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こらむ紗水式――細かいことはどうでもええんじゃ――

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自称アマチュア物書き兼ピコ手文芸サークル「頌櫻堂書房」主筆・紗水あうらによる、ノンジャンル・ノンタブー・ノンフィクションのコラムデスマッチマガジン「こらむ紗水式」、note上に創…
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2018年5月の記事一覧

在りし日のウォーゲーム黎明期と日本の「反戦と戦争アレルギー」

TwitterのRTで拝見させていただいたブログの記事が興味深かった。

ああ、そうだそうだ、と膝を打った。この記事でも言及が有る「フジ三太郎」には記憶が有った。うちは伝統的に朝日を取っていたので、当然私も朝日を読んで育ったのだ。その割には左にも親中派にもならなかったし、両親は「単純に組版が一番見やすい」と言うだけの理由で朝日を取っていた。

そんな中にふっと現れたこの記事が新聞紙上を飾ったころ、

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火花飛び散る「米中貿易摩擦」が新たな戦端を生む?

直に起こるだろうと思っていたことが起こることに、なんの不思議があろうものか。いよいよこの局面がやって来たようである。

出典は産経新聞。当然のことながら産経さんなので「中国を軽く見る論調」は相変わらずだが、基本的なところがわかりやすく押さえられており、米中による二国間に何が今起きているのか、と言うことを見て取るに持って来いである。まぁ要するにね、産経さんがこのくらいのトーンで言い始めたってことはそ

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もはやパンク寸前「労働基準監督署」が監督者足り得ない理由

土日は休むことにしました。やっぱりずっと書き続けなきゃいけないと言うプレッシャーは気分的に良いのですが、他のことできなくなっちゃうので。

で、今日のお題はこのニュース。

この件、別に一分業務の民間委託と言うのは別段問題ない。問題は、その委託先にある。その委託先と言うのが、社労士・弁護士・労基署OBからの入札によるものだと言うのである。

うーん、悪手。

いやどう見ても悪手でしょこれ。まず社労

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そもそも「裁判員制度」は無理筋ではなかったか

かつての小泉政権下に鳴り物入りで始まった「裁判員制度」であるが、本当かどうかはともかく、本一件によれば辞退者は7割に達しようと言う。

でしょうね。

法的根拠だとか実際に司法現場においてどう言った問題が有って、とかちゃんとした話をするつもりはない。なぜなら私は法律関係には強くないからであり、その点において誤った知識で書き殴るのは無筋としたものだ。その上で、私が思う「裁判員制度が無理筋な理由」は3

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「アプリゲー」で溢れ返るゲーム市場のこの先

お題箱より。ちなみにお題箱への投稿はこちら。

昨今におけるアプリゲームの隆盛、また、このアプリゲームバブルの今後や終焉予想など、兎にも角にも現在感じていること考えている事をここらでひとつ。

なんなの、俺は業界に喧嘩を売れと言われているの。

いや困ったなぁ、正直いまは直接的に業界にいるわけではないし、多少人脈が有るだけに過ぎない私としては、あんまり言いたいこともないのだけれども、取り敢えずこの

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やっぱり空母だった「いずも型護衛艦」の問題点

この「こらむ紗水式」では、読者の皆様からもお題を募っている。但し私はあなたの思考代弁者ではないので、あなたの欲しい結論にならないどころか真逆の結果が出ることも心に留めおいていただきたい。あと必ず採用するとも限らないので、その点はご承知いただきたく。お題はこのお題箱にて募集している。

さて、今回はその募集したお題から。

結局いずも型を空母改造したら何が問題なのか。

初手から不穏なお題ぶつけてき

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アシとマクラは個人持ち出し「五輪ボランティア」の問題点

5月22日のNHKニュース。

まずこの部分である。以下引用。

組織委員会は、ことし3月、8万人を募集する大会ボランティアについて、1日の活動時間が8時間程度で交通手段や宿泊場所は各自が手配し、費用も自己負担とするなどの募集要項の案を公表しましたが、ネット上では「こんな条件ならやりたくない」といった批判の声などが上がっていました。

組織委は正気か?

普段は自分に石が当たらないだろうところから

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ウォーゲーム「太平洋の土下座」のカリカチュア

え、2日続けてウォーゲームの話するんですか紗水さん、って?

3日続けて世間に怒ってたんだから趣味の話させろ。

と言うわけで、2つ購入したもう一つのゲーム、「東大紛争」でも取り上げたジブセイルゲームスさんの「太平洋の土下座」である。

マップは昨日取り上げた「PACIFIC GO」とも似ている。そう、お互い実は、アバロンヒルのパシフィックシアター物としては屈指の出来と誉れ高い名作「Victory

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ボードゲーム「PACIFIC GO」がちゃんとヒストリカルな理由

先だって私は、ウォーゲーム「東大紛争 1968-1969」について触れたわけだけれども、それ以外にも注目すべきゲームは同人界隈からも続々発表されているのが近年のボードゲーム界の恐るべきところである。そんな中、元々私の大好物、もとえ主専攻である西太平洋シアターのゲームも発売されている。いくつか候補はあるが、取り敢えず今回は2つほど通販にて入手した。そのうちの1つが、今日ご紹介する「PACIFIC G

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もはや実生活を伴わない「元号」のレゾンデートル

私はノンセクト(≠ノンポリ)であるが、今回のこの今上陛下のご譲位に纏わる話の混乱具合が、まったく陛下のお気持ちに沿ってない感がすごいのはただ外野から笑ってりゃ良いのだけど、これはどうなんですかね? と言うニュースが5月17日に飛び込んできた。

うん、言ってる意味がわからない。

まぁ、実際にはまともな企業であれば、すでに新元号への対応とか済んでるか対応中なんだろう。元号マスタに適当なレコード切っ

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それじゃダメなんだよなぁ「裁量労働制」

「働き方改革」と言う一見キャッチーなワードが、政府当局から頻繁に繰り出されている昨今であるが、相変わらず何というかこう、どいつこいつも絵空事ばっかり並べやがってこんちくしょうども、と言う気持ちにしかならない最中、こと「裁量労働制」を巡る世情の関心が高い。

うーん、そうじゃないんだよなぁ、と言うかそれじゃダメなんだよなぁ、と言う制度運用にしか見えないのだけれども、根本的な問題はそこじゃなかったりす

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だから言ってっしょ「大学多過ぎ」って

今、日本の「高等教育」が正念場を迎えていることは、皆様もお気付きであろう。こうした事態に対し、大学に属する研究者たちが叫びを上げる。これは日本の将来に於ける危機である、と。

石原先生のおっしゃることはもっともだ。まず行政・官僚・財界のトライアングルの中には、石原先生のおっしゃるような「本来の高等教育」を広く学生に対して提供する場を、まやかしのグローバリゼーションで奪われることの愚かさを嘆いている

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『オトナ帝国の逆襲』が見せた、青年期の終わり

ずいぶん古い映画の話すんなぁ、と思われたかも知れない。それもそのはず、この「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」の公開はなんと2001年。つまり21世紀ド頭の年に公開されたのだ。それがいまになって「文春オンライン」にこんなコラムが掲載されたのである。

これに対する反応が、私のTwitterのタイムラインでもいろいろ別れていて、大変興味深かったのだ。特徴的だった以下をここに引用

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「日大アメフト部故意反則事件」に見る、責任の耐えられない軽さ

実はそれほどアメフトと言うスポーツに詳しくはないのだが、どうも日大さんがやらかしたそうですね、と言うのはさんざっぱらニュースメディアでも取り上げられているし、どうもそれが指導者の指示であったと言うのも、ほぼ事実だと言うのも明確になっている。と言うことで、あとは当該指導者の処分くらいしか仕事はないし、世間の関心も収束するだろう。そうでなくとも市井の小市民などと言うものは、概して飽きっぽい。

だが、

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