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noterさんからの大切な記事

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すばらしいnoterさんたちの大切にしたい記事をまとめています。
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#映画

なぜ「映画史上1位」を『ジャンヌ・ディエルマン』は獲れたのか?

なぜ「映画史上1位」を『ジャンヌ・ディエルマン』は獲れたのか?

ランキングというのは、そのジャンルの実態を表す非常に興味深いサンプルです。内容の是非はさておき、現在だけでなく、そのジャンルの未来まで見えてくることがあります。
 
今回は、とある映画ランキングを取り上げて、なぜこのような順位になったのかを考察します。それによって、映画というジャンルのこれからについても書きます。

後で目次を出しますが、この稿はかなり前から書き足し続けていたもので、いつもの倍以上

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「フィルムなつかしい」と言う学生達と繋がり表現の豊かさを持つ事

「フィルムなつかしい」と言う学生達と繋がり表現の豊かさを持つ事


1.16ミリフィルム映画を「なつかしい」と言う学生たち

 学生映画のある場面の撮影に使うために、16ミリフィルムの映写機を久しぶりに回した。映写機にかけたのは、20年以上昔の、10分ほどの学校を舞台にした短編映画だった。
 デジタルネイティブで、4Kのクリアな映像にこだわるZ世代の彼らが、なぜか映像を見て「なつかしい」と言い始めた。
 教室の別の場所では、別の班が別の映画製作の話し合いをしてい

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【映画感想文】小学生は『君たちはどう生きるか』をどう見たのか

【映画感想文】小学生は『君たちはどう生きるか』をどう見たのか

 最近、小学生に本の楽しさを教える活動をしている。学童保育みたいなやつで、放課後、集まった子どもたちにオススメの本を紹介しているのだ。一応、読書会と呼んでいる。

 その中で先日、『霧のむこうのふしぎな町』を扱った。

 宮崎駿監督が『千と千尋の神隠し』を制作したとき、参考にした小説と説明したところ、子どもたちのテンションが上がりまくった。聞けば、みんな、『千と千尋の神隠し』が大好きらしい。

 

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大林宣彦監督を偲んで。『デビュー作の風景 日本映画監督77人の青春』より「大林宣彦 『HOUSE・ハウス』」、全文公開。

大林宣彦監督を偲んで。『デビュー作の風景 日本映画監督77人の青春』より「大林宣彦 『HOUSE・ハウス』」、全文公開。



大林宣彦
HOUSE・ハウス 1977

 連載の第一回目は、この作品から始まった。だからあえて製作年度順を無視して、単行本でもここから始めたい。
 77年4月4日――この日、僕は生まれてはじめて映画の撮影現場を見学した。その映画は大林宣彦監督『HOUSE・ハウス』だった。「キネマ旬報」編集部に誘われて、「読者による『HOUSE』撮影見学記」という記事の取材のためだった。
 やはり読者だった内

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まぶたの裏に大林宣彦監督を



大林宣彦監督が亡くなってしまった。
つい先日、職場の友人に「好きな映画はなんですか?」と聞かれ、「大林宣彦監督が好きなので、『この空の花』ですかね」と話していたばかりだった。なんだかここ数年、自分のなかで存在の大きい人がうえから順に亡くなっていくようだ。映画への思い入れが人一倍強いということではないので、僕以上の悲しみにくれている人はたくさんいるでしょう。大林監督に対しても、熱烈なファンはたく

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