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東京の夜桜と、Tさんのナルシシズム
東京のドラッグストアでアルバイトをしていた十九歳の頃。バイト仲間にTさんという一つ歳上の男性がいた。彼はいつも周囲の視線を気にして、すました顔をしている。彼の殆どの行動は「かっこいいと思われたい」という動機に基づいているものなのだ。私はそんな彼のナルシストぶりを観察することが、密かな楽しみだった。
バイト先の隣には美容院が建っている。アシスタントと思われる若手の美容師さんたちが、仕事に必要な
天国のおばあちゃんへ
あるところに、自他ともに認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。
名前は、タマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は、、、
食い意地の張った女。食べてばかりいる女。
「スイーツ大好きなんですぅ」とか「食べることが大好きですぅ♡」とか、そんな可愛らしい
ものではなく、色気より食い気が優先な女でした。(色気が欲しい!)
夢売りBOXで働くタマミーヌは、一部のおじい
(読書)アリスが語らないことは
ピーター・スワンソン
務台夏子 訳
(電子書籍)
(内容紹介)
大学卒業を数日後に控えたある日、
ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。
急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。
葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。
父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、
その前に何者かに殴られていたという。
しかしアリスは父の死について話したがらず、
ハリーは疑いを抱
ギムレットにはまだ早い
中学生の頃、どんな本を読んでいたのか。
昨日の記事を書いた後から思い返してみるとハードボイルド小説にハマっていた時期があった。
手首に包帯をくるくる巻いて、さも能力者であるかのように振る舞う中二病を卒業した頃、
やっぱ特殊能力よりトカレフっしょ、
という現実路線(方向性は相変わらず間違えているような気がするのだが)に走ったのだと思う。
その頃、大藪春彦「野獣死すべし」や大沢在昌の「新宿鮫シ
【読了記録】 『アンナ・カレーニナ』(レフ・トルストイ) 感想
今回も私事から入って誠に恐縮だが、僕はこの2ヶ月間noteにいなかった。
だがそれは本も読まずにのんべんだらりと暮らしていたことを意味するわけではない。この世界的大文豪の超大作に取り掛かっていたのだ。
新潮文庫の木村浩訳で読んだ。実のところ再挑戦だった。
学生の頃に読んだ時には、中巻の前半部分で頓挫したのだが、今回ついに夢が叶って、下巻の最後まで読むことができた。
世界中の大手出版社や新聞にお