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パーラー三芳
2017年10月30日 20:52
豚汁で昼酒の会というのをやってみたときの三品。主役たる豚汁と、豚汁といえばなぜか食べたくなる焼きおにぎり、そして酒のあての唐辛子味噌。豚汁豚ばらのスライス、里芋、人参、大根、こんにゃく、木綿豆腐、南関揚げ、長ねぎ、舞茸。味付けには麦味噌、赤味噌、白味噌をそれぞれ8:1:1であわせたものと、酒と薄口醤油で綺麗目に仕上げる。ごぼうを入れ忘れたのと、干し椎茸の代わりに舞茸を使ってみたのとで、いつ
2017年10月25日 10:30
日本酒に合う究極のあては出汁に違いないという話で盛り上がったのは、福岡は大名「醸造酒場アジート」のご店主にご来店いただいたときのことだったと思う。その説に従うならば、いろいろな食材の出汁を堪能できる鍋の冬こそ、酒飲みにとっての最高の季節ということになるかもしれない。三芳でも、寒い間は鍋料理を用意するつもりでいる。先日始めたばかりのこの記録の趣旨「作ったものを忘れないようにする」とは少し違うけれど
2017年10月23日 23:03
何か新しいものを試作するときは、どこかお店で食べたものをイメージしてみることが多い。ありていに言うとパクリということになるが、しかし完璧に模倣することのできない腕の未熟さと、それでも自分の好みに近づけようとする試行錯誤の結果、どれもそれなりに「三芳の味」と言えるようになっていると思う。肉じゃが炒めた玉ねぎに、塊の牛肉を数時間柔らかくなるまで煮ておいたものを、汁ごと加えて醤油と酒、少しの味醂で
2017年10月20日 19:42
便宜上、日本酒バーということになっている。提供できる品数では本格的な料理屋に及ばないのでそう名乗るのだけれども、それでも日本酒は何かしら食事と一緒に楽しむお酒だと思っているので一品料理はいくつか用意しているし、そうなると果たしてこの形態をバーと呼んでいいのかどうか、迷うこともしばしばである。この頃は人に何の店かと問われたら「日本酒を飲むところ」などと曖昧な返事をしている。いずれにしても営業開始
2017年10月17日 20:39
「みつせ地鶏を食べる会」のために仕入れた鶏肉と、なぜかキャベツがかなりの量余ったので、この二つを使ったつまみを用意することにした。ちょっと気合を入れてロールキャベツなどを作ってみるのも吝かではないが、あいにく水炊きに使った鶏挽肉はもう残り少ないし、ここは飲み屋らしくシンプルにいこうと思う。キャベツの辛子酢和え千切りにして塩もみ、溶いた辛子と酢醤油で和える。今回はもも肉を炙ったものを薄く切って
2017年10月15日 01:23
3階の福岡生活道具店と共同開催の「みつせ地鶏を食べる会」に向けて鶏料理を仕込む。道具店はイタリアン、三芳は和食という住み分けで各々4、5品を用意する段取りである。また簡単なサラダバーも用意する。道具店では、鶏たたきのマリネ、鶏と豆乳のポテトサラダ、もも肉のクリーム煮、チキンソーセージ、鶏のペンネアラビアータを予定しているらしい。三芳では4品。あわせるファーストドリンクには基峰鶴のひやおろしを用意
2017年10月11日 22:34
今ではパチンコ屋くらいでしか使われなくなったパーラーという言葉を店の名に付けたのは、明治の終わりに銀座でオープンした「資生堂パーラー」をイメージしてのことで、和洋折衷、大正モダンな雰囲気の店内にしっくりくると、ひとり納得している。そんなわけもあって日本の古き良き"洋食"にはなんとなく思い入れをもっていて、カツレツ、コロッケ、ビーフシチュー、そういったものと日本酒をあわせて提供できたらどんなに面白
2017年10月10日 21:31
鰆は良い。柵ならば比較的安価で手に入るし、しっとりとした白身のうまさは特有で、他の魚ではまず味わうことができない。刺身で食べて美味い魚はと問われれば一等に鰆をあげる。当然焼いても美味い。鰆の幽庵干し醤油と酒、みりんに漬けて幽庵焼にするところを、焼く前に数時間の風干しにしておいた。主に保存を考えてのことであるが、酒飲みの舌にはむしろこのくらいの締りがあった方が良いように思う。佳肴。鰆の酒焼
2017年10月10日 00:18
店で出す「あて」として、その日仕込んだものを日記の代わりに残していくことを思いついた。いつか作るものに困ったとき、記録を引っ張り出せば何かのヒントになるかもしれない、つまりは個人的な備忘を目的としてのことであるが、あわよくば誰かの目に触れて「パーラー三芳」という店を知ってもらうきっかけになればありがたい。そんなことを考えて、試みに今日の品書きからいくつかを記してみる。塩漬けにした砂ずりを蒸し