#1 夏バテ対策 #2 秋の養生 #3【薬膳レシピ】白きくらげと蓮の実の薬膳デザートスープ #4 冬にしっかり養生を #5 目の養生 #6 梅雨の豆知識 #7 夏によく使う漢方 #8 子供の漢方服用法 #9 冬季のおすすめ薬膳「当帰生姜羊肉湯」 #10 寒い冬に備える漢方と薬膳 #11 花粉症の漢方治療 #12 自律神経失調症の漢方治療 #13 梅雨時期の漢方養生 #14 夏疲れの漢方養生 #15 冷え性の漢方治療 #16 便秘の漢方治療 #17 婦人病の漢方治療
※このコラムは2024年3月に執筆したものです※ 婦人病といいますと沢山の疾患が含まれています。特に生理不順、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、不妊症、乳腺症、更年期障害などに対しては漢方薬は優れる治療効果があります。 中医学では、婦人病の多くは気血不調、肝腎不足によるものだと考えております。気血の流れに異常があれば「気滞血瘀」を引き起こし「不通則痛」という言葉があるように胸や下腹部の痛みが生ず、その痛みは生理の周期に関係する場合が多いです。腎臓は先天の元で肝臓は血
※このコラムは2023年11月20日に執筆したものです※ 多くの方は夏に比べると冬の方が便秘になり易いです。 中医学理論上では冬は「貯蔵」の時期であるため、新陳代謝が低下しがちな体や内臓器官の動きが夏程活発ではなく、水分の摂取も夏に比べて大分減っています。 即ち、冬は溜め込みやすい時期です。この時期こそ便秘解消によってダイエット効果が期待できます。 漢方薬は無理せず便秘を改善することができますが、体質により使う漢方薬は変わってきます。より良い効果を得るためしっか
※このコラムは2023年11月に執筆したものです 季節の変化が目まぐるしくて朝晩の冷え込みが激しくなっています。これから寒い時期に向かって冷え性対策できる漢方薬をご紹介したいと思います。 中医学の立場では冷え症の原因はみんなそれぞれで、決して同じではありません。冷え症に効く漢方薬も個人差があります。より良い効果を得るために最も大事なのは体質の実証と虚証を弁別する事です。 実証タイプの方には手足が冷えると同時にストレスが多く、肩こり、頭痛、女性の生理痛(内膜症、子宮筋腫)な
※このコラムは2023年8月20日に執筆したものです 今年の夏は本当に暑かった‼これからも暫く残暑が続きそうですね。 中医学理論上では過度な暑さが身体の気陰を消耗し体力を奪って疲れや食欲不振などの症状を引き起こします。ひどい場合は動悸、息切れを感じる場合もあります。 その上、エアコンによる室外室内の温度差で自律神経のバランスが乱れ、暑いから冷たいものをどんどん取ってしまい、体の中から冷えて胃腸の機能が低下し栄養の消化吸収が損なわれます。 一方、中医学は古くから‘汗出則腠
※このコラムは2023年6月20日に執筆したものです 雨に似合う紫陽花が綺麗に咲いていますね。今年も梅雨がやって来ました。毎日湿度が高くジメジメしていて心身ともにスッキリしません。 私たちの内臓も梅雨に弱いものがあります。それは脾胃(胃腸などの消化器系)です。普段胃腸が弱い方はこの時期になるといつもより体調が崩れやすいです。 食欲不振、消化不良、胃もたれ、吐き気、お腹が張る、下痢などの消化器系の症状はよく見られます。それに体がだるい、疲れやすい、睡眠が足りているのに日中が
※2023年4月20日に執筆したものです 気温の不安定な日が続いています。季節の変わり目のこの頃は体力だけじゃ なくて、精神的も辛く感じている方が多くいらしゃいます。 昔から日本では五月病という言葉がありますが、現代医学では自律神経失調 症と言われます。不安感や情緒不安定といった精神面の症状をはじめ体のだるさ、不眠(寝付きにくい、夜中目が覚める、朝早く目が覚めるなど)、食欲不振などの肉体面の症状も多く見られます。趣味のことに対してもやる気が出なく、楽しめなくなります。 体
春になりますとポカポカ陽気が気持ちいいのですが、辛い花粉症をお持ちの方にとっては鬱陶しい季節になります。 市販の抗アレルギー剤を飲むと、人による怠くなったり、眠気になるなどの場合はあります、いざとなると躊躇しますね。このような症状を避けるため、漢方薬を服用することで、多くの方が改善されております。一度お試しする価値があると思います。 実は漢方薬は花粉症の治療が大の得意分野です。個人の体質により使用する漢方薬も変わってきます。 花粉症のタイプは概ね二つあり、それぞれ適応す
やっと涼しくなったと思いきや、寒い冬がやってきました。過ごし易い時期が本当に短いですね。夏の暑さで体の気が消耗されて溜まった疲れが、まだとれていないのに、今度は季節の変わり目の寒暖差で自律神経が乱れてしまいます。これから冬の寒い時期こそ、養生するに最適な時期となります。 漢方理論の「臓腑学説」では、冬に対応する臓器は腎です。腎は「先天の本」とも言われています。腎には親から受け継いた生命力が次世代へ伝わって貯えられており、病気に対する抵抗力、免疫力にも関わっています。健康を保
中国漢代の医学書「傷寒論」には当帰(とうき)と羊肉を使った当帰生姜羊肉湯という方剤があります。 製法:当帰三両(1両が50gで150g)生姜5両(250g)羊肉一斤(500g)に水八升を加えて三升に煮詰めて、7合を温めて日に3回服用すると原文にある。 (北宋:「金匱要略」による) この処方は原文のままなので、あくまでも当時は薬として取り入れられました。唐の時代では宮廷薬膳として知られました。 薬膳として考える場合は味も重要なので、生姜の量を30g前後、当帰の量も血虚の程
薬と言えば副作用があります。生後三か月以内の乳児は身体が未熟なので、副作用が少ないと言われている漢方でも、薬は飲ませません。 風邪やアトピー性皮膚炎、喘息などの子供(一般的に12歳まで)に漢方を飲ませたい場合は、四気が強い生薬を避けなければなりません。つまり、大辛(麻黄など)大苦大寒(大黄など)大熱(附子など)ではない漢方を選びます。なぜならば、これらの漢方は子供の成長と発育上に重要な気・陰を損なわせるからです。 また、子供に漢方を飲ませる際に最も注意しなければならないこ
中医学の陰陽五行説では、夏の外邪は「暑邪」ですが、日本は島国なので、「湿邪」も人体に影響を及ぼします。「暑邪」は体の水分を失わせますが、「湿邪」は胃腸に影響しやすいので、夏の病気も胃腸の不調を伴うことが多いのです。その時に藿香正気散を正しく使えば、体調の回復や夏バテの予防に役立つのです。 藿香正気散には藿香や蘇葉(そよう:シソの葉)など香りの高い生薬が多く含まれています。特に処方名に冠された藿香(かっこう)は、体に取り付いた邪(ウイルスなどの病原菌)を発散させる生薬で、適度
毎年梅雨と言えば6、7月の間です。長い時もあれば、短い時もあります。去年は2週間ほど長かったので、体調崩した人が多く現れました。 梅の漢字は中国語で読むと「メイ」です。「毎」と「霉」も同じ読み方です。梅雨という名前の由来は毎日の雨で霉が生じやすいということです。梅雨は雨がよく降って湿気が多いので、梅雨期間が延びると霉だけではなく、植物の根っこ、特に根菜類が腐りやすいです。 人間の体も胃腸が弱くなり、腎の排泄が間に合わなくなります。これを東洋医学では脾虚湿盛、腎虚浮腫と言い
※このコラムは2020年に執筆したものです 一年続くコロナストレスに加え、コンピューター、ゲームによる目の酷使、なかなか取れない倦怠感、冬の乾燥は引き続いています。 その結果、春を迎え、体のあちこちドライ症状を訴える方が明らかに増えています。このようなドライ症状を東洋医学では陰虚と言います。健康サプリとしては八つ目鰻の肝臓から抽出した油をお勧めします。特に肝陰虚の方によりよいと思います。 東洋医学の観点から肝の働き具合は目で現れます、『肝は目に開竅(かいきょう)する』とい
※このコラムは2020年に執筆したものです 暦の上での冬は立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までの約3か月を指します。中医学では、この3ヶ月間を閉蔵(へいぞう)と言います。 冬は、万物が静かに沈み消極的になり、収納、貯蓄される季節です。大自然と一体のわたしたち人間も、活動的によりは心身共静かに、エネルギをなるべく発散しないように大事に貯めておくことが中医養生の視点です。このために、日の短い冬のあいだは、できるだけ十分な睡眠時間を確保するように努めましょう。 養生のポイン
※このコラムは2020年に執筆したものです 今回は秋におすすめの一品をご紹介します。 今年は、コロナで始まり、その収束時期もまだ不透明の中、長梅雨のあと猛暑で疲れが生じて、体調不良を感じる方は多いでしょう。体調管理にご不安になっておられる方は、秋に適する薬膳を作って、健康な体を取り戻しましょう。 今回使う薬膳食材は白きくらげ、蓮の実、なつめ、クコの実、氷砂糖です。秋に最も適する伝統薬膳食材であり、肺を潤し、止咳、夏の疲れを取り除く効能があります。ぜひ、この秋に薬膳を食生活に