#4 冬にしっかり養生を
※このコラムは2020年に執筆したものです
暦の上での冬は立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までの約3か月を指します。中医学では、この3ヶ月間を閉蔵(へいぞう)と言います。
冬は、万物が静かに沈み消極的になり、収納、貯蓄される季節です。大自然と一体のわたしたち人間も、活動的によりは心身共静かに、エネルギをなるべく発散しないように大事に貯めておくことが中医養生の視点です。このために、日の短い冬のあいだは、できるだけ十分な睡眠時間を確保するように努めましょう。
養生のポイントは次の2つです。
1.汗をかき過ぎないように。
もし冬に発汗し過ぎたり、冷え過ぎたりすると、身体の陽気と潤いが不足して腎(じん)が悪くなります。とくに、寒がりや冷え性の人が冬のあいだに一番気をつけたい、間違えやすい習慣に、長風呂があります。血行を良くするため、汗がたくさん出るほどお風呂で温まりすぎると、汗とともに身体の陽気が出て行ってしまい、開いた毛穴から冷えが入ってくるので、必ずあとで冷えてしまうのです(関節痛、高血圧、心臓病の方はとくに厳禁です)。
他にも、夜にジムで汗を流したり……サウナや岩盤浴や温泉や長風呂でせっせと汗を流したり等、健康のために続けている習慣であっても逆に身体を痛める元になってしまうかもしれません。
2.熱が籠らないように。
春と夏は陽気を養い、秋と冬は陰液を養う。冬はたくさん食べてエネルギーを蓄えます。また暖房を使うので、人体は熱が籠り易い、乾燥し易くなります。例えば、喉、皮膚、鼻、目等の乾燥、手荒れ、便秘、ニキビ、吹き出物等現われやすいです。このような症状がある人は大量発汗させたり,辛いもの、揚げ物食べたり,夜更かししたりすると、より熱が籠り乾燥が酷くなります。
もちろん 陽気が多い体質の人にとっては、ある程度の適度な発汗・発散は必要になります。例え肉食や脂っこい食事を摂り過ぎていると、余分な熱が身体に溜まり過ぎて、身体もこころもカッカするので発散せずにはいられなくなります。しかし、発散し過ぎてしまったり、冷たい飲食をしたり、水分を摂り過ぎたりすると、バランスが崩れてしまい、病気を招きます。
冬に冷え改善の食材は羊、くるみ、エビ、鹿肉、ナマコ、ニラ、クローブ、シナモン、よもぎ、松の実など、また、冷え対策と併せて潤い対策も必要です。黒ゴマ、百合根、牛乳、卵、豚肉、ホタテ、枸杞子などを摂取するように心掛けします。
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