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水深800メートルのシューベルト|第492話

「モニカおばさん、うちのパパみたいにお酒を飲むと怒り出すんだね」


「酒飲みはみんなそう。機嫌よく笑っていたかと思うと、突然怒鳴ったり泣いたりするの。無理矢理酒を飲まそうともするし……。雪山に来ている客も似たようなものよ。それで酔いが醒めると、憂鬱になって、また酒を飲んでおかしくなる。その繰り返しよ。でも、あの人たちは酒がどうしても必要なの。そうでもしないと、生きていけないのかもね。空気や水みたいに」
 メリンダは、悟ったように言った。僕は、彼女を勇気づけてあげたいと思った。


「あのさ……、僕、大学へ行って資格を取るつもりなんだ」
「アシェルは、頭が良さそうだものね。あの不良たちとはちょっと違うし」
 彼女は、微笑んだ。

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