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  解明したいことは

 「問うことは知ることの始まり」という言葉がある。全く知らないと、質問のしようもない。よく世間の親は、「先生を困らせるほど質問してろ。」と言っているのだというが、先生を困らせるような質問ができるほど自分の子どもが勉強していると思っているのかと考えながら聞いていた。
   ソクラテスは、「知らないことを知っていると思い込んでいる人よりも、知らないことを自覚している方は賢い」と説いているそうだ。質問しても答えの出ないことを自分に問いかけている人もあり、人類にとっては難問といえることを追求し続ける多くの学者もいる。
   この広い宇宙の成り立ちについても、答えの出ない難問だろう。その謎に挑戦するために、1周27kmという巨大なトンネルを持つ観測装置を使って実験を続けた結果、宇宙の始まりの解明に迫る画期的な発見があったそうだ。東京大学などが参加している、国際研究チームが発表したということだ。存在が濃厚になったのは、宇宙を形成するという最も基本的な粒子で、正式に確認されれば、生命の起源の解明にも道を開く可能性があるそうだ。    人類の起源が解明されても、我々の日常とはあまり関係のないことだ。人類にとっては大きな進歩とか、人類にとっては大問題といわれても、我々にとっては、もっと身近な問題がある。さしあたって庭の柚子の実は食べてもいいのかどうか、これから摘みとる金柑は汚染されていないのかの方が、さしせまって解明したいことだ。難しい問題は専門家にまかせて、解明の日を待つことにしよう。ただただ平凡な庶民の感想。   

                                                                         (H24. 1.6)

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