘していただく。課題曲は「ハナミズキ」だったと思う。

あらゆる方法で発声練習は行われた。中でも印象的だったのは、鼻の付け根を少し摘みながらガマガエルみたいな声を出す方法と、お腹

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空虚はロックを鳴らせなくても

空虚はロックを鳴らせなくても

幼少の頃から感情を表に出さないタイプだと言われ続けて、文字を扱う仕事をしてもそれは情報の切り貼りであって、noteを始めたのは「自分の言葉や文章を探す旅に出る」名分で、それはつまり私が物事や現象に対してどのように感じるかを知る目的だった。

マイペースにやっているから3年続けても約160記事。多いのか少ないのかはわからないけど、何も持っていなかった私にしてはがんばったほうだと思う。

でも、書いて

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だから、この夏は日記を書いた

だから、この夏は日記を書いた

温かいコーヒーが似合う朝になりつつある。子どもたちを幼稚園へ送る時間は午前7時半過ぎ。太陽はまだ登りきれていない。月の数字が8から9になっただけで、季節は律儀にコマを進め、空色は濃度を変えたようだ。

私は長袖をまとい、子どもたちにパーカーを着せる。秋が深まっていく。初めて雪国で過ごす冬の、序章が始まった気がする。

と、最初の数行ぐらい書いたところで息子がどしんと膝の上に乗ってきた。

「ぼくも

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きっと私は解放されたのだと思う

きっと私は解放されたのだと思う

母の四十九日の法要と開眼供養、納骨を終えた。

納骨の予約の際に「開眼供養(かいげんくよう)が必要なのでワンカップのお酒と一握りの塩と研いだお米を持ってきてください」と墓地の担当者より言われ「開眼供養」が一体なんなのかわからずに確認したところ「その墓地に初めて遺骨が納められる際に行う供養のことです」と言われ納得した。両親は自身のお墓を予め準備していたが、母が亡くなり今回始めてそのお墓を本当の意味で

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10年、節目の片道切符

10年、節目の片道切符

アメリカに行く。大それた野望も、勝算も、企みも、あったわけじゃない。無鉄砲だった。ただ「何かを変えなければ」と焦りだけがあった。駆け抜けた20代の終わり。住み慣れた地元の街。積み重ねてきたものをすべて投げ出そうとするぐらいには追い立てられていた。

何から?それがうまく言えたらよかった。秘密を抱えた家族との会話とか、景色に染み付いた失恋の記憶とか、何を得ても褪せない飢餓感とか。私にしか、いや私にす

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満ちていく(産後1ヶ月)

満ちていく(産後1ヶ月)

子が産まれた。ほんのすこし垂れた目、ツンと尖った鼻、まあるい鼻の穴、富士山型の薄ピンクの唇、白い肌に浮き出た青い血管、目をあけるとすっかり隠れてしまう短いまつげ、薄茶色の産毛のような髪の毛、あまさと汗臭さが混ざったちいさな男の子のにおい、ぎゅっと握りすぎて汗ばんだ手、かすれた泣き声。そのどれもが、1か月前まではわたしのお腹の中にすべておさまっていたなんて、しんじられない。

出産のことを事細かに書

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「今日のよかった」を聞いてください

「今日のよかった」を聞いてください

あなたは、今日どんな一日を過ごされたでしょうか?
楽しかったですか? ハッピーでしたか?

友人の主催する読書会に参加しています。月に一度、木曜の夜、カフェに集まって、自分がおすすめしたい本について、好きなだけ語りつくすだけのゆるい楽しい会です。

その読書会の冒頭に、自己紹介をするのだけれど、その時、主催の友人が必ず言うことがあります。

今日あった「よかったこと」を一つ話してください。

なぜ

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明日はもっと優しくなりたい

明日はもっと優しくなりたい

同じ地域に9年、同じ家に4年住んでいると、毎年恒例の光景が増えていく。

一つは、小庭に一株だけある季節の花。いつも4月半ばに満開を迎える。薔薇のような、椿のような、花に詳しくないからわからない。絶妙なピンクで、きれい。
もう一つが、玄関先に作られる鳥の巣。花と同じ時期に作られる。燕じゃない、雀じゃない、これまた鳥に詳しくないからわからない。高い音域で鳴いて、かわいい。

一本、また一本と親鳥が小

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人生取り戻し日記

人生取り戻し日記

0. 仕事を(少しだけ)休むことになりました

今、3/19(金)です。理由は色々あるのですが、仕事で心身が不調を訴え出したのを察知したので、なんとか上司に交渉し、余りまくっていた有給を繋げて3/28(日)まで一週間休暇をとりました。

ちなみに、そんな僕の今月の精神状態はこんな感じ:
食欲がわかない、寝つきが浅い、判断力が鈍る、社用携帯の通知がなるたびに動悸が起きる、言葉と思考が噛み合わない、物

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無くしてもいない自分を取り戻す春

無くしてもいない自分を取り戻す春

「あなたと働くのは楽しい」と言ってくれた人へ。もしも私が働くのをやめたら、あなたにとっての私はどんな存在になりますか。

「あなたの顔が好きだ」と褒めてくれた人へ。数十年後も私の外見を愛してくれますか。

「夢があるあなたと居たい」と語った人へ。大きな夢も特にない今の私はどうですか。

「あなたの書く文が好きだ」と言ってくれた人へ。もしも私が書くのをやめたら離れていきますか。

「君には才能がある

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【木曜日】 あさなったけど、よるなった

【木曜日】 あさなったけど、よるなった

突然なんですが、いったんこの連載をお休み、というか不定期とします。

理由はね、まあなんとなくなんですけど、別のことに時間を使おうかな、と。というのも、今日、私のデスク周りが一新しまして。

いつだったか、ひと月ほどまえに「夫のデスクで作業したらめっちゃ快適だったわ〜」と夫に報告したところ、「お! じゃあ机と椅子、買いかえる?」とかもう色めき立っちゃって、それはそれは前のめりに、あれよあれよと言う

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