シン・現代詩レッスン41
百人一詩
『百人一首』を詩でやったらどうなんだろと思った。詩の方向性を定めるのだ。多分あっちこっち散らばると思うが。「シン・現代詩レッスン」で本歌取りのような模倣詩をやっているので、まずそこの詩人から。
11 フランス国家「ラ・マルセイエーズ」
フランス国家を取り上げたのは大衆詩としての技術を知っておきたいとおもったから。尼ヶ崎彬『近代詩の誕生: 軍歌と恋歌』をよんで軍歌と恋歌の大衆性は剣と花という浪漫主義の大元なんだと思った。現在の映画とかエンタメは「花と剣」(ゴロが悪いので入れ替えた)なのだ。否定するにしてもそれを知っておくことは大事だと思う。
12室生犀星「小景異情」
抒情詩の模範というような感じか?抒情詩については考えなくてはならないことが多くあるのだが、室生犀星は詩そのものよりもエッセイとかの方が面白いかも。萩原朔太郎との交遊録『我が愛する詩人の伝記』とか面白かった。室生犀星は詩人よりも小説家として認識していたかも。
13 ラングストン・ヒューズ「七十五セントのブルース」
ラングストン・ヒューズは黒人のブルース詩というような文体が特徴。これも寺山修司『戦後詩』のアンソロジーから。
14 『ワーズワース詩集』
ワーズワースはとりたててどの詩がいいというのではないのだけどレベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』の中で取り上げられた散歩の達人のような詩人。彼のポリシーの中に散歩するには家々の境界はなく、どこにも立ち入れれるという現在ではなかなかそうは行かない浪漫があるのだった。
15 安永稔和「鳥」
単純に動物系の象徴詩が好きで特に鳥類に弱いのは昔鳥だったかもしれない。中島みゆきのそんな歌に感化されたか?
16 北村守「ジャック・ナイフ」
寺山修司『戦後詩』は戦後詩の批評で否定している詩が多いのだけど何故か引っかかるのは、当時の流行歌を思い出すからかな?この詩からは石原裕次郎「錆びたナイフ」を思い出したのだ。これは啄木の詩からか?
17 長谷川龍生「恐山」
長谷川龍生も寺山修司『戦後詩』からだが、この詩は褒めていた。言葉の使い方がイタコのようで好きになった詩人でいろいろ詩集も漁っていた。
18 北村太郎「センチメンタル・ジャーニー」
寺山修司『現代詩』で寺山の前の世代の「荒地派」の詩人には手厳しいのだが、私は「荒地派」は好きだった。『東京詩集』というアンソロジー本が良かった。
19 リルケ『マルテの手記』
リルケは数少ない文学友達がいて、『若い詩人への手紙』は絶対読むべきだと勧められたのだが、それほど感動もしなかった。なんだろう、狂気さが足りないと思ったのは『ゴッホの手紙』とか好きだったからなのか。むしろリルケは詩よりもこの散文の方が好きだった。
20 石川啄木「悲しき玩具」
石川啄木は最初歌人としてよりも詩人として認識していたのは、石原裕次郎「錆びたナイフ」を聴いて思い出した。『一握の砂』よりも『悲しき玩具』の方が好きだったような。あと金田一京助の『石川啄木』がその姿を伝えていて面白かった。