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2018年11月の記事一覧
外国人が来なくなる国 移民問題あれこれ
▼2018年11月26日付日経新聞に、「外国人が来ると日本人の失業率が上がる」という俗説を否定する論説が載っていた。
〈外国人労働者を受け入れると、競合する日本人の労働者に好ましくない影響(賃金の低下や失業率上昇)をもたらすという論調もある。しかしこれまでの実証研究から、外国人労働者受け入れは自国の労働者の労働条件に大きな負の影響はないというのが一般的だ(OECD「国際移民アウトブック2016」
安倍総理の「移民」政策と日本会議
▼〈首相「移民」なぜ否定〉という見出しがよかったのは、2018年11月18日付毎日新聞「アクセス」欄。
〈外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案の国会審議で、安倍晋三首相は「移民政策を取る考えはない」と強調している。人口減少に直面して「即戦力」の外国人労働者を求める一方、地域や社会の一員として受け入れる「移民」を強く否定することの意味を考えた。【佐藤丈一】〉
▼下記のコメントが日本の「移
移民問題の闇ーー「技能実習制度」は「国の恥」
▼「ジャケ買い」というか、「タイトル買い」してしまう本がある。ここ10年で印象に残ったタイトルには『自殺する種子』という新書があった(安田節子『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』平凡社新書、2009年)。
種子なのに自殺? とてもショッキングなタイトルだった。「ターミネーター・テクノロジー」という技術を使って、自殺するように開発された種子があり、その種子を使って大儲けしている大企業の
フェイクニュースは「ソーシャルポルノ」と呼ばれる件
▼なんとかポルノ、という新語が幾つかあるが、「ソーシャル・ポルノ」という言葉を知った。2018年11月20日付朝日新聞に載った、東京大学准教授の鳥海不二夫氏のコメントが面白かった。
〈日本では、ソーシャルメディアで広がったフェイクニュースを、ネットの小さなニュースメディアが取り上げることでさらに広がる。両者の間で連鎖反応が起きている。閲覧する人がいるから、ニュースメディアは取り上げる。だから、非
ヤシャ・モンク氏の語る「自由なき民主主義」
▼アメリカの政治学者ヤシャ・モンク氏は、「ポピュリズムが民主主義を脅かしている」のではなく、その逆で、「民主主義が信頼を失っているから、ポピュリズムがのさばるのです」と語る。(2018年11月7日付朝日新聞)
「その兆候は先進国では20年以上も前からありました。投票率の低下や、政党・政治団体に所属する若者の減少、議会の信頼の失墜など。米国では1970年代には4割以上だった米連邦議会への信頼度が2
「明治150年」と「戊辰(ぼしん)150年」を読む
▼近所の本屋に「はじめての新書」(岩波新書創刊80年記念)という無料の小冊子が置いてあった。岩波以外の新書も紹介しているで、本好きにとってお得な情報がたくさん詰まっている。なかでも、『AIvs.教科書が読めない子どもたち』で時の人となった新井紀子氏(国立情報学研究所教授)の文章に考えさせられた。適宜改行。
〈山本義隆『近代日本一五〇年ーー科学技術総力戦体制の破綻』(岩波新書)は、「明治からの一五
入管法改正 外国人と害国人の間
▼入管法(出入国管理法)改正案の審議が混乱している。ずいぶん前から、これは「入管」という言葉の範疇を超えた問題であることを真摯に訴えてきた良質なルポが、山ほどある。今回は、珍しく産経新聞も朝日新聞も法改正の成立に反対している。もちろん、反対の理由は異なるが。
〈なぜ外国人を大規模に受け入れなければならないのか。法案の目的は依然としてはっきりしていない。/政府・与党は今国会での法案成立にこだわらず