目には見えないから感じよう
光が流れ、光が流れ
木々が一斉に太陽の光を浴びてゐる。
曠野の上に春の光が
流れ、揺れ、降り注いでゐる。
燦々と、陽光は眩しいばかり、
曠野の上に降り注ぐ。
眼を開いてはゐられない。
光のなかに、木々は揺れ、
木の葉が輝く。
曠野の木々は
太陽の光のなかに揺れてゐる。
光の海、楡もアカシヤも、
若葉が萌え、
曠野は遠く光のなかに溺れ、
太古を夢みてゐるやう。
曠野は光の箭に蔽はれてゐる。
禽も獣も光のどよめきを聞いてゐる。
頭上に光の深淵が続いてゐる。
「光の讃歌」
阿部