マガジンのカバー画像

毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

1,197
連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

水深800メートルのシューベルト|第501話

 メイソンがいないと、バーナードもブライアントも緊張感がなく、つまらなさそうだったが、僕…

1

水深800メートルのシューベルト|第500話

 バーナードが立ち上がって手を伸ばし、その中の、金髪で顔にそばかすのある子に声をかけた。…

2

水深800メートルのシューベルト|第499話

 カフェテリアでの一角で、ブライアントやバーナードと一緒にランチをしていたが、話題はいつ…

2

水深800メートルのシューベルト|第498話

 メイソンが軽罪で掴まっている間、僕らの『仕事』は無くなって、平和が訪れていた。  ブラ…

2

水深800メートルのシューベルト|第497話

       (30)  四月に入り、春学期が始まると、僕は効率よく単位を取りに学校へ行…

1

水深800メートルのシューベルト|第496話

 メリンダが、家に入ってしまってから階段を降り始めたが、自分が口にしたこと、彼女の話しぶ…

2

水深800メートルのシューベルト|第495話

ここから逃げ出したくなったが、それもずるい考えのような気がして動けなかった。メリンダは、僕の胸の内を見抜いているようだった。 「面倒だよね? 怒ってる?」  僕は首を振った。 「ありがとう」  彼女は別れのキスを頬にしてきた。今度は、彼女の唇の横の紫色が近づいてきたので、唇が触れた瞬間、その痛みも伝わってきて居たたまれない思いになった。  階段を降りる直前、「アシェル」と呼び止められたので、振り向くと彼女は手を振った。 「ごめんね」  その言葉は耳に重く響いた。じっと顔

水深800メートルのシューベルト|第494話

「今日はたまたまよ。こんな悪い日もあるの。いつもじゃないの」  メリンダは、目を細めて微…

4

水深800メートルのシューベルト|第493話

「僕が仕事を始めたら、君は……その……家を出られるかな?」  顔の中に火がともったように…

3

水深800メートルのシューベルト|第492話

「モニカおばさん、うちのパパみたいにお酒を飲むと怒り出すんだね」 「酒飲みはみんなそう。…

3

水深800メートルのシューベルト|第491話

居心地の悪さに耐えきれず、熱いコーヒーを一口すすると、帰る素振りを見せた。それを合図にし…

2

水深800メートルのシューベルト|第490話

「う、うん、そうするよ。おばさんの話は今度聞くよ」  モニカおばさんが、僕に話があるから…

4

水深800メートルのシューベルト|第489話

「あら、いいのよアシェル。もう死んじゃった人は戻らないんだから。後悔しても仕方がないわ」…

5

水深800メートルのシューベルト|第488話

「ママ、飲み過ぎよ。アシェルは小さかったんだから、無理言わないの」  お湯を注いでいたメリンダが、ため息まじりに言った。 「泥棒猫は黙っていな。また、ぶん殴られたいのかい。ジョーンズとも寝たくせに、あんたは小さい頃からそういう子だよ。お前が、あの人に毒でも盛ったんじゃないのかい?」  メリンダは、震える手で、カップに湯を注いでいた。 「ぼ、僕が悪かったんだよ、おばさん。僕がパパのお酒を止めていれば……」  ママと次に会った時に、許してもらえるまで言おうと練習していた台詞を