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どうすれば承認欲求から解放されるのか?自己効力感(セルフ・エフィカシー)の上げ方とは

「自分のアイデアを口にできないんです…バカにされるかもと思うと怖くて」

これは先日知人との会話で出てきた言葉。言い換えれば承認欲求が邪魔をして行動が制限されている状態です。

ベストセラーの「嫌われる勇気」にも登場しますが、アドラー心理学によると幸せになるためには承認欲求を捨てよ、とあります。他人からの承認ベースで生きていると、人に振り回される人生になる。これは理解できます。

とはいえ人は社会的な生き物で人間関係の中で生きています。どうすれば承認欲求をなくす事ができるのでしょうか。そのヒントを探ります。

自己効力感(セルフ・エフィカシー)

承認欲求から解放されるための近道は自己効力感を上げることです。よく耳にする自己肯定感ではなく、自己「効力感」です。

自己効力感とは、自分で設定したゴールに自分の力でたどり着けると信じることができる度合いのこと。「自分は達成できる」「自分には能力がある」という確信があれば自己効力感が高い状態と言えます。

逆に「自分には無理だ」「自分には能力がない」と考えていれば自己効力感が低い状態であると言えます。

でも、よく聞く自己肯定感とは何が違うのでしょうか。

自己効力感と自己肯定感の違い

言葉の響きも似ているこの二つの言葉、意味はちょっと異なります。

【自己効力感】
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。
【自己肯定感】
自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情。

自己肯定感が高いと、ありのままの自分を受け入れられることができるので、失敗しても「また頑張ろう」「失敗しても自分には価値がある」と考えることができます。

自己効力感は「自分でできると信じられる力」であり、自己肯定感は「できるかどうかに関わらず、ありのままの自分を受け入れられる力」という事です。

自己効力感は自己肯定感と比較して、より具体的です。目標・ゴールを自分で決めて、自分で達成する。自分で決めるので、達成もしやすく、達成を繰り返すことによって自分を信じる度合いが高まります。自分を信じる、つまり「自信」が高まっていきます。

自信がついてくると、他人の目を気にする必要がなくなります。結果、承認欲求を必要としなくなっていきます。承認欲求回避に効くのは自己効力感の方です。

また自己効力感があると気持ちに余裕が出てきます。苦手な領域に対しても客観的に見ることができ、苦手意識が軽減されます。「失敗しないようにしなきゃ…」といった不必要なプレッシャーから解放され、心にゆとりが出てきます。

何か一つでもよいので、ある分野で自己効力感を感じることができれば、承認欲求から解放され、穏やかな気持ちを手に入れられる近道となります。

自己効力感を高めると良いこと

自己効力感を高めると具体的にはどんな良い事があるのでしょうか。メリットを見てみます。

自己効力感があると得られること

・新しいチャレンジに積極的になれる
・すぐ行動できる
・ミスをしても無駄に落ち込まない
・どうすればできるかを考える
・ポジティブな行動と発言が増える
・経験を学びに変えて成長できる

逆に自己効力感が低いとこれらの裏返しになります。

自己効力感が低い時のデメリット

・失敗を恐れてチャレンジできない
・なかなか行動できない
・ミスを引きずって行動が消極的になる
・できない理由を考え、諦めるのが早い
・ネガティブな発言が多い
・他者のアドバイスを素直に聞けず活かせない

自己効力感があれば、ポジティブな行動が連鎖しチャレンジと成長のサイクルが回り始めます。

自己効力感を高める工夫

どのようにすれば、自己効力感を高めることができるのでしょうか。いくつかの工夫すべき点を見てみましょう。

1.小さな目標を立てる
自己効力感は目標を達成した時に感じるものです。達成すべき目標がないと感じる事ができません。そのためにもまずは「目標」を立てることからです。

ポイントは、まずは小さな目標から始めること。いきなり背伸びをしないことです。目標はクリアすれば次にまたすぐ目標を立てれば良いのです。目標を小さく生んで、大きく育てていく感覚を持つのが良さそうです。

2.まず1歩踏み出す
目標を決めたら、すぐに行動します。この「すぐに」が大切です。鉄は熱いうちに打て、です。思い立ったが吉日、とも言います。その日に、もっというとその場ですぐに何か行動する。逆に言えば、すぐに行動できる程度の小さな目標をはじめは設定するというのもポイントかと思います。

3.できた事を「見える化」して自覚する
重要なのは、自分が価値を発揮できていると、自分自身で実感することです。そのためにも「よし!できた!」とはっきり自覚し、自分の努力を認めてあげることが大切です。

その工夫の一つが見える化する事です。例えばその日にやり切りたい小さな目標をto doリストにして、達成したら太いペンで消していく。1日終わった時点で全部消えていれば「やり切った」事が明確です。目標を書き出し、やったかどうかをはっきりさせる事が自己効力感につながります。

4.次の目標にすぐに取り掛かる
達成したら次の目標をすぐにセットして取り掛かります。大きな目標は小さな目標の集合体です。細分化された小さな目標を次々クリアしていく。

こうして目標のアップデートが習慣になれば、次々と小さな目標を達成できている自分に気づきます。自分で目標を立てて、やり切る、という事を自分で見える化し、それを繰り返していく事で、自己効力感は日に日に上がっていきます。

また、このサイクルが回りだすと、新しい事を始めるのに躊躇しなくなります。小さな一歩は失敗してもダメージがない事を知っているからです。臆せずにどんどんチャレンジし、新しい自分を発見するサイクルが回り始めます。

まとめ

人は人間関係の中で生きているので、承認欲求を求めがちです。しかし、それでは自信を得られず、自己効力感は養えません。

承認欲求がよくないのは、自分の価値を他人に委ねてしまう事にあります。他人はコントロールできません。自分の自信の拠り所がコントロールできないと、常に自信を感じにくい状態になります。

自信の拠り所を自分のコントロール下に置く事で、承認欲求は薄れていきます。

自己効力感は自分で目標を立て、自分で達成した時に高まっていきます。まずは小さな目標を持つ事からはじめましょう。

他者からの承認ではなく、自分軸で自信を持てるように動けるようにしましょう。自己効力感(セルフ・エフィカシー)を待つ事で、承認欲求から解放され、「自らを信じる」計画と行動で自信を身につけていけたらいいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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やわらかメガネりょう
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