「未来予測」に頼るべき? 不確実な時代を生きるためのマインドセットとは
「本当に必要なのは『未来予測』ではないのかも・・・」
最近はビッグデータやAI技術の進化で様々なことが予測できるようになっています。一番身近なところでは「天気」です。「雨雲レーダー」の精度の高さには驚かされます。5分単位で今いる場所に雨が降りそうか、手に取るように分かります。そしてその確度は高さには脱帽するレベルです。一昔前では考えられなかった精度です。
気象庁の情報によりますと、降水の有無の的中率は1990年代の80%前半だったものが今では90%に近づいているとのこと。ウェザーニュース社は2020年度の5月までの予報精度は96%との謳っています。スゴイ確率ですね。
こうした日常で頻度高くお世話になる「予測技術」の進化は生活を便利にするため、非常にありがたく感じています。そして、テクノロジーの進化で我々は「未来予測」に大きな期待を持ってしまいます。
一方で、この「未来予測」には振り回されないようにしなければならないという見方もあります。これから持っておくべきマインドセットについて考えます。
「未来予測」より大切な物
先にご紹介した通り、テクノロジーの進化で精度高く未来を予測できることがあります。例えば「日本の人口が2048年には1億人を割るだろう」といった「過去の推移」からの試算や、前述の天気のような「過去のデータ」の解析によるものです。これらは「精度の高い計算」と言い換えられます。
しかし、計算できない領域においては未来予測することは極めて困難です。その典型が今年のコロナウィルスです。これほど世界中に影響を与えたインパクトのある出来事も予測することはできませんでした。
そもそもなぜ我々は未来予測をしたいのでしょうか。その目的は「備えたい」というニーズがあるからだと思います。しかし、計算できない領域の予測は困難である以上、「予測」に期待しすぎるわけにもいきません。
「未来予測」においては2つの論点があります。それは「未来予測が可能か」ということと「未来予測をしたいか」という点です。仮に未来予測が物理的にできたとして、それを知りたいかどうかは別の問題です。
未来を知れる世界とはどんな世界でしょうか。あらゆる結果が先に分かってしまう世界。これは言い換えれば「面白さが減ってしまった世界」とも言えるのではないでしょうか。スポーツニュースで勝敗が分かった後に、その試合の録画を見たいか、というとその魅力は半減以下です。オチを先に言われてみる映画はちっとも面白くありません。どうなるんだろう?どうなってしまうのか?そんな不確実性の中にわくわくやドキドキがあります。そうした要素に我々は面白さを感じるのではないかと思います。つまり「予測したくない」こともあるということです。
持つべきマインドセット
前述のように「予測」の目的は「備える」ことです。しかし予測できないことも多いですし、仮に予測できたとしても、それに対して十分に備えられていないケースもあります。そして、そもそも予測したくない領域の事柄もあります。このような時代に生きる我々はどのようなマインドセットを持つべきでしょうか。
1.今に集中する
予測が当たろうと外れようと、大切なことは自分が今できることに集中することではないかと思います。まだ見ぬ未来を必要以上に不安視せず、目の前のことに全力で対峙する。そして、反応してすぐに動くということが大切ですね。ここのスピードを高めることで、仮に事前に備えられなくても、クイックにリカバリーすることはできます。
その時に必要なのは「変われる自分である」ということです。先日「ゆでガエル理論」について考えをまとめました。
この中で、ゆでガエルにならず、クイックに変化対応できるために以下のポイントが重要であると整理しました。
①鳥の目で見る(高い視座で客観的に、冷静に今を見る)
②自分に「問い」を立てる(現状を肯定しすぎない)
③優先順位を変える(自分の中に変化を生む)
これらを意識することで、目の前の変化に気付き、行動できる自分になれるのではないでしょうか。
2.ポジティブでいる
未来を「不透明」「不確実」と捉えてしまうと、不安な気持ちばかりが膨らんでしまいます。前述の通り、不確実性の中にわくわくやドキドキ、まだ見ぬ出会いがあったりします。つまりポジティブな側面もあるということ。どうせならポジティブな面を見ながら未来と向き合いたいものです。
ポジティブでいることを意識して、前向きに目の前の変化を捉えていくマインドセットを持つことが大切ですね。自分の強みや良さに目を向け、その上で現実を前向きに捉える。「希望」に目を向ける意識ですね。
先日、非常に心に刺さる言葉を聞きました。
「希望」を持てるのは「絶望」を知っている人だけである
我々はコロナ禍において、毎日辛いニュースを目にしています。今年は人類にとって絶望を突き付けられた一年だったと思います。だからこそ「希望」を持てる。非常に勇気が湧いてくる言葉ですね。コロナの影響はまだしばらく続きそうです。だからこそ、ポジティブなマインドをしっかりと持っておきましょう。
3.一人ではないことを知る
3つ目は自分を「個」と認識するのではなく、関係の中に位置づける感覚です。人間一人が得られる情報には限界がありますし、できることも限られています。自分の周辺にいる人との接点の中で、様々な変化を感じ取り、そこから自分をアップデートするきっかけを拾っていくことは非常に重要です。そして、働きかけて変化を膨らましていく感覚も。
人間は一人では生きていけませんし、支え合いながら生きています。困難な状況だからこそ、智と力を結集して問題解決していくマインドセットが求められます。その時に、誰かに頼って思考停止になることは避けなければなりません。常に、周囲のメンバーへ「プラスの変化のきっかけ」を与えること。ギブ&ギブの先にプラスの見返りが返ってきます。
「情けは人の為ならず」。人に対して情けを掛けておけば,巡り巡って自分に良い報いが返ってくるという意味の言葉です。予測不可能な時代だからこそ、人との関係の中で強く生きていく意識、そしてその関係の中で自分を強く持つ意識が大切なのだと思います。
下記の記事もご参考ください。
まとめ
AI技術が発展し「未来予測」という言葉はより身近になってきています。しかし、この「予測」に過度に期待することは思考停止につながりかねませんし、予測し得ないことは多分にあります。
だからこそ、「未来」よりも「今」に集中することが大切です。「不確実さ」「不透明さ」という側面を見て悲観的にならずなるべくポジティブでいること。そして、困難な問題に一人で立ち向かうのではなく、仲間と共に解決する意識をもつことが大切です。
不確実な時代に必要なアクションとは「クイックなインプットとアウトプットをし続ける」ということだと思います。そうすることで、ゆでガエルにならず変化に対応・適応できます。
そのためにも、「動く」、「気づく」、「伝える」、「変わる」という行動が大切なのではないかと思います。そしてこの中の「伝える」には相手が必要です。家族や、周囲の仲間、職場のメンバーの存在は非常に重要です。ギブ&ギブの精神で「プラスの変化のきっかけ」を積極的に伝えていくことが、ひいては自分の人生をより良く導くことにつながるのではないかと思います。
私にとってはこのnoteも大切な「伝える場所」です。これからも、自分にとってのインプットとアウトプットの場所を大切にしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。