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未成年一般人女性の呟き

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#エッセイ

僕の東京を更新して

僕の東京を更新して

 東京から地方に転属になってからは、仕事で年一回訪れるぐらいの場所に変わったが、私は東京が好きだ。自分の人生のその時々で変化し、新しい顔、新しい街の明かりを見せてくれるそんな街。
 きっとまた、訪れる時の自分は変わっていて、その時も見える景色は変わる。何度も、何度も更新して、その度に懐かしくなる。

 初めての上京は19歳の春。
大学進学のためのありきたりな理由での上京だったが、反面やっと帰ってき

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ライブハウスは「日常」です〜とりとめたい、とりとめない。②〜

ライブハウスは「日常」です〜とりとめたい、とりとめない。②〜

今日は先日したこのツイート

に関してのお話をしようと思います。

ライブハウスは地下シェルターだったバンドを自分たちでやるということに出会って、ライブハウスに自分で足を運ぶようになった、高校1年生の頃の僕にとって、ライブハウスは「非日常」でした。

多くのライブハウスは地下にあります。それをシェルターに見立てたように、「嫌なことがあったらいつでも逃げ込んでこい」、「やりたくないことばっかの毎日だ

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恋の序章

恋の序章

高校生までの恋は甘酸っぱかった。

それこそ王道だけれどback numberや西野カナが似合うような、どこか小っ恥ずかしくて、それでも帰り道にスキップしてしまうような恋だった。

中学生までの恋はソフトなクッキーみたいなものだった。

コストコで配られている試食のような、少し気になってはいるけれども本気で買おうと思っているわけではない、そんな感じの恋だった。言うなればお試し。それがなければ買わな

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ダラっと幸福論

ダラっと幸福論

将来は田舎で生活したいという想いがある。

都内は確かにいろいろ便利だ。欲しいものを手に入れたり、生きたい場所にはすぐ行ける。イベント事も都会のほうが参加しやすい。いろんな人に会うことができるし、コミュニティがたくさんあるから、人付き合いでうまくいかなくても、周りの環境を変えることがそこまで大変ではない。

「あれがダメならこれでいこう」みたいな自由度があって、ライフスタイルや仕事、友人や恋人まで

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私の"東京"は、彼の"東京"とは違った。

私の"東京"は、彼の"東京"とは違った。

東京。

この街に出てきて7年という月日が流れている。

憧れていたこの街が、憧れのままかと言われたらそうではなくなっていっている。

"住めば都"というように、旅行で来る場所で十分良かったんじゃないかと住んでみて知ったこともある。

ただ世界中から訪れ、日本各地から色んな人が何かを求めてくる。この"東京"(場所)で私は、夢が叶い、ネットを通じて文通をしていた友達と直接会うことができたり、恋をした

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舞台を観るより、舞台に立つ側の人生の方がいい

舞台を観るより、舞台に立つ側の人生の方がいい

大人になって、舞台を観に行く機会が増えた。

朝眠い目をこすって起きて、毎日同じ時間の電車に乗って、同じデスクに座って、誰がやっても同じ結果になるような仕事をして。また同じ沿線の電車に乗って、隣の部屋の人とそう変わらないような、けれど一生懸命心地よくさせた1Rの部屋に帰って、そしてまた眠って、起きる。

せっかく就職できた会社で働く、いまの暮らしに大きな不満があるわけじゃなかった。けれど「なんとな

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缶チューハイと夏の夜風とブランコ

缶チューハイと夏の夜風とブランコ

「この前、付き合えるかもっていった人、ダメだった」
「え、めっちゃいい感じって言ってたじゃん」
「うーん、そうだったんだけどさぁ…。まぁいいや、とりあえず乾杯しよ」

通っていた高校の近くにある小さな公園。高校時代の親友Mちゃんと飲んだ帰りは、その公園に寄るのがお決まりだった。コンビニで買ってきた缶チューハイを片手に、ブランコに座ってたわいもない話をする。

「てか、うちら週3、4とかで会ってるよ

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愛とか夢とか恋とかSEXとか。

愛とか夢とか恋とかSEXとか。

突然パンチのあるタイトルをつけてしまったと後悔しているが、これは私が人生の中でも5本の指に入るのではないかと思うほどに大好きな曲のタイトルである。

2019年も終わりを迎えようとしている中、自分の人生を一度振り返ってみることにした。

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思い返すと、私は随分と負けず嫌いな性格だったんだと思う。

大学受験では、誰にも負けたくな

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本当に欲しいものは4番目

25歳の冬、きっと結婚するんだろうなと思っていたひとと別れた。

学生時代からの知り合いだったし、3年近く付き合っていたし、向こうのお母さんとも仲良しだったし、別れる理由なんてなかったはずなのに。

けれど、それはいつだって突然にやってくる。

別れる理由はなかったけれど、このまま付き合い続ける理由もない、という心臓を鷲掴みにしてそのまま遠くへぶん投げられるような最後の一言はわたしをひどく疲れさせ

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東京で生きている

「今日は月が綺麗だから、お散歩に行きませんか」
近所に住む人からそんなお誘いを受けて、ちょっとだけお散歩してきた。

私、昨日振られたんです。
7月くらいに自分から振った恋人に
8月くらいに「ちょっとずつでいいから、やり直してみませんか」と告白して、
「明日連絡するね。ごめんね…!」と言われてから連絡を待つこと1週間、
「とても丁寧に気持ちを伝えてくれて、気持ちはよく伝わりましたけど、やっぱり元に

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年上ヒモ男との短命な恋

一つ前の記事で、運命の出会いを果たしたと思い込んだ私。

当時大阪に住んでいた彼と京都在住の私は、お互いの拠点を行き来して数回のデートを重ね、晴れて付き合うことになった。

彼とtinderでマッチした時でさえ「鈴虫寺効果だ!」と思っていた私は、付き合うとなるとより一層「鈴虫寺本当にすごい!お地蔵様まじでありがとう」と一人舞い上がっていた。
(鈴虫寺に関しては一つ前の記事参照)

しかし、恋人とい

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東京を寝かさない女はバンドマンじゃなくて良かったと。

東京を寝かさない女はバンドマンじゃなくて良かったと。

バンドマンじゃなくてよかった。本当に。
もし私がバンドマンだったら、過去好きだった人とか愛した人に向けた曲を20曲作ってる。私は片想いしてた人が多かったので27曲とかかもしれない。
過去に向けて愛を叫ぶのってなんて美しくていじらしいんだろう。
過去なんて変えられないし、消えていく一方で消えていく過去が惜しくて人は美化していくだけのものなのに。
あの日、笑ったあの子の笑顔の可愛さとか、意外に短いまつ

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