#国家
技能実習生がもう限界の件
▼コロナ禍で苦しむのは、女性、こども、そして外国人である。
2021年3月22日付日本経済新聞に、外国人の苦しみについてよくわかる記事が載っていた。適宜改行と太字。
〈技能実習生 もう限界/仕事失い帰国できず、コロナで二重苦/「生活苦で犯罪」防ぐ支援を〉
〈新型コロナウイルスの影響で、苦境に陥る外国人技能実習生が後を絶たない。雇用情勢の悪化などで働き先を失い、帰国しようにも渡航制限でかなわな
終戦記念日の新聞を読む2019(4)毎日新聞「余禄」~アジアから見た日本
「終戦記念日のコラムを読む」は、(1)では特攻した少年と親の物語、(2)では原爆被爆者の一言、いわば「虫の目」で見た戦争を、(3)では気候変動などの「鳥の目」で見た戦争や国家を、取り上げた。
▼今号で取り上げるコラムは、気候変動などと比べたら「低空飛行の鳥」の目で見た戦争かもしれない。
▼「戦争を知らない人間は、半分は子供である」という有名な言葉は、大岡昇平がフィリピン戦線の日本軍を描いた傑作
終戦記念日の新聞を読む2019(2)愛媛新聞「地軸」~言葉の底を読み解く
▼読み解く、という言葉の意味を考えさせてくれるコラム。2019年8月15日付の愛媛新聞「地軸」から。
▼冒頭は〈わが子を胸の下にかばい守ろうとした母親の姿は、皆の脳裏に焼き付いていた。広島市の原爆資料館には黒く焦げた親子の遺体の絵が何枚もある。〉
このコラムでは、広島市立大広島平和研究所教授の直野章子氏の知見が紹介されている。直野氏は「『原爆の絵』と出会う」(岩波ブックレット)の著者。
〈被
終戦記念日の新聞を読む2019(1)高知新聞「小社会」~特攻した子の親
▼ふと気がついた時、オンラインで読めるブロック紙、県紙のコラムにはなるべく目を通す。一年のうちに、何回かそういう日があって、8月15日付も、そのうちの一日だ。
この日は、どのコラムもだいたい力が入っている。今年の2019年8月15日付は、日本経済新聞と高知新聞が、全篇にわたって読ませる良質な内容だった。
▼日経は読む人も多いので、後回しにして、高知新聞の「小社会」を紹介しよう。
〈飛行機はい
感情論は論理ではない件(1)日韓両政府の面子(めんつ)問題
▼よく「それは感情論だよ」とか言うが、厳密にいうと、「感情論」は「論理」ではない。「感情論」はただの「感情」である。
2019年8月14日付の各紙に載った、共同通信の記事。
〈日韓輸出規制/報復合戦で消耗戦に/企業不安視、打開策なく〉
〈輸出規制を巡り、日韓両国が報復合戦の様相となってきた。韓国で輸出管理上の優遇国から外されることに日本側は平静を装うが、出口の見えない消耗戦を企業は不安視。さ
日本は優生思想に寛容である件(4)「病気は自己責任」論との危ない関係
▼ただの紙切れにすぎない紙幣(しへい)をめぐって、世界中の人々が左右され、動かされているように、「思想」というものは目に見えない力を持つ。
資本主義の思想は紙幣に体現されており、この文章を読んでいる人の誰もが、たとえばコンビニで買い物をして、赤の他人に紙幣を渡して、お釣りの小銭をもらう、という一連の行為が成り立っていることに、ふだんは1ミリの疑問も持たない。
これが思想の力だ。
▼「買い物」
日本は優生思想に寛容である件(3)必要なのは「死ぬな」というメッセージ
▼東京都練馬区で父親が息子を殺した事件について、前回は、〈断言するが、この殺人の背中を押す力のいくぶんかは、あなたの発した何げない「1人で死ね」の声だ〉という精神科医の斎藤環氏の言葉を紹介した。
▼今回は、2019年6月14日付の朝日新聞に載った同氏の声。適宜改行。
〈元事務次官の事件への反応では、二つのことが気になります。一つは「誰かを守るための殺人だったなら仕方ない」と肯定する議論です。