もやしのナムル、焼き海苔
便宜上、日本酒バーということになっている。
提供できる品数では本格的な料理屋に及ばないのでそう名乗るのだけれども、それでも日本酒は何かしら食事と一緒に楽しむお酒だと思っているので一品料理はいくつか用意しているし、そうなると果たしてこの形態をバーと呼んでいいのかどうか、迷うこともしばしばである。この頃は人に何の店かと問われたら「日本酒を飲むところ」などと曖昧な返事をしている。
いずれにしても営業開始は20時、やや遅い時間に来られるお客さんは夕食を済まされていて、食事よりも軽い"おつまみ"が好まれることも多い。
もやしのナムル
さっと茹でてよく水気を切ったもやしに、擦った白ごま、粗目の粉唐辛子、塩、薄口醤油、ごま油。普段であればそこに少量の酢を加えてさっぱりと仕上げるところ、今回は試みにコーレグースーを代わりに足してみた。いくらか調整の余地はあるけれど、思いの外良い。これまでラー油代わりに餃子かラーメンに垂らすくらいにしか使っていなかったものを、調理に使うという選択肢を得たことも収穫であった。今後増えていくであろう出番に備えて、次の唐辛子の季節にはまた仕込まなければいけない。
もやしは今のところ、黒豆もやしを好んで使っている。大豆もやしの「豆を食べているぞ」という力強さも捨てがたいのだけれど、黒豆の、細いながらも締まってモシャモシャとした食感と旨味は、それにも勝る魅力のように思う。
焼き海苔
厳密に言うならば「乾海苔を炙ったもの」である。上手く炙った海苔の香りほど酒を進ませるものはない。醤油に手製の七味を添えて出す。
仕入れの都合で纏まった単位で買ってくるこの乾海苔、今現在在庫にはまだ余裕があるのだけれど、最近また違ったタイプ良い海苔を見つけてしまったので新海苔の季節には是非ともそいつを仕入れたいと思っている。そういった訳でこれからしばらく海苔料理を増やしていくことになると思う。さてどう調理するのが良いか。