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現代詩レッスン43

自由詩

「風鈴と朝顔」

橋の人飛び去る鳥に言問や

そう業平は言問橋でナンパしたのだろうか?
都鳥は風鈴付きの朝顔をねだった。
赤い金魚の絵付きの風鈴は
からからと安っぽく鳴った・・・

朝顔市の売り子はいう。
毎朝、米の磨ぎ汁を与えれば
いつまでも朝顔は咲き続けると。
小さなベランダの大きな青い花を見て喜び
蔓はどこまでも添え木を越えて伸びていき
白い洗濯ものがたなびく竿まで
絡みつくような勢いだった。
白い洗濯ものと共に風鈴は
からからと安っぽく鳴った・・・

風鈴を外したのは君だったのだろうか?
だからあの女はやめときとあたしがいたったんだよ。
「恐れ入りやの鬼子母神」は風鈴を噛み砕くようにいった。
秋風に揺れて風鈴は
からから安っぽく鳴った・・・

小さなベランダの花々は枯れて
洗濯物は干されなくなり
残った風鈴だけが
からからと安っぽく鳴った・・・

いつしか枯れた蔓は風鈴に絡みつく前に
鬼子母神は風鈴を投げ捨て
それを噛み砕くごとく
バリバリと硝子が飛び散り
風鈴は二度と鳴ることはなかったという。

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