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読書レビューまとめ

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読書のレビューをまとめてみました。
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2024年10月の記事一覧

『27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」(著:青木仁志)〜自己啓発的話し方の解説本

『27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」(著:青木仁志)〜自己啓発的話し方の解説本

【内容】
話し方のトレーナーをやっている著者による話し方に関する解説本。

【感想】
話し方のトレーナーのテクニック本というより、モチベーションを高める自己啓発書のような印象を受けました。
具体的なトーク術の紹介に加え、読者に『やればできる』という自信を与えようとする姿勢が強く感じられます。
ただし、2011年出版ということもあり、内容はやや古く、今となっては一般的なテクニックが中心になっているよ

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『レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方(著: 蛯谷 敏)〜レゴの秘密、世界を魅了するブロックの物語

『レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方(著: 蛯谷 敏)〜レゴの秘密、世界を魅了するブロックの物語

【内容】
世界最大の玩具メーカーLEGOブランドについての本。

【感想】
子供の頃からレゴブロックで遊ぶのが大好きで、作り出すと親も呆れるほど集中してレゴで遊んでいました。
本書は、レゴ社の創設から現在までの歴史を詳細にたどっており、特にコロナ禍における成長や、日本の企業との関わりなど、新たな発見がたくさんありました。
中でも興味深かったのは、レゴ社がファンコミュニティのアイデアを積極的に取り入

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『ともぐい(著:河崎秋子)』〜『老人と海』×『ロッキー』×『血と骨』

『ともぐい(著:河崎秋子)』〜『老人と海』×『ロッキー』×『血と骨』

※ネタバレします。

【内容】
明治の北海道を舞台に、猟師の熊爪と他所の領地からやってきた熊との対決を描いた第170回直木賞受賞作。

【感想】
この小説の印象は、以下のようなものでした。

『老人と海』(山版)×『ロッキーシリーズ』(人間vs熊)×『血と骨』(終盤展開)

要するに、老漁師と巨大な魚との壮絶な闘いを描いた『老人と海』のような孤独な男と獣との対決を軸に、ボクシング映画『ロッキー』シ

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『文芸オタクの私が教える バズる文章教室(著:三宅香帆)』〜「バズる」文章の解剖学:読解力と分析力で紐解く、文章力の秘密

『文芸オタクの私が教える バズる文章教室(著:三宅香帆)』〜「バズる」文章の解剖学:読解力と分析力で紐解く、文章力の秘密

【内容】
文豪の小説からブロガーの記事、広告のコピーまでと様々な文章を取り上げ、著者ならではの解説と、「バスる文章」の手法を抽出した本。

【感想】
この本は、目につくあらゆる文章を参考にし、その中から「バズる」要素を抽出しているもので、読解力だけでなく、それを優れた分析力で具体的な手法に落とし込んでいる良書だと感じました。
これまで文章作成術に関する本をいくつか読んでいるのですが、読みやすさや理

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『あぶない一神教(著:橋爪大三郎・佐藤優)〜反知性主義と無宗教の狭間で…日本人が知らない世界理解の弱点

『あぶない一神教(著:橋爪大三郎・佐藤優)〜反知性主義と無宗教の狭間で…日本人が知らない世界理解の弱点

【内容】
宗教学や社会学の学者である橋爪大三郎氏と、神学部卒業の外務官僚として活躍した佐藤優氏とによる、一神教という観点から今の社会を読み解いた対談本。

【感想】
佐藤優氏が、橋爪大三郎との対談本『ふしぎなキリスト教』を読み、興味を持ったことがきっかけで、この本が生まれたそうです。先日読んだばかりのその対談本を通じて、橋爪との新たな対話が始まり、この作品が形になったとのことでした。

キリスト教

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