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空想お散歩紀行 物語の道

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空想の世界の日常を自由に描いています。
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2023年11月の記事一覧

空想お散歩紀行 異世界ワークスタイル

空想お散歩紀行 異世界ワークスタイル

失業率という言葉が昔はあったらしい。
仕事をしていない人の割合みたいなものらしいが、信じられないことである。
今の時代、仕事をしていない人間はいない。
それは、キツイ仕事でもイヤイヤやっているから、やらざるを得ないからという意味ではない。
数十年前に発見された、異世界とのトンネル。
これにより数えきれないほどの異世界との交流が始まった。
そして、異世界の数だけ仕事も多種多様にある。その無限に等しい

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空想お散歩紀行 悪徳銀行

空想お散歩紀行 悪徳銀行

その銀行の場所は誰も知らない。
だが、それが何よりの信用の証とも言えた。
なぜならその銀行は悪の為の銀行だったからだ。
世の多くの悪人がこの銀行に口座を持つことを一つのステータスとしていた。
強盗だろうと、詐欺だろうと、違法な行為で得た金をこの銀行は何も言わず預かってくれるだけでなく、働いた悪事の内容によって利子まで付けてくれた。当然、凶悪な犯罪であればあるほど、高い利子が付いた。
その銀行はどこ

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空想お散歩紀行 押しかけゴースト

空想お散歩紀行 押しかけゴースト

まあ、待て。いきなり俺が見えるようになって驚くのは分かる。だが落ち着け。
いいか、まず最初に言っておくが、俺はいわゆる幽霊だ。
だから落ち着け。何もお前を呪い殺そうとかそういうことをしたいわけじゃない。
まずは話を聞け。
いいか。お前が急に俺を見ることができるようになったのは、お前が何か能力的なものに目覚めたとか、そういうのでは決してない。単に俺の方から見えるようにスイッチを入れたようなもんだ。

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空想お散歩紀行 地球人殺戮ウイルス

空想お散歩紀行 地球人殺戮ウイルス

宇宙には数えきれないほどの星があり、その中には文明を持った星も多数ある。
だが、地球の人々はまだ自分たち以外に生命が存在している星があることすら把握できていない。
だからと言って、地球外の民たちが全て地球に気を遣ってくれるわけではない。
中には地球文明より遥かに科学が発達した星々もあり、さらに好戦的な者たちも多くいる。
そのような者たちが今まで地球に来ていないのは、単に今のところ地球にそれほどの価

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空想お散歩紀行 人は見た目ではない

空想お散歩紀行 人は見た目ではない

かつて海を越えて別の大陸に行くことは、大いなる冒険であり、それを達成するということは文字通り世界が広がり、別の世界との交流からの発展を意味した。
それは時代の流れと共に、陸から海へ、そして空へと移り、今は星の外にまで広がっている。
知的生命体が住む惑星は数えきれないほど、遥か昔からあった。だが、互いに交流する術が無かったためにそれぞれの星は自分たちと同等もしくはそれ以上の存在がいるとは、想像の域の

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空想お散歩紀行 魂の複業

空想お散歩紀行 魂の複業

命というものは有限である。しかし、魂は無限だ。
一人の人間が死を迎え、その命は尽きても、魂は還るべき場所に還り、そしてまた別の命として生まれ変わる。
命は決して、それまでの記憶や経験を引き継ぐことはないが、魂はそれらをちゃんと全て持っている。
そうして魂は永遠の旅をしているのだが、そんな魂界で、最近少し変化が起きていた。
従来は、魂は一つの命として活動しているのだが、もっと別の体験もしてみたいとい

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空想お散歩紀行 イノセント・ガン

空想お散歩紀行 イノセント・ガン

出掛ける時に忘れてはいけない物。
携帯電話。財布。免許などの身分証明。
そして、銃。
カイザワは50近くになった中年だ。彼は自分の銃の中に2発の弾丸が残っていることを何気に誇りに思っている。
この国では、成人を迎えた男女に銃が支給される。
弾は2発入っており、とあるルールが定められている。
成人を迎えた人間は、同じ成人に限り、2回までこの銃による殺人が認められているというものだ。
銃は特殊な技術で

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空想お散歩紀行 古代から目覚めようとする男

空想お散歩紀行 古代から目覚めようとする男

遥か遠くの昔。想像することすら難しい過去の時代から思いもかけない贈り物が届けられた。
「5年前に、東アジアで新たに発見されたおよそ1万年前のものとされる地層。その中の岩塩層になんと、当時の人類が完全な形で保存されていました」
解説を進めるアナウンサーの声にも自然と熱が入る。それも致し方の無いことだった。
「当初それは完璧な標本なようなものと思われていましたが、その後の調査で、太古の人は仮死状態であ

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空想お散歩紀行 スターダスト・クリーニング

空想お散歩紀行 スターダスト・クリーニング

掃除はその場所だけでなく、心も綺麗にするとは誰の言葉だったろうか。
箒とちり取りを持ち、彼女は歩く。
掃除が彼女の仕事ではあるが、普通の掃除と少し違うのは、彼女の仕事場はこの世界中の全ての場所ということだろうか。
「あった」
ようやく今回の仕事場に到着した。
今回はまたいつにも増して鬱蒼とした森の奥深くだ。
「なんで毎回こうも、自然豊かすぎる場所なのかしら」
文句を言ってもどうしようもないことは分

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空想お散歩紀行 ドリームナンバー

空想お散歩紀行 ドリームナンバー

彼はその日、まさに夢見心地というやつだった。
日曜にあった競馬の大レース。その3連単を見事的中させたのだ。おかげでかなりの臨時収入を得ることができた。
ただ、偶然それを当てたというわけではない。
予兆があったのだ。
彼には一ヶ月ほど前から、毎晩夢の中に数字を見るようになった。
最初は何のことか分からなかったが、競馬のレースがあった当日、夢で見た4、9、12という数字を、特に本人は何か確信があったわ

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空想お散歩紀行 人が求めているものとは

空想お散歩紀行 人が求めているものとは

今日の晩御飯は?
あの娘へのプレゼントは?
就職するべき会社は?
投資する銘柄は?
人間は生きる以上、常に選択に迷い、一度は決断したとしても、選ばなかった方を選んでいたらどうなっていたのだろうと答えの出ない妄想に囚われ続けることが珍しくない。
しかし、それも今は昔の話。
全ての迷いに道標を。
それをキャッチコピーに、一つの対話式AIが開発され、迷いや悩みが出てきたら真っ先にそれに相談をするようにな

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空想お散歩紀行 いわくつきのご近所さん

空想お散歩紀行 いわくつきのご近所さん

「一つ聞いてもいいですか?」
新しい生活のために新居を求めてやってきた不動産屋で、いくつかの物件の資料を見させてもらって気付いたことがあったから聞いていみた。
「なんでこの部屋だけこんなに家賃が安いんですか?」
それはとあるマンションの一室。資料に記載されている家賃よりも、その部屋だけ3万円も安い。
つまり、そういうことなのか。
「この部屋って、いわゆるいわくつき物件てやつですか?」
この部屋で自

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空想お散歩紀行 積み上げること

空想お散歩紀行 積み上げること

「これで通算8個目のバッジ取得ですね」
彼の周りには偉業を讃える人が絶えなかった。
とあるパーティ会場。魔術師クランクのお祝いをする場で、本人は群がる人々に対して実に丁寧に接していた。
「魔術とは、決して万能ではありません。だからこそ大切なのは日々の研鑽であり努力です。少しずつ積み上げていったその先にこそ栄光はあるのです」
これまで、魔術界に多くの功績を残してきた者たちはたくさんいる。魔術とはクラ

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空想お散歩紀行 雨傘と幽霊

空想お散歩紀行 雨傘と幽霊

玄関先で傘を開く。バサッと勢いの良い音がするが、俺の心は乗ってこない。
雨は嫌いではない。雨の音は妙に心が落ち着く。
だけどそれはあくまで部屋の中にいるということが最低条件だ。
傘を差していると言っても、足元はずぶ濡れになるし、雨の日の外出はいいことはない。
でも外に出なくてはいけない理由、それは散歩だ。
昔、犬を飼っていたことがある。雨の日でも散歩をせがまれたので行っていたが、雨に濡れた後の犬と

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