マガジンのカバー画像

創作小説・明青高校シリーズ

23
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事
創作小説・神崎直哉の長い1日 第1話 ときぬき萌えリアル

創作小説・神崎直哉の長い1日 第1話 ときぬき萌えリアル

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

最終章    伝説の樹の下で

 卒業式を終えたオレは教室の机に戻ると、何か見慣れない物があるのを発見した。

「なんだ? これは……」
 それは差出人不明の手紙だった。

『小波クンへ

今日の夜19時に

公園の伝説の樹の下で待ってます

あなたを想う者より』

「なんじゃこりゃ~っ!!」

 オレは叫んだ。

 教室中のみんなが一

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第18話 イジメ、カッコワルい!⑤ー飛べない豚はただの豚だー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第18話 イジメ、カッコワルい!⑤ー飛べない豚はただの豚だー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されました。

======

「うおおおおぉ!! 波動昇竜っ!!

「なんのっ! ブルマからのはみパンがおれに力をくれた!」

 試合は白熱していた。確かに田中は前半以上の力を見せてきたが、こっちも走るセクハラ野郎こと、亮兵が実力以上の活躍を見せていた。

 実はそれには理由がある。

 A組女子、和桐かなめのおかげである。

ー10分前ー

 後半開始

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第17話 イジメ、カッコワルい!④ージャイアニズムー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第17話 イジメ、カッコワルい!④ージャイアニズムー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

======

 後半戦開始直前、センターラインの前に立つ俺に、敵チームの代表的存在でもある田中が話しかけてきた。

「なんだよ! なにか用かよ!?」

「ふっふっふ、威勢がいいなあ~。先程の攻撃はなかなかだったぞ神崎よ!」

 不快なオーバーリアクションとともに田中が言う。

「そうかい、どうも」

「貴様の実力を少し見くびっていたよ

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第16話 イジメ、カッコ悪い!ーブルマ万歳ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第16話 イジメ、カッコ悪い!ーブルマ万歳ー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

======

 グラウンド内は騒然としていた。

「おい直哉! やるなっ! さすがだぜっ!」

 使えない金髪が、ヘラヘラと笑いながら近付いてきた。

「うるせー亮兵! 抜かれんの早過ぎなんだよ」

「へへっ、まあいいじゃないか。それより見ろよ!」

 よくはないだろ。亮兵が指さした方を見る。

「今のお前の活躍で、女子たちがこっちま

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第15話 イジメ、カッコ悪い!②ーがんばれキッカーズー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第15話 イジメ、カッコ悪い!②ーがんばれキッカーズー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

======

 サッカーコート内にたどり着いた俺の目に映った物は、壮絶な光景だった。

 俺達B組側のゴールキーパーは、相手チームA組メンバーの苛烈な攻撃にボロボロになっていた。

「…………!」

 殺気を感じた。テニスコート側からだ。かなり遠く離れているのにも関わらず、俺が戦慄するほどの強烈な殺気だ。

 オーラが放たれている場所

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第14話 イジメ、カッコワルい①ー前園真聖の名言よりー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第14話 イジメ、カッコワルい①ー前園真聖の名言よりー

※この作品はのオリジナル版は、2006年に執筆されたものです。

======

「あら~、誰からメール?」

「天堂からだよ。3限目からは授業に戻らないと」

 現在の天堂との契約内容には、こんな内容がある。

 ーー私、天堂梓の代わりにある人物を守る事ーー

「次の時間は、なにやんの~?」

「体育だよ!」

 喜多原の問いに答えを返しながら、俺は天堂に返信メールを送る。

《わかったよ。急い

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第13話 保健室登校の甘美な誘い③ー赤ちゃんできちゃう②ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第13話 保健室登校の甘美な誘い③ー赤ちゃんできちゃう②ー

*この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

======

「マジで!?凛ちゃんご懐妊?」

 凛のひと言に万年低血圧ぽい、この保険医もさすがに驚かされたようだった。

「んなわけないだろ……」

「凛ちゃ~ん? 誰の子?」

 おいおい俺の発言は無視かい。

「……なぉやの……」

 ていうか凛も何いってやがる!

「やるね~あんたもなかなか~! パパおめでとう!」

 ノリい

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第12話 保健室登校の甘美な誘い②ー赤ちゃんできちゃう①ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第12話 保健室登校の甘美な誘い②ー赤ちゃんできちゃう①ー

※この作品のオリジナル版は2006年に執筆されたものです。

======

 保健室で喜多原と世間話してるうちに、気付いたらすでに2限目へと突入している時間だった。

「あんさ~最近どうよ~?」

「どうって? 何がだよ?」

 まあ、さっきのビンタの跡もまだ目立つし、正直授業もかったるい。まだしばらく、喜多原の相手を続ける事にするか……

「いろいろよ~。凛ちゃんとか」

 凛か……。あいつの

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第2話 加齢臭かく語りき

創作小説・神崎直哉の長い1日 第2話 加齢臭かく語りき

第2話 加齢臭かく語りき

「どう?」

 眼前の加齢臭漂う男が、自信ありげにのたまった。
 さすがオレと言わんばかりの表情をしていた。
 全くもって腹の立つドヤ顔である。
 だから俺は言ってやった。

「くそつまんね~」

「アウチ!」

 外人ですかおのれは。

「どこがつまらないのよ~?マイ、ジュニア!?」

「全てがつまらん。設定が古臭い。しかもどっかで見たことあるし。セリフもおかしい。展

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第3話 イケメンは女嫌い

創作小説・神崎直哉の長い1日 第3話 イケメンは女嫌い

「直哉クン♪落ち着いた?」

「まあな」

 俺は加齢臭が出してくれた紅茶を飲みながら、さっきの加齢臭の新作官能小説に目を通していた。

【著者プロフィール】
金剛 玉の助
15年前から官能小説を執筆し続ける、エロスの第一任者! その勢いは留まるところを知らない! 代表作『デカメロンサーガ』『スイカップ極秘指令』など多数。

 今、俺の目の前にいるクネクネしたキモい中年親父こそが、まさに官能小説

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第4話 幼馴染①ースカートを履いた少年ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第4話 幼馴染①ースカートを履いた少年ー

「なぉや~っ!!起きてよ~っ!!」

 カン高い声が頭の中に響いた。

「起きてよ~っ!!」

 眠い。まだ寝たい。

 無視した。

「…ちょっ、起きなさ~いっ!!」

 ワンパターンな起こし方だった。

 なんかこう、エキセントリックな起こし方はないものか。

「起きてよ~!もう~!学校に遅刻しちゃうよ~っ!」

 まだ余裕はある。ギリギリまで寝たい。

 俺は寝たフリを続ける。

 ふいに、

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第5話 幼馴染②ー始まりの公園ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第5話 幼馴染②ー始まりの公園ー

 俺は制服に着替える間、凛について考えていた。

 最近、どういうわけか凛は妙な行動をとる事が多くなった気がする。

 ふと、あいつに初めて合った時の事を思い出す。

 あれは俺が5歳の頃だったか。

 俺がいつも遊んでいた公園に、見知らぬ男の子がひとりポツンと佇んでいた。

 みんなの輪の中に入って行きたかったのだろうが、声を掛ける事ができず、オロオロとしていた。

 声を掛けようと、誰かに向か

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第6話 朝食ーモーニング息子。ー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第6話 朝食ーモーニング息子。ー

 制服に着替えた俺は、朝食を食べにリビングに行った。

「あっなおや!待ってたよ~早く食べよ~♪」

 必要以上にデカい食卓の上には、簡素なジャム付トーストとコーヒー。

 そして先程の謎の行動が無かったかのように、凛がヘラヘラしながら待っていた。

 先に喰ってればいいのに。

 こいつはいつも、お預けをくらった犬のようにおとなしく待っているのだった。

「加齢臭は?いないみたいだけど?」

もっとみる
創作小説・神崎直哉の長い1日 第7話 通学路ー与謝野晶子とオスマン・サンコンー

創作小説・神崎直哉の長い1日 第7話 通学路ー与謝野晶子とオスマン・サンコンー

「凛、おまえ加齢臭の新作読んだか?」

「うん。読んだよ。面白かったよ!」

 官能小説を満面の笑みで面白かったと語る、女子高生は果たしてどうなのか。

 そして、女子高生に官能小説を読ませる中年親父もなんなのだろう。

 わざわざ感想を聞く俺も俺だが。

「あのね~万太郎君がね~。トーナメントの決勝で番長と戦うところが面白かったよ~」

「そうか。加齢臭にもそう言っとくよ」

 官能小説の感想と

もっとみる