僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 R.I.P 中島らも
阪神電車に乗って私は尼崎駅にいた
これから
没後20年特別展 中島らも ぼくがうまれたまち
を見に行く予定だからだ
中島らもは尼崎の産まれらしく
彼の小説やエッセイにもよく尼崎の事が書いてあった
私は中島らもが大好きなので見に行く事にしたのだ
直筆原稿や描いた絵や生前の写真が飾られていた
普段は直筆原稿など見る事がないから
じっくり見てしまった
0.3ミリのシャーペンだと思われる
細く薄く流れるような字
原稿の中は文字が川のように流れていた
その繊細で儚い文字達が
彼の性格を物語っているようだった
アルコールに溺れ
双極性障害に悩まされながら
書き続けた文字達
中島らもの本が好きで色々読んだが
どれも面白かった
小説も面白いしエッセイも良かった
病気の薬の副作用で目が見えなくなり
中島らもの奥さんが書いた原稿もあった
口述筆記原稿というらしい
奥さんの字は濃い鉛筆で
太く大きくマス目いっぱいに書いてあった
この組み合わせだから
長く上手く夫婦をやれたのかな?
と思ったりした
作家として
エッセリストとして
コピーライターとして
ミュージシャンとして
中島らもの残した文章や音楽は
いつまでもこの世に残り続け
永遠の生を得るだろう
いつかは生が尽き天に召される日がくる
それがいつかは誰も分からない
その日までに私は何を残すのだろう?
何を成し遂げるのだろう?
煙草を吸いながら
そんな事を考えて夜が更けていった