ゆきえ

37年間仕事一筋の生活から解放されたときには、後期高齢者になっていました。PCなどとは…

ゆきえ

37年間仕事一筋の生活から解放されたときには、後期高齢者になっていました。PCなどとは縁のない生活でした。ふとしたことからPCに興味を持ち、最近日記を書いたり、知人へのハガキを写真を入れて送ったりして楽しんでいます。

記事一覧

   ところてんが

 あまりに重いことは、話すことも書くこともしたくない。2日過ぎてようやく書いてもいいような気持になった。 12月16日の朝、ちょっと手が空いたので、冷蔵庫の整理…

ゆきえ
7日前
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      磐梯山の高さが

 磐梯山は、1819m、富士山は3776mと、長い間疑いもせずに頭の中に入れてきた。正式には、磐梯山は1818.61mとされ、四捨五入して1819mを使ってきた…

ゆきえ
13日前

    「く」の字をすて

     かんしゃくの くの字を捨てて ただかんしゃ という文を読んだ。本当に『く』の字が入るか入らないかで、まるで違う言葉になってしまうのだ。何かいつも心の中…

ゆきえ
2週間前

   予知できれ

 小泉八雲、外国に生まれ育ったのに、日本を愛し、日本に住み、日本の古い話を美しく書き残した。「耳なし芳一」の話は有名だが、芳一が平家の霊に連れられて琵琶を演奏す…

ゆきえ
4週間前

    雪  獄

 雪のことを思い出していたら、雪について書いてある文に気がついた。      雪獄に たへて籠城沢内村 の一句が俳壇に投稿されたそうだ。沢内は岩手県内陸にある豪雪…

ゆきえ
1か月前
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    不思議な木のはなし

人の悲しみや泣き声を聞いて育つ木があるという。沖縄にあると那覇生まれの詩人山之口獏(ばく)さんがかいているそうだ。   木としての器量はよくないが 詩人みたいな…

ゆきえ
1か月前
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     朝のひかりに

 いつものことながら朝カーテンを開けると、東の方のいろいろな形の屋根に区切られた空の下の方が、かすかにオレンジ色に染まっている。ああ今日もお天気がいい、と思うと…

ゆきえ
1か月前

     漢字は

 漢字は物の形からできたというが、見かたによっては、小さな絵に見えるという文があった。  川柳に「膝だけば 哀という字に 似てしまう」という矢本大雪という人の句…

ゆきえ
1か月前
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ヤマタチバナとは

 冬は、殆どの植物が葉を落とし、枯れ木、枯葉だけが目につく。枯れて何も活動していないように見えるが、その枯れて何もしていないような木の根や葉の付け根では、すでに…

ゆきえ
2か月前
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      山での挨拶

 登山道ですれちがうときの挨拶について書いたものを読んだ。山のマナーともいわれ、挨拶のついでに、目的地までの距離や道の状況などの情報を教え合うことも、楽しく役に…

ゆきえ
2か月前

  解明したいことは

 「問うことは知ることの始まり」という言葉がある。全く知らないと、質問のしようもない。よく世間の親は、「先生を困らせるほど質問してろ。」と言っているのだというが…

ゆきえ
2か月前

    柿の実は鮮やかだが

 通勤電車の窓から、点在する柿の実が鮮やかに見える、と書いたものがあった。12月の初めに書かれたものなので、その柿は獲られることはなく、そのままにされる柿だろう…

ゆきえ
2か月前

    バターを塗ったパン

 アンデルセンの「絵のない絵本」のことは、よく耳にしたり目にしたりするが、まだ全部読んだことがない。お月様が空から見たり聞いたりしたことを、夜毎に話して聞かせる…

ゆきえ
3か月前
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     米の安全性

『人生の最後に食べたいもの』にはいろいろあるようだ。『宇宙一の食いしん坊』を自称するよしもとばななさんは、『おむすび』だという。その他の調査でも『ごはん』『にぎ…

ゆきえ
3か月前
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       幸せとは

テレビのコマーシャルの中に、「幸せって何ですか」と問うものがある。 長崎県諫早市の72歳の高校生久保ツネ子さんが、大学に合格し、社会福祉学科に進んだ。若いとき家…

ゆきえ
3か月前
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      開戦記念日に

 言われて気が付ついたが、今日は太平洋戦争開戦の日。一途に上部からの命令に従って「欲しがりません、勝までは」と唱えごとのように言ったり、竹やりで敵が攻めてきたら…

ゆきえ
3か月前
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   ところてんが

   ところてんが

 あまりに重いことは、話すことも書くこともしたくない。2日過ぎてようやく書いてもいいような気持になった。
12月16日の朝、ちょっと手が空いたので、冷蔵庫の整理をした。いつかしなければ、と思ってはいたが、部分的には片付けていたものの全部には手がまわらなかった。始めるといい加減にはできない。一番上の棚から全部出し、棚をきれいに拭く。古くなったものやこれからも使いそうもないものは思い切って処分すること

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      磐梯山の高さが

      磐梯山の高さが

 磐梯山は、1819m、富士山は3776mと、長い間疑いもせずに頭の中に入れてきた。正式には、磐梯山は1818.61mとされ、四捨五入して1819mを使ってきたそうだ。ところが衛生利用測位システム(GPで測量し直した結果、2.32m低くなっていることが分かったそうだ。 磐梯山の測量が行われたのは、1888(明治21)年で、それから100年も経っている。当時と現代の測量技術の違いを考えても、20cm

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    「く」の字をすて

    「く」の字をすて

     かんしゃくの くの字を捨てて ただかんしゃ
という文を読んだ。本当に『く』の字が入るか入らないかで、まるで違う言葉になってしまうのだ。何かいつも心の中にいらいらするものがあると、つい言葉に態度に余計なとげが出てしまう。癇癪持ちではないと自分では思うし、それほど癇癪を起すこともあまりない。毎日の暮らしの中で全く人とかかわらないで暮らしていくことはできない。その関りもふとしたことで重いものに

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   予知できれ

   予知できれ

 小泉八雲、外国に生まれ育ったのに、日本を愛し、日本に住み、日本の古い話を美しく書き残した。「耳なし芳一」の話は有名だが、芳一が平家の霊に連れられて琵琶を演奏するというところで、大きな門の前に着くと、「KAIMON,KAIMON」と案内役の武士が叫ぶ場面が印象に残っている。それは英訳された文だったので、英語で言っても不思議ではないのに、なぜか日本語の「開門」という言葉を使っている。そしてそれが重々

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    雪  獄

    雪  獄

 雪のことを思い出していたら、雪について書いてある文に気がついた。
     雪獄に たへて籠城沢内村
の一句が俳壇に投稿されたそうだ。沢内は岩手県内陸にある豪雪地区で、南部藩時代の『沢内風土記』には、家屋を埋めて降り積む雪を「天牢雪獄」と書いているそうだ。今は合併で西和賀町となったが、積雪が2mを超える地区もあるそうだ。近年は除雪の体制もよくなり、昔のような苦労はなくなったというが、家全体を包む

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    不思議な木のはなし

    不思議な木のはなし

人の悲しみや泣き声を聞いて育つ木があるという。沖縄にあると那覇生まれの詩人山之口獏(ばく)さんがかいているそうだ。
  木としての器量はよくないが 詩人みたいな木なんだ
いつも墓場に立っていて
そこに来ては泣きくずれる
悲しい声や涙で育つといふ
「世はさまざま」という詩の一節だそうだ。本当にあるのかどうかは分からないが、沖縄にあるといわれると、なんだ

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     朝のひかりに

     朝のひかりに

 いつものことながら朝カーテンを開けると、東の方のいろいろな形の屋根に区切られた空の下の方が、かすかにオレンジ色に染まっている。ああ今日もお天気がいい、と思うとなんとなくほっとする。雨も嫌いではない。勝手な言い分だが、適当にしとしとと雨が降る日は、気持ちが落ち着く。そんな日は雨を見ながらぼんやりしているのも好きだ。だがそんなささやかな希望さえも、長い間叶えられなかった。ただただ仕事に追われていた。

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     漢字は

     漢字は

 漢字は物の形からできたというが、見かたによっては、小さな絵に見えるという文があった。
 川柳に「膝だけば 哀という字に 似てしまう」という矢本大雪という人の句があるそうだが、言われてみると本当にそんな感じがする。広島市の小田優子さんの歌に
  「かなしい顔している字」だと言いながら 幼は半紙に<谷>と書けり
というのがあるそうだ。下がった眉の下に横開きの口、べそをかいているように見える。するとこ

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       ヤマタチバナとは

ヤマタチバナとは

 冬は、殆どの植物が葉を落とし、枯れ木、枯葉だけが目につく。枯れて何も活動していないように見えるが、その枯れて何もしていないような木の根や葉の付け根では、すでに新しい命を生み出すための活動が始まっているのだろう。そう思うと寂しい風景にも希望の灯りが期待できる。だがやはりこの季節は寂しい感じが強い。その中で唯一鮮やかなのが『ヤマタチバナ』の実だ。『やマタチバナ』というとなにか珍しい植物のように思える

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      山での挨拶

      山での挨拶

 登山道ですれちがうときの挨拶について書いたものを読んだ。山のマナーともいわれ、挨拶のついでに、目的地までの距離や道の状況などの情報を教え合うことも、楽しく役に立つことだ。たくさんの人とすれちがうとき、いちいち挨拶するのが面倒だと省く人もいるというが、どれが良い、どれが悪いと決めるわけにもいかないことだから、しかたのないことだろう。
 ある山岳ガイドが関西から訪れた客を案内して磐梯山に登ったときの

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  解明したいことは

  解明したいことは

 「問うことは知ることの始まり」という言葉がある。全く知らないと、質問のしようもない。よく世間の親は、「先生を困らせるほど質問してろ。」と言っているのだというが、先生を困らせるような質問ができるほど自分の子どもが勉強していると思っているのかと考えながら聞いていた。
ソクラテスは、「知らないことを知っていると思い込んでいる人よりも、知らないことを自覚している方は賢い」と説いているそうだ。質問し

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    柿の実は鮮やかだが

    柿の実は鮮やかだが

 通勤電車の窓から、点在する柿の実が鮮やかに見える、と書いたものがあった。12月の初めに書かれたものなので、その柿は獲られることはなく、そのままにされる柿だろう。会津では、どこの家でも畑の周辺に柿を植えていた。甘柿もあったが渋柿もあった。秋が深まってくると、子ども達は柿の木の下に行って柿の実の色づき具合を見る。青いものはさすがに手を出さないが、だんだん赤みがさしてくるともぎ取って試食する。まだ頂点

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    バターを塗ったパン

    バターを塗ったパン

 アンデルセンの「絵のない絵本」のことは、よく耳にしたり目にしたりするが、まだ全部読んだことがない。お月様が空から見たり聞いたりしたことを、夜毎に話して聞かせるというそれだけでも優しい感じのする物語。その中の33夜は、女の子が眠る前に「日々のパンを与えたまえ」とお祈りする話だそうだ。祈りの後、こそっと言った言葉を母親が、「何て言ったの。」と聞くと、「お母さん、おこらないでね。」と小さな女の子は言っ

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     米の安全性

     米の安全性

『人生の最後に食べたいもの』にはいろいろあるようだ。『宇宙一の食いしん坊』を自称するよしもとばななさんは、『おむすび』だという。その他の調査でも『ごはん』『にぎりずし』が上位に入っているそうだ。どんなにおいしいものが溢れていても、日本人にとってはやはり米、ご飯というものは切り離せないということなのだろうか。コメ離れと言われ、パンが主流のように言われるが、一部の人にとってはそうであっても、全体的には

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       幸せとは

       幸せとは

テレビのコマーシャルの中に、「幸せって何ですか」と問うものがある。
長崎県諫早市の72歳の高校生久保ツネ子さんが、大学に合格し、社会福祉学科に進んだ。若いとき家が貧しくて高校に行けなかった。「新しいことはなかなか覚えられません。
・・・でもいいのです。先生方が教えてくださることを一生懸命自分の頭でかみしめながら聞いている、それだけで嬉しいのですから。」と作文に書いている。
 津波で大黒柱を亡くした

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      開戦記念日に

      開戦記念日に

 言われて気が付ついたが、今日は太平洋戦争開戦の日。一途に上部からの命令に従って「欲しがりません、勝までは」と唱えごとのように言ったり、竹やりで敵が攻めてきたら突く訓練をしたり、バケツリレーで爆撃されたところに水をかける訓練をしたり、と今考えると見当違いなことをしていた。日本の国を守るためにと言われ、末端の我々は勝つか負けるかなど考える余裕もなかった。余裕がないというよりも、考えることを許されなか

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