「う、うん、そうするよ。おばさんの話は今度聞くよ」
モニカおばさんが、僕に話があるから会いたいと言っていたのだろうと思ったので、そうつけ加えた。
「え? 話なんてないよ。あなた、メリンダに会いに来たんでしょ? 友だちだか何だか知らないけど、金は払ってもらうよ」
彼女は、そう言い放った。その言葉に、ここに来るんじゃなかったと後悔した。
「ママ、飲み過ぎよ。アシェル、気にしないでいいのよ」
メリンダがおばさんと僕のそれぞれに声をかけた。その紫の口元は、口を開く度に痛そうに見えた。
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