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五行詩は短詩だけど俳句や短歌に比べて規則もないのでもっとも作りやすい詩かもしれない。目指せ五行詩の芭蕉? 五行詩だけでなく他の多行詩も加えました。
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2024年7月の記事一覧

現代詩レッスン43

現代詩レッスン43

自由詩

「風鈴と朝顔」

橋の人飛び去る鳥に言問や

そう業平は言問橋でナンパしたのだろうか?
都鳥は風鈴付きの朝顔をねだった。
赤い金魚の絵付きの風鈴は
からからと安っぽく鳴った・・・

朝顔市の売り子はいう。
毎朝、米の磨ぎ汁を与えれば
いつまでも朝顔は咲き続けると。
小さなベランダの大きな青い花を見て喜び
蔓はどこまでも添え木を越えて伸びていき
白い洗濯ものがたなびく竿まで
絡みつくような

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シン・現代詩レッスン42

シン・現代詩レッスン42

百人一詩つづき

21 柿本人麻呂「泣血哀慟歌」

柿本人麻呂は和歌の人で詩ではないと思うかもしれないが、和歌は長歌と短歌があり、人麻呂は宮廷歌人としての吟遊詩人だったのだ。「泣血哀慟歌」は亡き妻(現地妻だが)を追想する挽歌となっている。

22 ハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』から「六月」

ハン・ガンは日本では小説家として有名だが、小説を書く前は詩人としての出発だった。韓国はいまで

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シン・現代詩レッスン41

シン・現代詩レッスン41

西脇順三郎

『百人一詩』は今日は休みで『詩人たちの世紀―西脇順三郎とエズラ・パウンド』から。西脇順三郎は確かに重要性があるなと思った。また西脇順三郎の詩はパロディとか諧謔性でわたしも詩にイメージするのはそういう部分だった。それは所詮言葉は借り物で何かを言いたいときも言葉を借りてこなければならない。その中で近似値を探るのだが、まったく同じというわけでもなく少しズレている。その部分がパロディとか諧謔

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シン・現代詩レッスン41

シン・現代詩レッスン41

百人一詩
『百人一首』を詩でやったらどうなんだろと思った。詩の方向性を定めるのだ。多分あっちこっち散らばると思うが。「シン・現代詩レッスン」で本歌取りのような模倣詩をやっているので、まずそこの詩人から。

11 フランス国家「ラ・マルセイエーズ」

フランス国家を取り上げたのは大衆詩としての技術を知っておきたいとおもったから。尼ヶ崎彬『近代詩の誕生: 軍歌と恋歌』をよんで軍歌と恋歌の大衆性は剣と花

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シン・現代詩レッスン40

シン・現代詩レッスン40

百人一詩
『百人一首』を詩でやったらどうなんだろと思った。詩の方向性を定めるのだ。多分あっちこっち散らばると思うが。「シン・現代詩レッスン」で本歌取りのような模倣詩をやっているので、まずそこの詩人から。

1 石垣りん『家』から「きんかくし」

石垣りんの「きんかくし」の破壊力ろ言ったら。

2 ボードレール「信天翁」

ボードレール「信天翁」の本歌取りの詩を書いたのだが誤動作で削除してしまった。

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シン・現代詩レッスン39

シン・現代詩レッスン39

今日は西脇順三郎をやろうと思って、新倉俊一『詩人たちの世紀―西脇順三郎とエズラ・パウンド』を借りてきたのだがなかなかいい詩が見つからない(都倉俊一と間違えてしまった)。評論だからか。「馥郁タル火夫ヨ」の序文でもいいか?西脇順三郎のシュールレアリスム宣言みたいな序文だった。

「脳髄」とは『ドグラ・マグラ』みたいだ。「意識」ということだろうな。脳髄を破るというのは無意識的な力か?崇高なる芸術と言って

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シン・現代詩レッスン38

シン・現代詩レッスン38

今日も阿部公彦『詩的思考のめざめ: 心と言葉にほんとうは起きていること』から伊藤比呂美の「セックス」をやってみようか。オヤジだからあまりエロくならない程度に。伊藤比呂美はけっこう憧れる詩人だった。最近出した本がいいみたいだと「高橋源一郎の「飛ぶ教室」」でやっていた。最初のほうを読んだら犬の気持ちになることだな。

伊藤比呂美『きっと便器なのだろう』はけっこう衝撃的だった。「便器」という言い方もすご

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シン・現代詩レッスン37

シン・現代詩レッスン37

今日も阿部公彦『詩的思考のめざめ: 心と言葉にほんとうは起きていること』からいよいよ萩原朔太郎の登場である。萩原朔太郎が重要なのは、口語詩を確立したというよりも「内面」の言葉を詩にした詩人だからなのか。それは誰もがやる方法ではあったけど朔太郎ほど意識的に魅力的にやった詩人はいなかったのである。それが「青猫」の登場する象徴詩であり、その声の音楽性であった。

その境地に達するのが「月に吠える」で描か

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シン・現代詩レッスン36

シン・現代詩レッスン36

今日も阿部公彦『詩的思考のめざめ: 心と言葉にほんとうは起きていること』をマニュアル本として。

Ⅰ「日常にも詩は"起きている"──生活編」として5つの要素を上げているのだが、最初の3つ「名前を付ける」「声が聞こえてくる」「言葉をならべる」はクリアしたと自己判断して、今日は「黙る」「恥じる」とちょっと私には不可能な要素もあるかもしれない詩的レッスンなのである。そこで取り上げられているのは、大嫌いな

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シン・現代詩レッスン35

シン・現代詩レッスン35

昨日の「シン・現代詩レッスン」で「パターソン」の詩人から(名前が覚えられないのは、長いからかも知れない。それに、ウィリアムとくれば、ウィリアム・ギブソンがいるではないか?)ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ『ちょっと一言』で詩は毎日作った方がいいということを発見したのだった。

ただ詩を漠然に書けと一言っても書けるものではない。そこで和歌の本歌取りをヒントに詩の本歌取りを狙ってそれらしき詩を書いて

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アメリカの『百人一首』(一人何詩も入っているが)か

アメリカの『百人一首』(一人何詩も入っているが)か

『アメリカ名詩選 』亀井 俊介 (編集), 川本 皓嗣 (編集)(岩波文庫)

ピューリタニズムの色濃い一七,一八世紀の植民地時代の詩から,「アメリカ詩の時代」とよばれるほど大きな存在を示す二十世紀の詩まで,名詩百篇を原文で味わえる対訳詩集.ホイットマン,ディキンソン,パウンドらアメリカを代表する四十数人の詩にカウボーイソング等をも加えた決定版.好評の『イギリス名詩選』の姉妹篇.
目次
はしがき

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詩は解釈するよりも詩作することが大事かも

詩は解釈するよりも詩作することが大事かも

『アメリカの詩を読む 』川本皓嗣(岩波セミナーブックス )

アメリカの詩と言いながら、エリオットが入っていると思ったがもともとアメリカ人で亡命してイギリス国籍になったという。ポーから始まりホイットマンとモダニズムの亡命詩人がエリオットやパウンドだった。その後にでてきたカミングスやウィリアムズに興味を引かれた。ウィリアムズはジャームッシュの映画『パターソン』のモデルとなった詩人で、ノートに毎日日記

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シン・現代詩レッスン34

シン・現代詩レッスン34

今日も川本皓嗣『アメリカの詩を読む 』から「第5講 自分の庭で」からウィリアム・カーロス・ウィリアムズ『ちょっと一言』。名前はやたら長ったらしいが、映画『パターソン』の詩人だった。

結局詩はそれぞれの人が肩ひじはらずに思ったことを自分の言葉で書いていけばいいと当たり前のことを知った。詩の古典から学ぶこともあろうが、詩を書くのはやはり自分自身の生活と生き方だった。

シン・現代詩レッスン33

シン・現代詩レッスン33

今日も川本皓嗣『アメリカの詩を読む 』から「第4講 花ひらくモダニズム」からカミングス『時まさに』をやりたいと思ったのは、「シン・俳句レッスン」のほうで俳句から影響を受けたパウンドとカミングスとを比較して批評したのだが、カミングスの詩を書いているうちにカミングスの魅力をカミングアウトするぐらいに好きなってしまった。カミングスの魅力は一言で言えば高柳重彦並の多行分け現代詩なのだが、一言では言えない魅

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