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2023年12月の記事一覧
ハードボイルド書店員が選ぶ「2023年の1冊」
昨年の年末にこんなnoteを書きました。
2022年の漢字は「戦(せん)」で、今年は「税」でした。
私は書店員なので、1年の世相を今年発売された1冊の本で表してみます。
最初に頭に浮かんだのは↓です。
ナチスの政策を個別に抜き出して「良いこと」の要素を見つけるのは難しくないかもしれない。しかしそれらがなされた目的と付随する諸状況にまで目を向けないと、適切な評価はできません。「100人いれば
ハードボイルド書店員が「クリスマスイブ」に読みたい二作
明日は12月24日です。
私の職場はクリスマスよりも年末年始の方が混みます。だからここで燃え尽きるわけにはいかない。一方で、日々を燃え尽きるように生きてこそ根源の人間力が磨かれる。そんな気もしています。
そして社会人の毎日は仕事が中心。ということは。。。
ただ実際に365日そんな生き方をしていたら、確実に心身が壊れます。もちろん大丈夫な人もいるでしょう。「仕事の報酬は仕事」と豪語していた学生
「檸檬100周年フェア」に置きたい3冊
知りませんでした。
来年で梶井基次郎が「檸檬」を執筆してから100年とのこと。丸善で何らかのイベントが催されるかもしれませんね。
同店の従業員ではないけど「檸檬」フェアをやりたくなりました。様々な出版社から出ていますが、私のイチオシは↓です。
「立東舎 乙女の本棚」シリーズの白眉。私は真夏の猛暑日にパラパラ捲ることが多いです。イライラしたり気分が滅入ったりしている時にもぜひ。
自分で言うの
「短編は長編に劣らない」と証明する一冊
かつて専門学校で創作や文章術を学びました。
当時書いていたのは、長くても原稿用紙50枚程度の短編。先生方から「作家になりたいなら長編を書きなさい。じゃないと食っていけないよ」と諭されました。
そうなのかと意を決して挑みました。10年近く続け、小説すばる新人賞で三次選考まで進んだのがベスト。短編や中編を募集している賞では一次しか通過できず、その意味では先生方の助言は正しかったといえます。
ただ
ハードボイルド書店員が「北條史也選手」にオススメしたい2冊
よかったです。
阪神タイガースの北條史也選手といえば、出番の有無にかかわらずベンチで声を張り上げ、味方の雰囲気を盛り上げていた印象があります。ショートの守りでも、怪我を恐れぬ気迫溢れるプレーで何度もチームを救いました。
結果的には、守備における肩の負傷がプロとしてのキャリアに響いたかもしれない。でも自己犠牲はムダじゃありません。見ている人は見ています。推測ですが、三菱重工Westの関係者が何よ
イチ書店員が「復刊してほしい本」を考えてみた
素晴らしい。
2009年に早川書房から出た、木下古栗(きのした・ふるくり)さんのデビュー作「ポジティヴシンキングの末裔」が青山ブックセンター限定で復刊するとのこと。
あまり知られていない名著を見出し、お客さんに紹介することは書店の使命。入手の難しい名作の復刊を出版社へ訴えることも、あるいはその延長線上かもしれません。
早川書房は、書泉限定の復刊もおこなっているようです。
私も復刊してほしい