#8 子供の漢方服用法
薬と言えば副作用があります。生後三か月以内の乳児は身体が未熟なので、副作用が少ないと言われている漢方でも、薬は飲ませません。
風邪やアトピー性皮膚炎、喘息などの子供(一般的に12歳まで)に漢方を飲ませたい場合は、四気が強い生薬を避けなければなりません。つまり、大辛(麻黄など)大苦大寒(大黄など)大熱(附子など)ではない漢方を選びます。なぜならば、これらの漢方は子供の成長と発育上に重要な気・陰を損なわせるからです。
また、子供に漢方を飲ませる際に最も注意しなければならないことは、胃腸を冷やさないこと、発汗させ過ぎないこと、強い補陽薬も使わないことです。これは、子供の胃腸と自癒力を育てたいからです。日常生活を通して、必ず子供の胃気(胃腸のこと)を守ることが何より重要です。
子供の漢方服用法は、広い意味では普段の食生活にも応用できます。なぜならすべての食べ物は「四気五味」という食物の特性があり、体に働きかける力があるからです。季節や、子供の体質に合わせて、温熱寒涼、酸苦甘辛鹹がある食物を選んで献立を組み立てて、体内のバランスを整えることで、子供の「胃気」を守ることが第一歩です。
逆に、食物を偏って摂取すると、体内の陰陽バランスが崩れてしまい、病気を引き起こす原因となります。
なにしろ、食べ物は、漢方の中で一番毒が少ない上薬なのですから。
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