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    「く」の字をすて

     かんしゃくの くの字を捨てて ただかんしゃ
という文を読んだ。本当に『く』の字が入るか入らないかで、まるで違う言葉になってしまうのだ。何かいつも心の中にいらいらするものがあると、つい言葉に態度に余計なとげが出てしまう。癇癪持ちではないと自分では思うし、それほど癇癪を起すこともあまりない。毎日の暮らしの中で全く人とかかわらないで暮らしていくことはできない。その関りもふとしたことで重いものになってしまうこともある。その時にどうかわしていけるか、その時にどんな言葉を交わしていくか、うまく処理していく自信は私にはない。すべてを包み込むような大きな風呂敷があればいいが、あいにく私にはそういう持ち合わせはない。目をつむるのではなくやり過ごすきもちがなくてはならないのだ。多少のことは軽く受け流す度量があれば、生き方も少し楽になると思う。難しいとは思うが『く』の字を捨てる心境で過ごしたいと思う。

                         (H22.12.)


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